右眼の前に配置された投影板(コンバイナ)が、まるで人気漫画のスカウターのようだと話題のSHOEI新製品「オプティクソン」が、SHOEIギャラリー各店舗で限定的に先行発売された。ガジェット好きなら飛びつかずにはいられないだろう。さっそくツーリングや通勤で使い倒してみたぞ!
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●写真:柴田直行 ●取材協力:SHOEI
目の前にナビ等の情報が浮かび上がる!
SHOEIのスマートヘルメットがついに発売された! 最初は試験的な限定発売だというが、税込13万7500円は思ったより安い。当然ながらJIS規格に適合しているが、それ以上にSHOEIが製造するという点でさらなる安心感を覚える読者も多いのではないだろうか。
スマートヘルメットとは、情報を映し出すHUD(ヘッドアップディスプレイ)を備え、スマートフォンとのコネクト機能を持ったヘルメットのこと。スピーカーやマイクも内蔵しており、音楽を聴いたりヘルメットを被ったまま通話したりもできる。
このオプティクソンは、メジャーヘルメットメーカーが初めて手がけるスマートヘルメットとして、’19年の東京MCショーで国内初公開されて以来、注目を集めてきたもの。’22年春にも出品されたが、その際にはかなり現在の市販モデルに近い姿にアップデートされていた。
さっそくお借りしたオプティクソンをテストするが、被る前に設定が必要だ。ナビ機能を使用するには、スマホに専用アプリ「ツーリングサポーター」をインストールし、有料のプレミアムプラスコースに加入する必要がある。そしてスマホとヘルメットをブルートゥースでペアリングし、投影板=コンバイナ(通称:スカウター)に情報が表示されることを確認したら、あとはナビを設定して走り出すだけだ。
ビルトインされたスピーカーは耳に当たることもなく、音質はまずまず。口元のマイクは時折口唇に触れるが気になるほどではない。左側にあるスイッチ類は厚手のグローブでも操作はカンタン。
電話の着信はボタンの短押しで応答、長押しで切断する。高速道路では車種によって風切り音も入るが、一般道では問題なく通話できる。
コンバイナに表示されるのは目的地までの距離と右左折の道案内だ。交差点名なども表示でき、これに音声による案内が加わることで、安心して目的地へ向えるわけだ。ナビを使用しない時は畳んでおけるので、音声機能だけの使用もできる。
ナビはバイクの排気量を考慮したルート設定を組んでくれるので安心。ただ、トンネル/高架下/高層建築物に囲まれたエリアなどでは現在位置を見失うのが早い印象だった。復帰にもやや時間を要する。
ナビ使用時、コンバイナが常に目の前にある点については、使う人の好みで印象が変わるかもしれない。筆者は片目の前に表示板が存在することで周囲の状況把握がワンテンポ遅れる傾向だ。陽光など外光環境にもよるが、フワッと周辺視で捉えるような見方がしにくい場面があった。
革新的なだけに多少の慣れが必要な部分もあるが、新しモノ好き/ガジェット好きにはたまらない。誰よりも先に未来を手に入れるなら今だ!
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