2019年10月25日(金)より一般公開される「第46回東京モーターショー2019」におけるカワサキの出展概要が発表された。ひとまずリストにあったのは、「大型バイクのカワサキ」の起源でもある650-W1やNinja H2 CARBON、そして最新トレールモデルのKLX230だ。さらなる出展車両は10月23日のプレスデーに発表されるという。
出展内容の多くがベールに包まれるカワサキ
カワサキ以外の国産3メーカーが5台以上の展示車両などを発表している中、カワサキが今回発表したのは3車にとどまり、そのすべてが発売または発表済みのモデルだった。伝説の650-W1や最新フラッグシップモデルもニンジャH2カーボンが間近に見られるのは確かに嬉しいし、発売されたばかりのKLX230に跨って感触を確かめたいというファンにも朗報ではある。しかし、明らかに他社よりも発表台数は少なく、またティーザー動画など期待させる仕掛けも盛りだくさんだったことから、いかにも嵐の前の静けさという印象を受ける。
創業より120年以上の歴史を持つ川崎重工業は、オートバイメーカーとしても歴史が長く、常に走りへのこだわりをもった製品づくりを続けてきている。近年ではそのこだわりを「RIDEOLOGY(ライディオロジー)」と名付け、さらに一貫性のある開発思想のもと、ニューモデルを展開。そして今回の東京モーターショーでは、世界初公開となるニューモデルの発表に加え、過去から脈々と続くカワサキ製品の歴史に焦点を当てた展示も行うという。
また、記憶に新しい鈴鹿8耐優勝マシンであるニンジャZX-10をトロフィーとともに展示するといい、レースシーンにおけるカワサキファンにも嬉しい展示内容となる。
650-W1………「大型バイクのカワサキ」の起源[1966]
1960年代、125-B8の対米輸出で端緒を開いたカワサキは、アメリカ市場の大型車志向へ対応するため、カワサキ500メグロK2の排気量を496ccから624ccにスケールアップした試作車「X650」を1965年の第12回東京モーターショーで公開し、翌年650-W1として販売を開始した。真紅のキャンディカラーと上質なクロームメッキの斬新なタンクデザイン。当時国内最大排気量のエンジンが生み出す最高速度は185km/h、0-400m加速は13.8秒を誇った。アメリカ市場を見据えてつくり出されたこの高性能のバイクによって、カワサキはビッグバイクメーカーとして世界に名乗りを挙げたのだ。
Ninja H2 CARBON………川崎重工グループの技術を結集した、究極のハイパフォーマンスモデル[2019]
ガスタービンや航空機用エンジンの技術を応用した、完全自社設計の「998cc水冷4ストローク4気筒スーパーチャージドエンジン」がさらに熟成された。吸気チャンバー内のディフューザー追加など、さらにパフォーマンスを高めたエンジンは231psにパワーアップし、圧倒的な加速力を生み出す。新しいTFT液晶メーターやスマートフォン接続機能、小傷を自己修復するハイリーデュラブルペイントの採用など、高品質も極めたハイパフォーマンススポーツモデルだ。
KLX230……気軽にオフロード走行も楽しめるデュアルパーパスモデル[2020]
KLX230は、新設計の空冷4ストローク232cc単気筒エンジンと、新設計のペリメターフレームを、モトクロスレース車である「KX」を想起させるデザインでスリムにまとめた新しいデュアルパーパスモデル。中低速回転域でのパワー向上、車体の軽量化、そしてデュアルパーパスモデル用に新たに開発したABSを搭載。オンロードでもオフロードでも安心して走行できるKLX230は、ビギナーからベテランまで幅広いライダーに楽しめるモデルに仕上がっている。
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