現代のハーレーダビッドソンは、すべてのモデルがインジェクション仕様だ。以前のキャブレターはアナログ式だったが、インジェクションはデジタル方式で、その制御はコンピューターが担っている。今回、ミルウォーキーエイトの4バルブ化された最新エンジンのインジェクションチューニングを行うと同時に、カムも交換することにより中〜高速域のパワーアップを図る。作業はハーレーダビッドソン埼玉花園に依頼した。
ミルウォーキーエイトエンジンの潜在能力を引き出すチューニング
最新のエンジンであるミルウォーキーエイトは、スタンダードが107キュービックインチ。つまりノーマルでも1745ccもの排気量がある。その性格は、発進時から大きくフラットなトルクフィーリングで、古いハーレーのイメージも表現しながら現代的な走りが楽しめるという評価だ。しかし、実はこのエンジンにはもっと潜在的な能力がある。
最新の4バルブ化されたエンジン構成は、本来なら中速域から高速域のパワーアップに有効な手段なのである。しかしノーマルエンジンに採用されているカムシャフトは、いわゆるローカムと言われる低速域のスムーズさを強調したもの。それはそれで乗りやすいイメージではあるものの、ツインカム時代に比べると、追い越し加速のフィーリング等に不満の声も寄せられるというのが現状なのだ。
では、チューニングにカム交換という作業を組み込むことで、さらに魅力的なエンジンになるのではないだろうか。その答えはイエスである。ハーレーでは純正のチューニングパーツとして、様々な性格のカムシャフトを用意しているのだ。それは、トルク重視のものから、ピークパワーの増大を目的にしたものまで、ユーザーが選べるように何本もラインナップされている。
ハーレーダビッドソン埼玉花園では、「IPF(イチカワ・パフォーマンス・ファクトリー)」として多くのチューニングを長年手掛けているので、その積み重ねたデーターは膨大。チューニングは、ユーザーとのディスカッションを経て、求められている性格に忠実なエンジンフィーリングを追求することに情熱が注がれる。
カム交換作業の全工程
チューニングとは、単なるパワーアップではなく、究極の調整でもある。カム交換は「ステージ2」と呼ばれる作業。今回はその作業工程の全てを、つぶさにレポートする。
※取材協力:ハーレーダビッドソン埼玉花園
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