イケメン&イージー 新世代のカフェレーサー

GPX ジェントルマン レーサー200に試乗!/個性派お手軽外国モデル×3台試乗#01

GENTLEMAN RACER200

30〜40万円台で買えるお手軽バイクたちの外国車編。今回はタイのGPXと、イタリアのアプリリアが日本で販売している3台のスタイルの異なる個性的なモデルを用意。ベテランとビギナー、それぞれの目にどう映るのかチェックだ。第1回はGPXのジェントルマン レーサー200に試乗する!

若い感性で作られた今どきカフェレーサーだ

ことり「カフェレーサーだけど、デザインや色使いが今っぽいというかレトロじゃないのが個人的に好き。それにスタイルの割にはライポジもきつくないし、シートも柔らかくて乗り心地がいいんですよ」

丸山「スクリーンの複雑な形状とかね。いい意味でカフェレーサーの定石から外れてると思うよ。老舗メーカーがカフェレーサーを作ろうとすると、どうしてもオリジナルのシンプルデザインに引きずられてしまう。それに本来のカフェレーサーは速さを追求したカスタムだから、もっと過激な乗り味になりがち。でも、これは違う。GPXは新興メーカーでしょ。だからデザインでも乗り味でも、昔の定石に縛られない若い人たちが欲しいと思うバイクをそのまま形にした感じがするな」

GENTLEMAN RACER200
シートが後方寄りのカフェレーサーポジションだが、ハンドリングやブレーキはニュートラルで扱いやすくビギナーにも違和感なく操れる。パワーはベテランの丸山には、ちょっと物足りなく感じるが、ビギナーのことりちゃんしては十分合格点。トルク感が楽しめる低速域で流しながら走るのが2人のオススメ。 
GENTLEMAN RACER200
ベテラン代表:丸山 浩 (右):ベテラン側の代表は、おなじみ本誌メインテスターの丸山浩。小排気量から大排気量、国産から外国車まで乗ってきたバイクは数知れず。そんな丸ちゃんから見るとはたして?   ビギナー代表:小鳥遊レイラ(左):「小鳥遊」と書いて、読み方は「たかなし」。なので愛称は「ことりちゃん」。若いビギナー側の代表として、しっかり生のコメントでバイクを評価してもらったのだ。

ことり「たしかに以前乗った大型本格カフェレーサーと比べると、こちらは思ったほど前傾もきつくないし、ハンドリングは素直で普通に操れましたからね。それに大型に比べ圧倒的に軽いので手軽だったのが嬉しい」

丸山「たしかに大型と比べると手軽さは段違いだよね。まあ、シートは後方寄りで前傾はそれなりにきついから長距離になると疲れるかもしれないけど。デザイン力あるんだから、ビギナー寄りにするならもっとタンクを短くしてもスタイルと両立できたかも」

ことり「私が気になったのは細い車体の割に張り出しているミラーかな。街中のすり抜けで気になりそう。でも、このスタイルで変えちゃうのも気が引けるし難しいところかなあ」

丸山「日本人には慣れない位置だからね。ここはちょっと立てたところにセットするのがコツかな」

GENTLEMAN RACER200
GPX GENTLEMAN RACER200 ●価格:40万7000円
タイでシェア3位(1位はホンダ、2位はヤマハ)を誇るGPXが作った軽カフェレーサーで、オイルクーラー付きの空冷単気筒200㏄エンジンを採用する。倒立フォークやYSSのリヤサス、ピレリタイヤなどの装備も自慢だ。吸気系はキャブ。
SPEC■全長2020 軸距1400 シート高790(各mm) 車重160kg エンジン型式空冷4スト単気筒 197cc 11.5ps/7500rpm 1.34kg-m/7500rpm タイヤサイズF=110/70-17 R=140/70-17

ことり「ところで、丸山さんが走っているのを見ていて、今回の3台で一番音が良かったのはこれなんですよ」

丸山「それは僕も思った。範囲は大きくないんだけど4000rpmくらいまでの低速域で200㏄とは思えないトルク感あるサウンドを出すんだよね。だから、ゆっくり走って雰囲気を楽しむのがいい。むしろ飛ばす気力を出させない。スポーティなスタイルだけど激しい走りを追求するより、近場を中心にフラっと足代わりに気軽に乗る方が似合っている。飛ばしがちの僕ら世代にはこのスタイルやライポジからはちょっとチグハグな気もしないわけではないんだけど、今の若い子たちには、こっちの方が合っているのかもしれないね。そうそう飛ばしちゃいけない時代にもなってるしね」

ことり「そうですね。そして最後に忘れちゃいけないのが、なんと言っても価格が安いのがいい! 本格カフェレーサーってどうしても高くなりがちだったから。若い人向けだけど、昔から憧れている人にも合うと思う。全体的に見ると、無理のない範囲でカッコいいバイクを楽しもうという人にピッタリって感じじゃないかしら」

ここがイイ!

足着きがイイ!

GENTLEMAN RACER200
ビギナーが一番気にする足着き性は身長160cmの小鳥ちゃんで両足指の腹まで接地。ことり「これだけ着けば車重が160㎏と軽いから、まったく心配なく乗れちゃう!」

ロケットカウルがイカス! 

GENTLEMAN RACER200
現代風にアレンジされたデザインのロケットカウルがなんといっても個性的。このスタイルが好きな人に40万円以下でマシンが新車で入手できるというのは大きな魅力。 

シートがフワフワ! 

GENTLEMAN RACER200
シートがとにかく分厚く柔らかくて乗り心地がいい。タックロールが刻んてあったり、シングルシートカバーを外すとタンデムできたり、クラスを超えたクオリティだ。 

ライポジ&足着き

GENTLEMAN RACER200
(テスター身長168cm、体重61kg) 身長168㎝の丸山では両足かかとまでべったりと足着き性は非常に良好だ。ライポジは前傾度はそれなりに強めだが、ハンドルバーの低さはそこそこに抑えられており、腕も完全に伸び切らず扱いやすさが配慮されている。 

ふたりの結論

GENTLEMAN RACER200

●定石にとらわれない新鮮味がある
●トルク感あるサウンドがいい
●飛ばさなくても雰囲気が楽しめる

GENTLEMAN RACER200

●今っぽくアレンジしたデザイン
●見た目と違って意外と乗りやすい
●無理ない範囲で楽しみたい人向け

●まとめ:宮田健一 ●撮影:松井 慎
●車両協力:GPX千葉

このバイクに関連する記事/リンク

関連記事

ひと目見て「あの某外国製SSにスモール版?」と思ってしまうが実はこれ、タイのGPXが送り出すDEMON150GR(デーモン150GR)。日本では月木レーシングが母体となるGPX JAPANが輸入販売を[…]

DEMON150GR
関連記事

ヤマハは8月17日、タイにおいて新型のネオクラシックモデル「XSR155」を発表した。ベースとなっているのは現地で販売されているMT-15で、兄貴分であるXSR900/XSR700と同じように、旧さだ[…]

関連記事

中国発の空冷単気筒を搭載した本格アドベンチャーモデル、中国ホンダ(五羊本田)CB190Xがバイク館SOXから発売されることがわかった。250ccフルサイズよりもやや軽めの150cc~200ccゾーンが[…]