’09年の発売以降、タイの若者に大人気だというファッショナブルスクーター、ホンダ・スクーピーiの最新モデルに試乗した。ホイール径は12インチと14インチがあり、今回は前者の“クラブ12”をチョイス。日本での印象は果たして。
●文:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:長谷川徹 ●外部リンク:シルバーバック
タイホンダ スクーピーi クラブ12:ディオ110に肉薄!? 想像以上に走りは優秀
日本ではクレアスクーピーという原付一種スクーターが販売されていたので、この丸目1灯のスタイルを見ると50ccかと思いがちだが、タイで販売されているのは空冷110ccだ。
彼の国では’09年に発売されて以降、’20年末までに240万台もの累計販売台数を記録。スーパーカブなどMT車が圧倒的人気のタイにおいて、ATスクーターの地位を押し上げた立役者として知られている。
タイホンダ スクーピーi クラブ12:試乗インプレッション
まずは動力性能から。110ccの空冷eSPエンジンは、ボア×ストロークや圧縮比などが共通であることから、ディオ110と同系であろうと推察する。始動からアイドリングまで非常に静かで、体に伝わる微振動も極小。アイドリングストップの停止や再始動のタイミングにも不満はない。
スロットルを徐々に開けると、遠心クラッチによる振動をほとんど発生させることなく、スムーズにスタートする。そこからの加速感については、PCXに代表される水冷125cc勢ほど力強くはないものの、車重がPCX比で38kgも軽いこともあってか、60km/h到達までにほんの少し遅れるかな、というレベルだ。
力量差を感じるとすれば急勾配の上り坂で、スクーピーiはやや大きめにスロットルを開ける必要がある。とはいえ、パフォーマンスとしてはディオ110と同等だ。
続いてハンドリング。フレームはeSAFと呼ばれるプレス成形&レーザー溶接の最新式で、このかわいらしいルックスとは裏腹に、走りに全く不安を感じないほど剛性バランスに優れている。
ギャップ通過時のヘッドパイプの揺れにくさはもちろん、タンデム時も前後タイヤの整列がズレる感じがなく、安心して走り続けられる。ハンドリングそのものは、ホンダのスクーターに共通するイージーなもので、それこそ視線を曲がりたい方へ向ければ、スムーズに舵角が付いて旋回してくれる。
ブレーキについては、フロントがディスク、リヤがドラムで、左レバーで前後が連動する。連動時の制動力は強力だが、フレームがしっかりしているので不安はなく、コントロールの幅が広い点も気に入った。
タイホンダ スクーピーi クラブ12 車両紹介
タイホンダ スクーピーi クラブ12:エンジン
タイホンダ スクーピーi クラブ12:足まわり
タイホンダ スクーピーi クラブ12:主要装備
[△] スマートキーの操作があまりスマートでない
前後14インチのアーバンには採用されていないスマートキー。キー本体のボタンを一度押したあと、ブレーキレバーを握りながらセルボタンを押してやっと車両側の電源がオンになるので、エンジン始動までの行程がスマートでないのが残念だ。
[こんな人におすすめ] このスタイルにピンと来たら買うしかない!
あと3万円足せば125ccのPCXが買える値段だが、このスタイリングに惚れた人はそんなことを気にしないはず。タイではプレミアムな位置付けであり、安っぽさは微塵もなし。ネイビー×イエローなら男性にも似合うはずだ。
※本記事は“ヤングマシン”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
アッパーカウルはフランスで882.5ユーロ 1980年代のGSX1100S KATANAをモチーフにしたスペシャルモデルを製作することは、S2コンセプトのスタッフが何年も温めていたアイデアだった。それ[…]
【’09VMAX開発秘話】2リッター「音魂(オトダマ)」は失敗だった 新VMAXの開発には実に十数年の歳月が費やされた。このプロジェクトを長い間推し進めてきた中心人物は開発の経緯をおよそ次のように語る[…]
ライトグレーのボディにライトブルーのホイールが新鮮! ヤマハが「MT-25」の2025年モデルをインドネシアで世界初公開した。欧州で発表済みの兄弟モデル・MT-03に準じたモデルチェンジ内容で、現地価[…]
従来は縦2連だったメーターが横2連配置に ヤマハは、2004年に欧州で誕生し、2017年より日本を含むアジア市場へ(250として)導入されたスポーツスクーター「XMAX」の2025年モデルを欧州および[…]
欧州&北米で昨秋登場した新型YZF-R3の250cc版 ヤマハはインドネシアで新型「YZF-R25」を発表した。2024年10月に欧州&北米で登場した新型YZF-R3と同様のモデルチェンジ内容とした2[…]
最新の記事
- 【200台限定】BMW「R12S」予約受注開始! R90Sをリスペクトした仕上げのヘリテイジ・カフェレーサー
- 【2025年1月版】150~250cc軽二輪スクーター 国内メーカーおすすめ7選! 125ccの双子モデルからフルサイズまで
- 「やってみると気持ちがいい!」ライダー同士の楽しい挨拶「ヤエー」について調べてみた
- 「13Lしか入らないタンク」が角Zを象徴 1978年カワサキ『Z1-R』【柏 秀樹の昭和~平成 カタログ蔵出しコラム Vol.13】
- 「発売が待ち遠しい!」CB1000/750ホーネット関連記事ランキングTOP5【2025年最新版】
- 1
- 2