トライアンフモーターサイクルズジャパンは、フルモデルチェンジとなったタイガー1200シリーズの詳細を公開し、2022年4月に発売するグレードと価格もあわせて発表した。国内導入されるグレードは4種で、価格は236万4000円~274万4000円となっている。
●文: 山下剛
満を持して登場したトライアンフのアドベンチャーはエンジンからシャシーまで全面刷新した最強ツアラー
タイガー1200シリーズは、トライアンフのアドベンチャーツアラーのフラッグシップともいえる位置づけだ。大排気量3気筒エンジンに最新の電子制御デバイスを満載し、安全性と快適性を徹底的に追求した、あらゆる道を走破することができるマシンだ。また、長距離ツーリングにおけるメンテナンスの手間がかからないシャフトドライブを採用している点も特徴のひとつだ。
このたびのアップデートでは、エンジン、フレーム、ブレーキ、電子制御デバイスなど全面的な刷新が行われ、従来型よりも25kg以上という大幅な軽量化も果たしている。
まずエンジンは、並列3気筒というレイアウトこそ従来型より踏襲しているが、まったくの新設計となった。排気量は従来の1215ccから1160ccと小さくしつつも、最高出力は141psから150psへとアップ。最大トルクも12.4kg-mから13.3kg-mと高められた。しかもそれぞれの発生回転数も低くなっており、扱いやすさも向上している。
このエンジンの特徴はその名称にもなっている『T-PLANEトリプルクランク』にあり、不等間隔爆発(180度、270度、270度)とすることで低回転域での操作性やレスポンスを向上。さらに全域における加速性やトルクフィールも大きく高められた。また、組み合わされるシャフトドライブは、軽量化を果たすとともにメンテナンスサイクルを長期化した新設計となっている。
新開発のフレームは従来型よりも5.4kg軽く、ユーザーから寄せられた意見をフィードバックしたアルミ製リアサブフレームとボルトオンのリアハンガーによって、ハンドリングとエルゴノミクスをいっそう向上させた。片持ち式だったスイングアームは構造変更を受け、両持ち式となるトライリンク式スイングアームは1.5kg軽量化されている。
ライディングポジションは、低速走行時や停車時の扱いやすさに加えて、快適性と操縦性を向上。新設計のアルミ製燃料タンクとシートにより、足つき性も良好なものに仕上がっている。また、シート高は20mmで高低を変更可能で、オプションのローシートを装着するとさらに20mm下げることができる。また、ハンドルバーの幅を従来型よりも20mm広げ、ステップ位置も改善したことにより、オフロードでの操作性を高めている。
ブレーキシステムはブレンボ製を採用し、制動性とコントロール性に優れる『Stylema』モノブロックキャリパーを装着する。
メーターは7インチの大型フルカラーTFTパネルが採用され、速度やエンジン回転をはじめとする多種多彩な情報を効率よくライダーに伝える。このメーターには『マイトライアンフ コネクティビティシステム』が備わり、スマートフォンとの無線接続をはじめとして、アクションカム『GoPro』のコントロールも可能となっている。
コーナリングABS、トラクションコントロール、シフトアップ/ダウンに対応するシフトアシスト、日中の被視認性を高めるデイタイムランニングライト、コーナリング中に照射範囲を適正に自動調整するアダプティブヘッドライト、坂道発進を容易にするヒルホールド、グリップヒーターは全モデルに標準装備となる。
新型タイガー1200シリーズには、異なるキャラクターを持つ『GT』と『ラリー』の2種がラインナップされる。GTはデュアルパーパス性を高次元で両立しつつもオンロードでの快適性を重視した特性で、フロントに19インチアルミキャストホイールを採用する。対するラリーは21インチワイヤースポークホイール(チューブレスタイヤ装着可)を備え、オフロードにおける走破性を高めた特性となっている。
そしてそれぞれに『プロ』と『エクスプローラー』という2種のグレードが設定され、10L増加となる大型燃料タンクのほか、電子制御デバイスの有無などにより利便性と快適性が向上している。各グレードは車体色によって価格が異なる。
ライディングモードの種類は『ロード』、『レイン』、『スポーツ』、『オフロード』、『任意設定』の5種を基本としており、ラリーシリーズは『オフロード・プロ』を追加した6種となっている。これらはエンジン出力特性のほかにABSやトラクションコントロールなどの制御設定も同時に適切なものが選択されるシステムだ。
エクスプローラーシリーズには、コンチネンタル社と共同開発した『トライアンフ ブラインドスポットレーダーシステム』を搭載し、車両後方に設置されたレーダーによって他車が死角に入ってきたときと、車線変更時に他車が接近したときに警告を発するシステムを採用し、安全性を高めている。また、リアシートヒーターやタイヤ空気圧監視システムなども備えている。
なお、本国仕様としてはこれらのベースグレードとなる『タイガー1200GT』が存在するが、日本へは導入されない。
TRIUMPH TIGER 1200 GT PRO / GT EXPLORER[2022 model]
主要諸元■全長2245[2256] 全幅849(ハンドル)/982(ハンドガード含む) 全高1436-1497 軸距1560 シート高850-870(各mm) 車重245[255]kg■水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ 1160cc 150ps/9000rpm 13.3kg-m/7000rpm 変速機6段 燃料タンク容量20[30]L■タイヤサイズF=120/70R19 R=150/70R18 ●価格:236万4000円~239万4000円[254万9000円~259万4000円] ※[ ]内はGT EXPLORER
■TIGER 1200 GT PRO
■TIGER 1200 GT EXPLORER
TRIUMPH TIGER 1200 RALLY PRO / RALLY EXPLORER[2022 model]
主要諸元■全長2270[2296] 全幅849(ハンドル)/982(ハンドガード含む) 全高1487-1547 軸距1560 シート高875-895(各mm) 車重249[261]kg■水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ 1160cc 150ps/9000rpm 13.3kg-m/7000rpm 変速機6段 燃料タンク容量20[30]L■タイヤサイズF=90/90-21 R=150/70R18 ●価格:251万9000円~256万4000円[269万9000円~274万4000円] ※[ ]内はRALLY EXPLORER
■TIGER 1200 RALLY PRO
■TIGER 1200 RALLY EXPLORER
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タイガー1200シリーズ 概要 初代は1930年代という伝統車名のタイガー。現在の最高峰である1200が'12年の登場以来、10年越しの全面刷新を受けた。3気筒エンジンはスピードトリプル1200がベー[…]
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