’19年末に開催された「第47回マシン・オブ・ザ・イヤー」投票者の中から抽選で1名様にモニター提供する予定のカスタムマシン「ADV150ラリー」。美しい輝きを放つパールホワイトのボディペイントに続き、マスキング&ペイント(一部デカール)にてグラフィックデザインを仕上げる。匠の技が随所に光る!
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ペイント仕上げのためのマスキングノウハウも様々。フリーハンドでイメージング
ホンダADV150らしさを際立たせる1台を目指しているYMラボ。パールホワイトとシルバーを基調とし、アンダーカウル周りや各部の引き締めに3分ツヤのブラックを施したボディペイント作業の次は、グラフィックデザイン=ストライプのマスキング工程に進む。
パールホワイトと深いシルバーで仕上げられたペース色の上に、クリアコートを吹き完全乾燥。その後、表面のクリア層を磨いて、平滑面にしてからグラフィックデザインのマスキング作業に入る。
メーカー純正のカラーリングは、印刷デカールのクリア仕上げ。今回は”150″のエンブレム以外、ほぼマスキング&ペイント仕上げにする予定だ。編集部は純正デカールのシルバーと同じ明るさのシルバーを使いたかったが、ベース色のパールホワイトとの見切りが明確になるか、一抹の不安も…。
そんな話をグラフィック担当の木村氏に伝えると、「だったらこうして確認しますか?」とつぶやきながらフリーハンドでシルバー部分をカット。外装パーツの定位置に仮固定して、色味をイメージさせてくださった。「これなら大丈夫」と感じた編集部は、引き続き作業をお願いした。
グラフィック工程は木村氏が担当。今回は純正グラフィックの色違いなので、純正部品を参考にマスキングのイメージを開始。
純正デカールのシルバー部分は、同じようにシルバー仕上げにするため、シルバー部分だけカットして具体的にイメージ。
フリーハンドでサクッとカットできてしまう熟練の職人技。ホワイトの上にシルバーをイメージ。実作業はペイント仕上げだ。
カットしたデカール形状に合わせて外枠をマスキング。次に見本を外して内側をマスキング。そんな繰り返しで精度を高めていく。
カーブでも追従性良く貼れるマスキングテープでグラフィックを決めたら、周囲に塗料が散らないようにマスキング養生してシルバーペイントを施した。
銀と黄色のストライプもペイント仕上げ
マスキングを施し、明るいシルバーとイエローをペイントで仕上げる。さらにパールホワイトの部分を完全にマスキングする。
深いシルバーに対して明るいシルバーのグラフィックでコントラストが冴える。シルバーを吹き乾燥させたら、再マスク後にイエローを吹く。
センタートンネル部分のパーツは純正の濃銀の上にストライプをペイント。マスキング後に”明るいシルバーイエロー”の順でペイントし、今まさにイエローの境界マスキングを剥がしている。
カッティングシート文字の輪郭マスキングが冴える
CGイメージ通りに仕上げるには、高度なマスキング技術が必要不可欠である。最大の難関は、大きな「ADV」文字の再現だろう。カウルの曲面が複雑かつ文字サイズも大きいため、まずはADVのロゴがカッティングマシンで切り出された。
この切り出し文字は、複雑曲面の外装パーツに貼り込まれた。さらに、文字の輪郭に沿ってマスキングを開始。このような手順で作業進行することで、デザインを再現しながら左右文字のバランスや歪みを補正するそうだ。もちろん、各工程で薄くクリアが吹かれ、乾燥後はその薄いクリア層の中で塗装面は平滑に研がれた。
「無駄なく効率良くマスキングすることも大切なんです」と話しながら、担当の木村氏が手際よくマスキングを進めていった。最初に明るいシルバー、次にイエローをペイント。そして工程ごとに薄くクリアが吹き付けられた。パールホワイトのベースから仕上げのクリアまで、途中を含めてクリアは、何と7工程も吹かれている。
シートサイドの”ADV”ロゴは、カッティングシートで作った文字を貼り込み、その文字をトレースしながら輪郭をマスキングしている。
CGイメージ通りにカウル曲面へ文字を貼り付け、文字外周をマスキングすることでこのような美しいマスキングが可能になる。
マスキング用カッティングシートを作ったところで、複合局面のカウルへは上手に貼り込むことができない。切り抜いた文字部分をテンプレートに利用。
ついにグラフィックの全容が姿を現した!
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