昨年秋のEICMA2018でコンセプトモデルの3CTとして発表されたヤマハのLMW第4弾。3CTあらためトリシティ300は、11月にイタリアで開催されるEICMA2019での詳細な内容発表に先立ち、東京モーターショーで実車両が参考展示された。300は欧州メインの製品となるが、国内仕様の250も期待できるマシンだ。
トリシティ300は、XMAX300をベースにLMW機構を加えて開発
トリシティ300は、これまでのトリシティ125、155、そしてNIKENに続くヤマハの3輪ビークル=LMW(Leaning Multi Wheels)の第4弾となるマシン。スタイルや車名を見れば分かるとおり、シティコミューターであるトリシティシリーズのフラッグシップモデルとなる。ただ、125、155が主に都市内の移動をメインに据えていたのに対し、300ではこれに加えてハイウェイを使った郊外の自宅との通勤をもっと楽にカバーしようとしているのが大きく異なる点。155でもこうした使い方をするユーザーはいたそうだが、速度レンジなどを考えるともっと余裕を持って走りたいというニーズに応えた製品だという。
LMWの構造はおなじみパラレログラムリンク式で、機構を見てみるとNIKENで編み出されたLMWアッカーマンジオメトリーも採用されており、ハンドリング向上がなされているのが印象的。テールまわりなど車体後方のデザインはXMAXをそのまま継承しており、トランクルームの容量は、ほぼ一緒と考えていいそうだ。
また、XMAXと言えば、共通プラットフォームで125から400まで多排気量を展開していることは有名。ということは、トリシティも国内仕様のド本命と考えられる250cc版も大いに期待できるところだ。これについての質問にはノーコメントということだが、簡単に開発できることから本誌としては確実にあると予想する。
今回はまだ参考出品の試作品段階という形であり、スペックなどその他の詳しい内容についてはEICMA2019開幕前日の11月4日に発表するとしている。すでに欧州で発表済みの簡単なリリースによれば、国内と大きく違うと思われるのは「4輪免許で乗れる」としている点だろう。2輪免許が想定される国内と欧州とで前2輪のトレッド幅が異なるのかは不明だが、スタイリングについてはこのままの形でいく模様だ。
YAMAHA TRICITY 300 ディテール
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