’20年も国内レース・J-GP3に参戦する女性レーサー・岡崎静夏さん。今回の試乗車・ホンダCB400SUPER FOURを前に、いつになく熱く語り続ける。長い歴史を持つ「本物」の存在感が、ライダーの熱いスピリッツを刺激するようだ。インプレッションレポート後編をお届けする。
レーシング"女子"と呼んでいただいている自分ですが、果たして本当にそれにふさわしいのかどうか、我ながらはなはだ疑問です(笑)。 年齢や姿形にも問題アリと自覚していますが、"女子"と呼ばれて最大級に引っ[…]
ただの「優等生」じゃない。優れたスポーツのツールだ!
(前ページより続く)
走りながらずっと考えてました。教習車として使われていることもあってか、とかく優等生と言われがちなCB400SF。でも自分は決して優等生とは思わないんですよね……。
完成度が高いバイクで、ジャジャ馬的な要素は皆無。本当によくできているんですが、「優等生」という言葉に含まれる「無味無臭で面白みに欠ける」という意味合いは、CB400SFには当てはりません。
特に学校での「優等生」って、「アイツつまんないヤツ!」とほとんど同じ意味ですよね? でもCB400SFは十分に面白いバイクなんです。
ハンドリングにクセがあるわけじゃありません。あくまでもニュートラルでナチュラルです。でも、勝手に曲がってくれる「オートマバイク」じゃない。ライダーが自分の意志を持って、正しく操作する必要があります。そこにはいくらかの技術も求められる。
ライディングはスポーツです。CB400SFはスポーツのツールとしてはよくできてるんですよ。
例えばマラソンしていて靴が勝手に前に進んだら、きっと選手は困る……というより、それもはやスポーツじゃないですよね(笑)。
つまり、ライダーが主体になって操った時に初めて完成するのが、CB400SFなんです。単体でできあがってる「優等生」とはちょっと意味が違うかな、と。
ライダーが正しい操作をすれば、正しく反応して正しく走ってくれる。間違った操作をすれば、間違ったなりの動きをする。優等生というより、先生って感じです。だから教習車に使われるんでしょうね。
免許を取りたての人にも安心して勧められますが、自分が一番乗ってほしいのは、スーパースポーツに乗っているベテランの皆さんです。
スーパースポーツは、バイクの性能がとても高く、旋回に特化したマシン。ライダーが何もしなくても曲がってくれる。だからていねいな操作をきちんと覚えない可能性もあるんです。
スーパースポーツ乗りの方には、改めてCB400SFのような「先生」に乗ることで、自分がきちんと意志を持って正しく操作できているかを確認してほしいな、と思います。そのためには、レンタルバイクを利用するのもいい方法ですよね!
それにしても、ハイパーVTECが気持ちいいわ〜! 6000rpmを超えて2バルブから4バルブに切り替わると、「クオーン!」と突き抜けるようなサウンドが響き渡って、もう最高です。こんな「女子」なんですが、本当に大丈夫か? 自分……。
CB400 SUPER FOUR のディテールをチェック
お気に入りポイントは ハイパーVTEC Revo
CB400 SUPER FOUR のインプレッションまとめ
- スタイリング
文句なくカッコいい! ずっと変わっていないようでいて、しっかり新しさを感じさせてくれるのがCBらしさかな。 - スポーツ性
素直なハンドリングですが、ライダーに正確な操作を求めます。腕磨きにはもってこい! ぜひ乗ってほしいな - ツーリング
安定志向で落ち着きがあるため、ロングツーリングでもライダーを疲れさせません。急かさないキャラもいいね。 - 街乗り
バランスがよくエンジンのツキもマイルド。操作しやすいから発進停止が苦じゃありません。混雑も余裕でクリア。 - 利便性
ラゲッジがあるスクーターと違い、多くの荷物は積めません。でも荷掛けフックや細かい使い勝手のよさで及第点。
●まとめ:高橋 剛 ●写真:楠堂亜希 ●取材協力:ホンダモーターサイクルジャパン ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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