〈連載〉岡崎静夏がじっくり乗ってみました!

岡崎静夏の’20ホンダCB400 SF試乗インプレ後編【優れたスポーツのツール】

’20年も国内レース・J-GP3に参戦する女性レーサー・岡崎静夏さん。今回の試乗車・ホンダCB400SUPER FOURを前に、いつになく熱く語り続ける。長い歴史を持つ「本物」の存在感が、ライダーの熱いスピリッツを刺激するようだ。インプレッションレポート後編をお届けする。

岡崎静夏の’20ホンダCB400 SF試乗インプレ
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岡崎静夏(おかざき・しずか):チャーミングな笑顔でも中身はスパルタンな「バイクフリーク」。’09〜’10年、MFJレディースロードレースで2年連続王者に。全日本はGP-MONOを経て’12年からJ-GP3に参戦中。

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走りながらずっと考えてました。教習車として使われていることもあってか、とかく優等生と言われがちなCB400SF。でも自分は決して優等生とは思わないんですよね……。

完成度が高いバイクで、ジャジャ馬的な要素は皆無。本当によくできているんですが、「優等生」という言葉に含まれる「無味無臭で面白みに欠ける」という意味合いは、CB400SFには当てはりません。

特に学校での「優等生」って、「アイツつまんないヤツ!」とほとんど同じ意味ですよね? でもCB400SFは十分に面白いバイクなんです。

「通勤にも使える扱いやすさがCB400SFの特長。何をするにも楽しいバイクですが、やっぱりツーリングが気持ちいい! エンジンパワーにゆとりがあり、のんびり景色を楽しめます」(岡崎さん)

ハンドリングにクセがあるわけじゃありません。あくまでもニュートラルでナチュラルです。でも、勝手に曲がってくれる「オートマバイク」じゃない。ライダーが自分の意志を持って、正しく操作する必要があります。そこにはいくらかの技術も求められる。

ライディングはスポーツです。CB400SFはスポーツのツールとしてはよくできてるんですよ。

例えばマラソンしていて靴が勝手に前に進んだら、きっと選手は困る……というより、それもはやスポーツじゃないですよね(笑)。

つまり、ライダーが主体になって操った時に初めて完成するのが、CB400SFなんです。単体でできあがってる「優等生」とはちょっと意味が違うかな、と。

ライダーが正しい操作をすれば、正しく反応して正しく走ってくれる。間違った操作をすれば、間違ったなりの動きをする。優等生というより、先生って感じです。だから教習車に使われるんでしょうね。

「スポーツする楽しさを教えてくれるバイク。自分の意志で操るほどに気持ちよく走れます」(岡崎さん)

免許を取りたての人にも安心して勧められますが、自分が一番乗ってほしいのは、スーパースポーツに乗っているベテランの皆さんです。

スーパースポーツは、バイクの性能がとても高く、旋回に特化したマシン。ライダーが何もしなくても曲がってくれる。だからていねいな操作をきちんと覚えない可能性もあるんです。

スーパースポーツ乗りの方には、改めてCB400SFのような「先生」に乗ることで、自分がきちんと意志を持って正しく操作できているかを確認してほしいな、と思います。そのためには、レンタルバイクを利用するのもいい方法ですよね!

それにしても、ハイパーVTECが気持ちいいわ〜! 6000rpmを超えて2バルブから4バルブに切り替わると、「クオーン!」と突き抜けるようなサウンドが響き渡って、もう最高です。こんな「女子」なんですが、本当に大丈夫か? 自分……。

「高速クルージングも余裕。ネイキッドですが風当たりにも配慮されているように感じます」(岡崎さん)

CB400 SUPER FOUR のディテールをチェック

伝統的なアナログ式二眼メーターはキーオンでスイープ機能が働きいったん振り切る。

アジャスターでブレーキレバーとグリップの間隔を調整できる。手が小さい人には便利だ。

正統派ネイキッドの証、丸目一灯のヘッドライトはLED。明るさとワイドな配光が特長。

ヒンジ付きで取り扱いやすい燃料タンクキャップ。タンク容量は18Lと、かなり入る。

迫力あるエキゾーストノートを聞かせてくれるマフラーは小型2室構造となっている。

ライダーとタンデマーの間にほどよい段差があって、それぞれの居住性に配慮されています。クッションも効いていて疲れにくい。シート下には書類入れ、車載工具、そしてちょっとした収納スペースが。

タンデマーが握りやすい大型グラブバーを標準装備。デザインも車体にフィットしている。

CB1300のイメージを踏襲した丸目二眼のテールランプもLED。立体的な発光だ。

「シートロックに差し込んだメインキーを回せば、取り外すことができます。操作はカンタン。取り付けはシートに設けられた凸部をフレームのガイドに合わせる必要がありますが、すぐに慣れました(岡崎さん)

シート下の2ヶ所に加え、左サイドカバー下にも。サイドカバー下はキーを使って開閉する。

(左)14-17mmのスパナ、+/−ドライバー、フックレンチ、5mmの六角棒レンチ、そしてヒューズプーラー。フックレンチには延長パイプが用意されていて扱いやすい。(右)17mmのスパナはリヤアクスルを回すのにピッタリサイズ。オプションのセンタースタンドやメンテナンススタンドがあれば、簡単なメンテナンスができる。

お気に入りポイントは ハイパーVTEC Revo

「ハイパーVTEC Revoがサイコー! 排気音が変わるとテンション上がります。伝統と新しさを備えたカラーリングも好き。みんなが大事に乗るのも分かります」

CB400 SUPER FOUR のインプレッションまとめ

  1. スタイリング
    文句なくカッコいい! ずっと変わっていないようでいて、しっかり新しさを感じさせてくれるのがCBらしさかな。
  2. スポーツ性
    素直なハンドリングですが、ライダーに正確な操作を求めます。腕磨きにはもってこい! ぜひ乗ってほしいな
  3. ツーリング
    安定志向で落ち着きがあるため、ロングツーリングでもライダーを疲れさせません。急かさないキャラもいいね。
  4. 街乗り
    バランスがよくエンジンのツキもマイルド。操作しやすいから発進停止が苦じゃありません。混雑も余裕でクリア。
  5. 利便性
    ラゲッジがあるスクーターと違い、多くの荷物は積めません。でも荷掛けフックや細かい使い勝手のよさで及第点。

●まとめ:高橋 剛 ●写真:楠堂亜希 ●取材協力:ホンダモーターサイクルジャパン ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

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