
[Q] タイヤを交換すると、メーカーによって乗り味がかなり変わると言われています。また、ハイグリップタイヤとツーリングタイヤでもぜんぜん違うんですよね? それが本当だとすると、そもそもバイクの性格も変わってしまうのでは…?
●文:ライドハイ編集部(根本健) ●写真:柴田直行 真弓悟史
[A] メーカーのノウハウやカテゴリーによってフィーリングに差が出ます
同じサイズのタイヤでも、別の銘柄に替えると、乗り味というかハンドリングが随分と変わります。
たとえば、リーンしたときの手応えでややリーンする速度が遅くなる、つまり重く感じたり、逆にリーンが鋭く軽快に、これはフラッと倒れ込むような不安を覚えたりと、交換する前に馴染んだ感覚との違和感があったりします。
これは、同じサイズのタイヤでも、タイヤメーカーによってプロファイルと呼ばれる断面形状が違ったり、内部構造でカーカスと呼ばれるタイヤ形状や強度と減衰特性を左右する繊維の材質や積層している枚数が違うためです。
基本的には、設計時に狙った特性に大きな違いがあるというワケではないのですが、タイヤメーカーそれぞれが積み上げた技術力で達成させるため、リーンなど車体の動きには異なるフィーリングとなるのが一般的です。
それを防ぐには、新車時に装着されていたタイヤと同じ製品に交換すれば良いということになります。
この新車に装着されていた銘柄は、OEM(製造工場の組み立てラインで装着される)と呼ばれ、同じタイヤメーカーの同じ銘柄の同じサイズといっても、タイヤショップやバイク用品店で売られている製品と内容的に若干違っていることが多いのです。
つまり厳密に同じモノとこだわるのであれば、ちょっと割高になりますが、バイクメーカーの純正部品を取り寄せてもらうしかありません。
しかし、その同じ製品であっても、交換前にはすでに摩耗して断面形状が変わっていたり、衝撃吸収で繰り返し揉まれてきたカーカスの強度や減衰特性も変化しているので、同じタイヤであるはずなのに、新品に履き替えると当初はどこか違う感じがします
しばらく走れば感覚が馴染んできますが、少し違うぞという先入観が抜けないと、タイヤ交換してから乗りにくくなったと思い続けてしまうケースもあります……
※本記事は2021年6月3日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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