’21年のグロムに端を発する63.1mmストローク&高圧縮比エンジンが、ついにCT125ハンターカブにも搭載された。最新の排出ガス規制に対応しながら、最高出力は0.3psアップの9.1psへ。リヤショック変更にも注目!
●文:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:山内潤也 真弓悟史
【テスター:大屋雄一】まだ新車で買えた時代のCT110に試乗した経験もある本誌テスター。CT125は気になるものの、チューブレス&ギヤ段数表示ありのクロスカブ110に惹かれる。
ホンダCT125ハンターカブ 概要
規制対応後も走り不変! ハンターらしさ健在だ
’20年6月の発売以来、原付二種クラスで爆発的なセールスを誇るCT125ハンターカブが、ついに新型エンジンを搭載した。最新の排出ガス規制に適合しながら、最高出力は8.8psから9.1psへ。車体に関しては、リヤショックがプリロード調整付きとなったほか、リヤタイヤは銘柄をそのままに荷重指数と速度記号を44P→50Pに。これはキャンプツーリングに使われることの多い機種だけに、より高負荷に耐えられるようにするための改良だろう。
まずはエンジンから。ストロークのロング化や高圧縮比化など刷新されてはいるが、低回転域から力強さがフラットに続く特性や、シングルらしい蹴り出し感など、ハンターカブらしさは不変だ。最高出力が増えたことについては、おそらく現行オーナーがじっくり試乗して分かるかどうかの違いだろうが、排ガス規制対応後に吹け上がりのフィーリングがトーンダウンする機種もある中、全くそうなっていない技術力の高さに感心した。
続いてはハンドリングについて。リヤショックが非調整式からプリロード調整付きとなり、合わせてフロントフォークの部品番号も変更されていることから、前後サスペンションのセッティングそのものが見直されたと考えていいだろう。とはいえ、クラスを超えた剛性感のある車体や、どの速度域でも視線を送った方へスムーズに向きを変える扱いやすいハンドリングなど、基本的な操安性のイメージは全く変わっていない。サスペンションセッティングが多少ハードな方向へ振られているかとも予想したが、未舗装路での足回りの追従性に硬すぎる印象はなく、これまでと同様にダート遊びも十分に楽しめそうだ。
ドライブチェーンがノンシールのままだったり、メーターにギヤポジションインジケーターや時計が追加されなかったり(クロスカブ110は採用)と、期待していただけに気になる部分は残るが、新型エンジンに換装しながら価格据え置きなのは立派だ。これならわざわざ規制前の中古車を探す必要はないだろう。
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