2018年には年間販売台数2000万台超に

ホンダが二輪車の世界生産累計4億台を突破! わずか5年で1億台を上積み

ホンダは、ホンダの二輪車の世界生産累計が2019年12月初旬に4億台を達成したと発表した。1949年に「ドリームD型」で二輪車の量産を開始してからちょうど70年での達成となる。

世界のバイクの3分の1を生産するホンダ

発表会で登壇したのは、本田技研工業の常務執行役員 二輪事業本部長の安部典明氏、および二輪事業本部 事業企画部 部長の三原大樹氏だ。まず発表されたのは、ホンダの二輪車の世界生産累計台数が2019年12月初旬に4億台を達成したことだった。ホンダの創業は1948年であり、1963年には初の海外生産拠点であるベルギーで二輪車の生産を開始した。ホンダの基本理念は「需要のあるところで生産する」であり、世界各地で事業を展開してきた。現在は21か国35拠点で、50ccのコミューターから1800ccの大型バイクまで、幅広く生産している。

ホンダが最初に量産二輪車としてリリースしたのは、1949年の「ドリームD型」で、これはもちろん日本製。それから、1億台達成には48年、2億台までは11年、3億台に6年の歳月をかけたが、4億台到達は5年で実現したことになる。

現在のグローバルにおける二輪(ガソリン車)の市場は、およそ6000万台。ホンダはその34%を生産し、これから成長が見込めるインドやASEANの市場でも存在感を示している。特にASEAN3国と位置付けるインドネシア、ベトナム、タイではそれぞれ75%、77%、81%のシェアを、さらにブラジルでも80%のシェアを持っており(2018年時点)、これからも地産地消で生産を少しづつ拡大していく構えだ。

[右]本田技研工業の常務執行役員 二輪事業本部長の安部典明氏/[左]二輪事業本部 事業企画部 部長の三原大樹氏

ホンダは2019年4月に“ものづくりセンター”を設立し、企画から設計、生産までを一本化した組織で開発していくことを表明。実質上は6年ほど前からそれに近い協働体制を敷き、助走期間を設けていたが、これから台頭してくるであろうインド、中国メーカーに対して高い競争力を持つための基盤づくりを整えた格好だ。インドと中国メーカーはそれぞれに欧州メーカーとの協業化を進めており、特に欧州ブランドの廉価な価格帯のバイクを受託生産する体制を整えていることは日本メーカーにとっても脅威の芽となりつつある。

そうして成長市場では将来に向けた仕込みをしつつ、日本や欧・米などの先進国ではブランドを強化。また13%のシェアとなっている中国や、4%のシェアとなるアフリカでも、引き続きシェア拡大に努めるという。

ホンダ ドリームD型[1949]

気になる日本での取り組みは……

日本においては、アドベンチャークラスにアフリカツイン、スーパースポーツクラスにCBR1000RR-R、ツーリングにはゴールドウイングなどと、各カテゴリーにトップエンドの車両をラインナップしてブランドを強化しつつ、原付二種のラインナップを拡充。スーパーカブシリーズやモンキー125、PCXなどが人気を呼び、記憶にないほど原付二種クラスが充実している。各国で導入予定の規制(ASEAN3国におけるユーロ4やインドのBS6)に足並みを合わせ、規制に対応しながらもユーザーにそれを負担させないよう、これからもアーキテクチャ戦略でコストダウンと高性能を両立していくという。

メイドインジャパンを支える熊本製作所は、現在のところ約23万台の年間生産となっており、これは来季で少し増えるとのこと。特に大型二輪の高価格帯商品については、メイドインジャパンにこれからもこだわっていくようだ。

高性能、高価格帯の代表格ともいえるスーパースポーツのCBR1000RR-R ファイアーブレード。SPの価格は、全日本選手権スーパーストッククラスのレギュレーションに沿って300万円以内に収まると予想されている。

レースではMotoGP、トライアル世界選手権、モトクロス世界選手権でそれぞれタイトルを獲得して勢いに乗るホンダ。来季はスーパーバイク世界選手権にファクトリーチームを送り込む予定になっているが、そのぶん国内レースが手薄になるのでは、とも言われている(正式発表はまだない)。このあたりも、良いニュースが聞こえてくるよう期待したい。

【本田技研工業株式会社 代表取締役社長 八郷隆弘氏のコメント】

「Hondaは、世界中のお客さまに、生活をより便利に楽しくできる二輪車を70年にわたり提供してまいりました。その結果として、4億台を達成することができました。お客さまをはじめ、開発から製造、そして販売やサービスに携わった全ての皆さまにお礼申し上げます。今後も、世界各地のお客さまのニーズや夢に応えられる魅力ある製品の提供に全力を尽くします」※プレスリリースより

Honda Activa 125
BS6(インドにおけるユーロ5相当の規制)が2020年4月から導入されるインドに向け、新型エンジンeSPを搭載したプラットフォーム戦略に則って開発されたアクティバ125(Activa125)。さらに部品の共通化を進める世界戦略の、足掛かりになる1台だ。

ホンダ二輪車が世界生産累計4億台を達成するまで
・1948年 本田技研工業株式会社 設立
・1949年 本格的な二輪車の第一号モデル「ドリーム D型」を発売
・1958年 スーパーカブの初代モデル「スーパーカブ C100」を発売
・1963年 ベルギーで二輪車生産を開始(海外初の完成車工場)
・1967年 タイで二輪車生産を開始
・1968年 世界生産累計1,000万台を達成
・1971年 インドネシアで二輪車生産を開始
・1976年 ブラジルで二輪車生産を開始/イタリアで二輪車生産を開始
・1979年 米国で二輪車生産を開始
・1980年 ナイジェリアで二輪車生産を開始
・1984年 世界生産累計5,000万台を達成
・1992年 中国で二輪車生産を開始
・1997年 ベトナムで二輪車生産を開始/世界生産累計1億台を達成(48年で達成)
・2001年 インドで二輪車生産を開始
・2004年 初めて年間生産台数1,000万台を突破
・2008年 世界生産累計2億台を達成(1億台から11年で達成)
・2013年 バングラディシュで二輪車生産を開始
・2014年 世界生産累計3億台を達成(2億台から6年で達成)
・2018年 初めて年間生産台数2,000万台を突破
・2019年 世界生産累計4億台を達成(3億台から5年で達成)

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