
ホンダの125cc横型エンジン搭載モデルは、全部で5機種の大所帯。「買うなら一体どれがいいの?」「どんなところに違いがあるの?」そんな疑問に答えるため、ヤングマシンメインテスター 丸山浩氏が5機すべてに試乗。新型ダックスとほか4モデルを比較して検証する。本記事でダックスと比べるのはグロム。5機種の中ではもっとも「普通のバイク」に近いモデルだ。
●文:ヤングマシン編集部(宮田健一) ●写真:真弓悟史 ●外部リンク:ホンダ
‘22 ホンダ ダックス125/グロム 概要
グロムが他のモデルと違うのは、なんといってもニーグリップができる燃料タンクの存在。これがあるのとないのとでは、やっぱりマシンコントロールの仕方がずいぶんと違う。太ももを使って車体をしっかりホールドしながらコーナリングできる操り方は一般的なバイクと同じ。ある程度スポーツ的な走りを楽しもうと考えるなら、このグロムが最適解だ。
【’21 HONDA GROM】■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ 123cc 10ps/7250rm 1.1kg-m/5500rpm ■車重102kg シート高761mm 6L ■タイヤサイズF=120/70-12 R=130/70-12 ●色:フォースシルバーメタリック マットガンパウダーブラックメタリック
【’22 HONDA DAX125】■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ 123cc 9.4ps/7000rpm 1.1kg-m/5000rpm 変速機4段リターン(停止時のみロータリー式) ■車重107kg(装備) シート高775mm 3.8L ■タイヤサイズF=120/70-12 R=130/70-12 ●色:パールネビュラレッド パールカデットグレー ●価格:44万円
どちらもノーマル状態で2人乗りに対応しているグロムとダックスは全長やホイールベース、それにタイヤサイズが同一。グロムはマニュアルクラッチと5速ミッションがよりバイクらしいスポーティさを味わわせてくれる。この内容で車両価格が最も安いのは嬉しいポイント。
ダックス VS グロム 比較試乗インプレ:「普通のバイク」と同じ乗り方ができるグロム
グロムと比べると、ダックスはどんなに膝を絞ってもニーグリップすることはできず、代わりにシート前方を内股でホールドしようにも今ひとつ…と、マシンを振り回すような乗り方は苦手だ。グロムはマニュアルクラッチというところも、やはりスポーティ。メーターも5車の中では最も充実しておりタコメーターとギヤポジションインジケーターも装備している。
まあそうは言ってもグロムも原付二種なので、スポーツバイクと言うより普通のバイクに近い乗り味を得られるモデルだと言った方が正しいかも。ブレーキやサスペンションはしっかりしているが、ダックスに使われているものもほぼ同じ。
クラッチ形式の違いやニーグリップの有無はあるけれど、ダックスのコーナリング中の安定感の高さを生かせばサーキットで結構いいタイムが出ちゃうかも? という意見には僕も賛成だな。
グロムの意外な点はシート高が今回の中で最も低い上に、足を真っ直ぐ下ろせるので両足はべったりなところ。足着き性の良さでは一番かも。それにダックスほどの快適性は得られないけれど、グロムは2人乗りもできる。やっぱりスタンダードなバイクの形状に近いのだ。それでいて値段も一番安い。グロムを選ぶ人は迷わないのでは?
丸山浩のグロムココに注目!
【ニーグリップで安心ホールド感】今回集めた125の中でただ1台、燃料タンクでニーグリップができるのが最大のセールスポイント。マニュアルクラッチと併せて一般的なバイクの乗り方を覚えることができる。これで慣れておけば、上のクラスにステップアップするときにも困らないだろうね。
※本記事は“ヤングマシン”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
新設計の4気筒・502ccエンジンにEクラッチを搭載! ホンダは、中国で開催中の重慶モーターサイクルショーにて新型モデル「CB500スーパーフォア(CB500 SUPER FOUR)」を世界初公開した[…]
レースで勝つために進化を重ねたトップパフォーマー 「GSX-Rの40年」ではまず、”アルミフレーム+カウリング+4スト最強水冷4気筒”のGSX-R(400)を紹介。 1980年代初頭に始まった空前のバ[…]
その姿、まるでハンターカブ×ミニトレ?! タイ仕様は新型に切り替わるとともにカラーバリエーション変更&グラフィックが変更された。 一方ベトナム仕様は、従来モデルを標準仕様として併売。この標準モデルはカ[…]
ダークカラーに往年のオマージュカラーを乗せて 特別仕様車の製作を定期的に行うカブハウスは、1970年代のダックスをオマージュしたような限定仕様「DAX Royal Limited Edition」を発[…]
国産4社の400cc4ストツインの系譜 排気量上限が400cc以下の普通2輪免許、一昔前の言葉で言うなら中型限定免許は、日本独自の制度である。もっとも欧州では大昔から、排気量が400cc前後のロードス[…]
最新の記事
- 【元警察官が語る】実録! 私はこうして白バイ隊員になった
- 「スズキの矜持に刮目せよ」GSX-R 40年の軌跡を追う | GSX-R1000/R復活記念【ヤングマシン電子版10月号】
- メーカー主導のカスタムブーム:カワサキZ1-R【1978~1980】を巡る歴史
- 秋の小豆島を愛車で駆ける! 期間限定「オリーブ収穫ステイ」で絶景と旬の恵みを五感で味わいつくそう
- 各社各様だった中型限定免許への対応:スズキGS400【1976~1980】を巡る歴史
- 1
- 2