
春は新車の季節! 中でも注目したいのは、3月17日に開幕した大阪モーターサイクルショーで世界初公開されたモデル。そう、ヤングマシンスクープ的中! 新生「エリミネーター」だ! 現行ラインナップ唯一の400ccクルーザーとして、新世界を切り拓く!
●文:ヤングマシン編集部(沼尾宏明) ●写真:藤村ノゾミ ●外部リンク:カワサキモータースジャパン
28年ぶり! 走りを重視した結果排気量は400に〈カワサキ エリミネーター〉
ビキニカウルに薄いロングタンク、サイドカバーからテールへ連なる優美なライン。現代的に洗練されているとはいえ、その姿はまさにエリミネーターの血脈である。
カワサキが大阪MCショーで「エリミネーター/SE」を世界初公開。車名に排気量は付かないが、ニンジャ400譲りの400cc水冷パラツインを積むクルーザーだ。
直列4気筒を搭載していたかつてのエリミネーター400は、’93年に最終モデルが登場し、’95年型をもって生産終了。そこから28年の歳月を経て、400cc並列2気筒で復活を遂げることになった。
それにしても、なぜ400なのか? 関係者筋によると「加速感やパワーを求めた結果」とのこと。また、日本市場を重視したモデルながら、将来的にグローバル展開する予定があり、400を選択したという。
現行400クラスにクルーザーは存在しない。近頃のカワサキは、他社に追随するのではなく、他がやらないモデルを率先して発売することで新市場を開拓してきた。車名の「Eliminator(排除する者)」のとおりライバル不在の独走態勢を築き、走りの面でも退屈を排除する痛快なマシンとなるに違いない。
SE/STDの2グレード構成だ! 〈カワサキ エリミネーター/SE〉
開発コンセプトの「心高揚させるもの」を具現化するべく、迫力と所有感を満たすデザインが目指されたエリミネーター。まず注目すべきは初代と同様の水平基調ラインだ。上下方向に薄い燃料タンクと、ヘッドパイプからテールにかけての水平ラインがシームレスにつながる。これにローシートが加わり、流麗なロング&ローフォルムを構築している。
さらに丸1眼ヘッドライトとリヤツインショックでバイクらしい男臭さも表現。エンジン付近にはメカが凝縮され、重厚感がしっかり漂う。一方で灯火類をフルLED化するなど全体をモダンに洗練。現代のバイクらしいクールさが漂う。各部にも初代の意匠が施されており、曲線を描くテールカウルや横長のテールランプは、まさに初代エリミのオマージュだ。
加えてSEには往年のエリミを色濃く意識した新設計ビキニカウルを導入。特許申請済みの独特なマウント方法でミニマム化を実現しており、フロントビューはまさに先代エリミの面影がある。
新世代エリミは、昔を知るファンも若者も惹きつける。その上で多様なライフスタイルとステージに似合うデザインとしているのだ。
【’23 KAWASAKI ELIMINATOR SE】初代エリミネーターSEをイメージしたビキニカウルを装着。ハンドル側に引き寄せる独特なマウント法でコンパクト化を実現している。●価格:85万8000円 [写真タップで拡大]
【’23 KAWASAKI ELIMINATOR】丸1眼LEDヘッドライトで、よりプレーンなスタイルのSTD。万人に似合う上に、価格も約10万円安い。車体色はホワイトとブラックが選べる。●価格:75万9000円 [写真タップで拡大]
カワサキ エリミネーター カラーバリエーション(STD)
カワサキ エリミネーター スタイリング
【旧エリミ感を随所に残す】特にサイドカバーからテールへ流れる曲線美がソックリ。ただし新型はテール後端をスラッシュカット、一段と軽快感を生んでいる。※写真右は’88年式エリミネーター250SE [写真タップで拡大]
SEはドラレコとUSBが標準、実用性まで高い!
SEは、先代のエリミSEを彷彿とさせるカウルを採用。フォークブーツを履くほか、ツートーンで上縁にステッチを施したシートも専用だ。さらにカワサキ初のGPS対応ドライブレコーダーを標準装備。目立たない位置に前後カメラを備える。ハンドル右側に防水設計のUSB-C電源ソケットも採用し、利便性と実用性を大幅に高めている。
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