第47回マシン・オブ・ザ・イヤー2019

昨年のYZ250Fに続き、最新2020年モデルでオールニュー登場した新型クロスカントリーレーサー

JNCCチャンピオンがフルモデルチェンジしたヤマハ『YZ250FX』を緊急試乗インプレッション! #ゴー・ライド

  • 2019/10/21

モトクロッサーYZ250Fをベースに、各部をクロスカントリー用にリセッティングしているYZ250FX。昨年フルモデルチェンジしたYZ250Fに引き続き、’20年モデルのYZ250FXもオールニューで登場だ。JNCCチャンピオン渡辺学選手がインプレッション!

ライダー:渡辺学/写真:長谷川徹/まとめ:小川浩康

ヤマハ『YZ250FX』試乗インプレッション速報! よく回るエンジンと国内専用サスが軽さを際立たせる!

YAMAHA YZ250FX 価格:85万円(税抜き)発売中

国内のオフロードレースで一番人気となっているJNCC。スキー場をレース会場とすることが多く、ガレ場のアップダウン、タイトなウッズ、マディなど、自然の地形を生かしたクロスカントリーレースとなっている。モトクロスコースを使用したサーキットエンデューロよりもテクニカルなコースになっていて、スピードレンジもそれより低くなる。だから参加車両もモトクロッサーより低中速域での扱いやすさを重視したエンデューロマシンが人気になっている。そのJNCCに向けてヤマハの出した答えが、YZ250FXなのだ。

フルモデルチェンジをした’19モトクロッサーYZ250Fをベースとしつつ、エンジンでは新作アルミ鍛造ピストンを採用し、吸気側カムプロファイルも変更。圧縮比の安定化を図るとともに、高回転域でのパワー特性を向上している。また、YZ450Fと同様に、専用アプリをダウンロードしたスマホを「パワーチューナー」として使用でき、燃料噴射量と点火時期をそれぞれ16ポイントで調整可能。自分の好みでエンジン特性を変更できるだけでなく、4種類のヤマハ推奨マップがデフォルト登録されている。そして、その中から2つのマップを車体側に保存でき、走行中にもマップを切り替えることができるのだ。

この新設計エンジンに合わせて、アルミフレームはテンションパイプ配置を最適化し、エンジン懸架ブラケットを補剛することなどで、タテ、ヨコ、捻じれの剛性を平均で15%アップ。さらに、エンデューロ向けにセッティングされたYZ250FXの前後サスは、日本人ライダー向けに国内専用セッティングも施されているのだ。JNCCでの勝利を狙いフルモデルチェンジしたYZ250FXの走りを、’19シーズンJNCCチャンピオンを獲得した渡辺学選手に聞いてみよう。

「旧モデルと比べて圧倒的に軽くなっています。車体がスリムになって、車重が軽くなったこともあるのですが、それよりエンジンの回りかたが大きいですね。

’19モデルまでは低速トルクが粘り強く、それはエンストのしにくさにもなっていたのですが、そこから加速していく時にエンジン回転の上昇が遅く、それが重い乗り味として感じられたのです。でも、’20モデルはアクセル開け始めの粘り強さはそのままに、そこからのエンジン回転の上昇がすごく軽やかになりました。高回転までスムーズにパワーが出るようになり、マシンコントロールする時の乗り味も軽く感じるんです。だからといってガレ場やワダチで車体がフラフラすることもなく、前後サスがよく動いて路面からの衝撃をしっかり吸収してくれます。ライダーの体重移動でサスに荷重しやすいので、丸太や岩を乗り越えやすいし、コーナー進入時のマシンの倒し込みもやりやすい。それでいてジャンプもOKなコシもあります。YZ250Fはすべてがダイレクトで走りはシャープそのものですが、その角を取って少しマイルドな乗り味にしているのがYZ250FXです。JNCCはもちろん、モトクロスやファンライドでも乗りやすく、初めてのフルサイズレーサーに最適な仕上がりになっていますよ」

YAMAHA YZ250FX DETAILS

ピストンは鍛造後に、吸気ポートは鋳造後に、それぞれ精度の高い加工が施され、圧縮比向上とバルブリフト量アップに貢献し、高回転まで力強いエンジン特性を実現している。ECUはYZ250FX専用セッティングで、極低速での扱いやすさも発揮する。

写真上:2種類のフリクションプレートと1.6mm厚のクラッチプレートを組み合わせ、半クラッチや頻繁なシフトチェンジにも対応する耐久性・耐熱性を実現した大容量クラッチを新採用。プッシュレバーシャフトの上下にローラーベアリングを採用し、スプリング荷重も低減することで、軽い操作性も実現している。写真下:YZ250FX専用に新設計されたエンジン懸架ブラケット。異なる板厚と形状の2枚を重ね合わせた板バネ構造とし、軽快なハンドリングと衝撃吸収性を向上しているという。

写真左:アウターチューブ表面をわずかにテーパー形状とし、剛性バランスを適正化。内部パーツの変更などで、接地感を大幅に向上している。写真右:コイルスプリングの材質と工法を変更し、線径が12mm→11.4mmと細くなり、約350g軽量化。前後サスは初期からよく動く国内専用セッティングが施され、軽快なハンドリングと良好なトラクション性能を発揮する。

スマホでマップセッティングが行なえる。セローのような扱いやすさにもYZに迫るシャープさにもセッティングできる幅を持っている。走行中のマップ切り替えも可能だ。

FX用パフォーマンスダンパーも登場!

車体に発生する振動や変形を効果的に減衰させる「パフォーマンスダンパー」にYZ250FX用がラインナップされる。「外乱によるマシンの振られを抑えてくれますが、それが安定感になっています。直立性が強くなる感じで、少し倒し込みにくさがあり、それが乗り味を重くしています。でも、下りのギャップで車体がよれず、とくにリヤサスが暴れません。しっかり攻められるようになるので、重い感じよりも安心感のほうが大きいです。レースでも有効なパーツですよ」と渡辺選手にも好評。価格:3万5000円(税抜き)。

YAMAHA YZ250FX 主要諸元

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ゴー・ライド編集部

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