
’21年のグロムに端を発する63.1mmストローク&高圧縮比エンジンが、ついにCT125ハンターカブにも搭載された。最新の排出ガス規制に対応しながら、最高出力は0.3psアップの9.1psへ。リヤショック変更にも注目!
●文:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:山内潤也 真弓悟史
【テスター:大屋雄一】まだ新車で買えた時代のCT110に試乗した経験もある本誌テスター。CT125は気になるものの、チューブレス&ギヤ段数表示ありのクロスカブ110に惹かれる。
ホンダCT125ハンターカブ 概要
【HONDA CT125 HUNTER CUB】■全長1965〈1960〉 全幅805 全高1085 軸距1260〈1255〉 シート高800(各mm) 車重118〈120〉kg ■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ 123〈124〉cc 9.1ps/6250rpm〈8.8ps/7000rpm〉 1.1kg-m/4750rpm〈1.1kg-m/4500rpm〉 変速機形式4段リターン 燃料タンク容量5.3L■ブレーキF=ディスク R=ディスク ■タイヤF=80/90-17 R=80/90-17 ●色:赤 緑 銀 ●価格:44万円 ※〈〉内は従来型
【ライディングポジション】リヤショックやリヤタイヤが変更されたものの、シート高800mmは変わらず足着き性は良好だ。ニーグリップはできないが、スタンディングにも対応する扱いやすいライディングポジションだ。[身長175cm/体重68kg]
規制対応後も走り不変! ハンターらしさ健在だ
’20年6月の発売以来、原付二種クラスで爆発的なセールスを誇るCT125ハンターカブが、ついに新型エンジンを搭載した。最新の排出ガス規制に適合しながら、最高出力は8.8psから9.1psへ。車体に関しては、リヤショックがプリロード調整付きとなったほか、リヤタイヤは銘柄をそのままに荷重指数と速度記号を44P→50Pに。これはキャンプツーリングに使われることの多い機種だけに、より高負荷に耐えられるようにするための改良だろう。
まずはエンジンから。ストロークのロング化や高圧縮比化など刷新されてはいるが、低回転域から力強さがフラットに続く特性や、シングルらしい蹴り出し感など、ハンターカブらしさは不変だ。最高出力が増えたことについては、おそらく現行オーナーがじっくり試乗して分かるかどうかの違いだろうが、排ガス規制対応後に吹け上がりのフィーリングがトーンダウンする機種もある中、全くそうなっていない技術力の高さに感心した。
続いてはハンドリングについて。リヤショックが非調整式からプリロード調整付きとなり、合わせてフロントフォークの部品番号も変更されていることから、前後サスペンションのセッティングそのものが見直されたと考えていいだろう。とはいえ、クラスを超えた剛性感のある車体や、どの速度域でも視線を送った方へスムーズに向きを変える扱いやすいハンドリングなど、基本的な操安性のイメージは全く変わっていない。サスペンションセッティングが多少ハードな方向へ振られているかとも予想したが、未舗装路での足回りの追従性に硬すぎる印象はなく、これまでと同様にダート遊びも十分に楽しめそうだ。
ドライブチェーンがノンシールのままだったり、メーターにギヤポジションインジケーターや時計が追加されなかったり(クロスカブ110は採用)と、期待していただけに気になる部分は残るが、新型エンジンに換装しながら価格据え置きなのは立派だ。これならわざわざ規制前の中古車を探す必要はないだろう。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(CT125ハンターカブ)
最短2日間で修了可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付を除い[…]
125ccクラスは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり[…]
2020年モデル:初代は2色ラインナップ スーパーカブシリーズ中で究極のアウトドアマシンとして支持されていた“ハンターカブ”が、8年ぶりに復活を遂げたのは、2020年6月26日のこと。名称は、CT12[…]
ナチュラルカラーの「パールシュガーケーンベージュ」と「パールスモーキーグレー」を追加 「CT125ハンターカブ」の2025年モデルが発売されたのは、2024年12月12日のこと。新色はいずれもアースカ[…]
“ターメリックイエロー”爆誕ッ!! CT125ハンターカブの2024年モデルが発売されたのは、2023年12月14日のこと。新色の「ターメリックイエロー」が追加された。ホンダいわく“市街地や郊外で映え[…]
最新の関連記事(試乗インプレッション/テスト)
以前、Honda E-Clutchを開発した方々にインタービューしたとき「最初はHonda E-Clutchなんていらないと思っていたけれど、一度乗ったら考えが変わった」という話をお聞きしました。 じ[…]
ホンダ「モンキー125」(2018) 試乗レビュー この記事ではかわいらしいフォルムと実用性が同居したファンバイク、モンキー125の2018年モデルについて紹介するぞ。50ccのモンキーがディスコンと[…]
バイクに憧れて免許取得 初めてのスクーター体験 最初に乗ったのは「リード125」。 高い燃費性能と動力性能を兼ね備えた人気のスクーターです。 実はミクさん、公道でスクーターに乗るのは今回が初めて。試乗[…]
カワサキ「Z900」(2018) 試乗レビュー この記事ではカワサキの大型ネイキッド、Z900の2018年モデルについて紹介するぞ。今や押しも押されぬ人気のZ900RSのベースとなった一台だ。 ※以下[…]
ホンダGB350S(2021)試乗レビュー この記事では、手頃な価格と心地よい鼓動感が魅力のホンダGB350のスポーティーバージョン、GB350Sの2021年モデルについて紹介するぞ。現役レーシングラ[…]
人気記事ランキング(全体)
スタイルだけでなく中身も”スペチアーレ” とかく値段が取りざたされがちなGT-R50ですが、パフォーマンスも値段相応の素晴らしさです。GT-Rマニアにはお馴染みのNISMOパッケージ、すなわち600p[…]
日本車と欧州車がおおよそ半々 マン島をバイクで訪れるには、リバプールやヘイシャムなどの港まで自走し、「スチームパケット社」が運行しているフェリーを利用するのが一般的だが、小型ボートをチャーターしてバイ[…]
マツダGT-Rを名乗るは「マツダ323」、つまりは… いうまでもなくマツダ323とは日本名ファミリアのこと。こちらは1989年デビューの7代目(BG)のGT-Xをベースに数々のカスタムを加えたモデル。[…]
オートマ・AMT&ベルトドライブ採用の250ccクルーザー! 自社製エンジンを製造し、ベネリなどのブランドを傘下に収めることでも知られる、中国・QJMOTOR。その輸入元であるQJMOTORジャパンが[…]
先進の冷却機構を備えたフルフェイス カブトの展開するフルフェイスヘルメット「SHUMA」最大の特長は、「ウルトラクールシステム」と称される独自の冷却機構だ。その秘密は風洞実験によって作り上げられた、フ[…]
最新の投稿記事(全体)
シリーズ第9回は『クイーンスターズ』と一緒に「引き起こし」だ! 白バイと言えばヤングマシン! 長きにわたって白バイを取材し、現役白バイ隊員による安全ライテク連載や白バイ全国大会密着取材など、公道安全運[…]
走り屋たちのバイブル『バリバリ伝説』 1980年代のバイクブームを象徴し、今なお語り継がれる伝説のバイク漫画『バリバリ伝説』。『頭文字D』や『MFゴースト』など数々のヒット作を生み出したしげの秀一氏に[…]
バイクツーリングにおすすめの都道府県ティア表 バイクツーリングの魅力は、ただ目的地に行くだけでなく、そこへ至る道中のすべてを楽しめる点にある。雄大な自然が織りなす絶景、心地よいカーブが続くワインディン[…]
アウトローなムードが人気を呼んだフルフェイスがついに復活! 6月3日付けでお伝えしたSHOEIの新製品『WYVERN(ワイバーン)』の詳細と発売日が正式に発表された。 1997年に登場したワイバーンは[…]
東洋の文化を西洋風にアレンジした“オリガミ”のグラフィック第2弾登場 このたびZ-8に加わるグラフィックモデル『ORIGAMI 2』は、2023年1月に発売された『ORIGAMI』の第2世代だ。前作同[…]
- 1
- 2