10月19日、スーパーカブシリーズの世界生産累計1億台達成を記念する式典が熊本製作所で開催された。同時に2018年新型スーパーカブ50/110も正式発表されたので詳細を紹介しよう。
中国から熊本に生産を移管し、1億台
2012年モデルから中国生産となったスーパーカブ50/110が、2018年モデルから日本での生産に移管することになったのは既報の通り。そして、10月19日に2018年モデルのスーパーカブ50/110が正式発表され、熊本製作所の生産ラインが公開された。140mあるという完成車工場のコミューターラインを11月10日発売の新型スーパーカブが絶え間なく流れていく。現在、日産250台のペースで生産が続けられており、ついに1億台目のスーパーカブ110がラインオフしたのだ。
LEDだから実現した丸ライト
開発責任者の亀水氏によると「お客様の要望するカブの姿は原点である丸型のヘッドライトでした。角型としたのはアセアン地域などで法規対応するためにでしたが、LEDを採用したことで丸型でも光量を確保することができました」という事だ。そして中国から熊本に生産を移管したのは、国内独自のカテゴリーである50ccの排ガス規制に対応するには日本の方がフレキシブルに開発できるからで、2年前からプロジェクトがスタートした。他にも50ccスクーターのジョルノやタクトなどがすでに国内生産に切り替わっていることから、原付1種を集約するためでもあるだろう。
規制対応するも出力や燃費は同等レベルに
驚異の燃費を誇る空冷単気筒は、低フリクションを追求したピストンなどを採用。厳しい新排ガス規制をクリアしつつ、50で69.4㎞/ℓ、100で67.0㎞/ℓをマークする(WMTCモード)。50は若干ダウンも大健闘、100は従来より1.4㎞/ℓ上回るのだから凄い。乗り心地や整備性など使い勝手もよりアップしている。ちなみに、チェーンサイズをアップした配達用とのプロ仕様はタフネスさと引き換えに1㎞/ℓ少し燃費が犠牲になった。
スタイルは見ての通り原点回帰
誰が見てもカブと分かるデザイン、初代C100やOHCの2代目を思わせる外装に刷新。レッグシールドからロング化されたリヤフェンダーまで、滑らかな曲線でラインを構成する。ボディ左右には着脱式のサイドカバーを新設し、右側に電装系を集約、左側を小物入れとした。前ウインカーはハンドル埋め込み式の角型だったが、独立式の円型に。尾灯は縦長となった。これらもC100と同様の意匠だ。50&100ともにタイヤサイズ、前後ドラムブレーキは現行型と不変だ。
■全長1860 全幅695 全高1040 シート高735 軸距1205[1210](各㎜) 車重99[96]㎏(装備)■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ109[49]㏄ 最高出力8[3.7]㎰/7500rpm 最大トルク0.87[0.39]㎏-m/6000rpm 内径×行程50×55.6[37.8×44]㎜ 始動方式セル&キック併用■燃料タンク容量4.3ℓ■タイヤF=70/90-17[60/100-17] R=80/90-17[60/100-17] ※[ ]内は50
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