2019年8月24日の記事でお伝えしたように、トライアンフはMotoGPを運営するドルナスポーツの公式ライセンスに基づいた3気筒スーパースポーツ、デイトナMoto2™ 765 リミテッドエディションを発表している。そしてこの実車が、MotoGP日本グランプリ(2019年10月18~20日)の会場に展示されることがわかった。
日本での発売時期と価格もすでに正式アナウンス!
英国トライアンフは今季から、世界ロードレース選手権Moto2クラスの単独エンジンサプライヤーを務めているが、このDNAを継ぐエンジンを搭載した新型ミドルスーパースポーツが、2020年型として登場する。
その排気量にちなみ、北米で765台、欧州とアジアで765台が限定販売されるこのハイスペックモデルは、新生トライアンフがスーパースポーツに用いてきたデイトナの車名を復活させる機種ということにもなる。近年ではデイトナ675/Rにより、並列3気筒スーパースポーツとして独自の魅力と速さを世界に伝え、マン島TTやスーパースポーツ世界選手権でも勝利を収めてきたデイトナは、2016年を最後に市販車のラインナップから外れていた。その一方で、同型のエンジンを採用してきたスポーツネイキッドのストリートトリプルシリーズは、2017年型で765に進化。さらに、トライアンフが公開したMoto2エンジン開発用のプロトタイプレーサーは、保安部品さえ装着すればデイトナそのものというようなスタイリングだったこともあり、世界各国でデイトナ復活を望む声は徐々に高まっていた。
Moto2エンジン開発プログラムから直接派生した数多くの技術が使われた水冷並列3気筒エンジンと、渾身のアップデートおよび高性能アイテムの採用によりパフォーマンスが高められた車体を組み合わせたこのモデルは、すでに日本市場導入の時期と予価もアナウンスされている。
足まわりや電子制御のアップデートも抜かりなし
公道で本物のMoto2マシンに近づける特別なモデルとして、新デイトナは史上初めて、MotoGPを運営するドルナのMoto2公式ライセンスを取得している。そしてそのユニークなパートナーシップに恥じぬよう、トライアンフの市販車として歴代最高のスポーツ性能が与えられている。
水冷並列3気筒エンジンは、最高出力130馬力を発揮。許容最高回転数は1万3250回転に達する。専用開発されたアロー製マフラーからは、官能的で迫力あるMoto2サウンドが奏でられるに違いない。ちなみにギヤレシオは、Moto2エンジン開発からのフィードバックも受けながら、サーキット走行に最適化された。
Moto2譲りの技術が用いられたエンジンだけでなく、シャシーも秀逸。フレームやスイングアームあるいは前後ホイールなどの改良と、フルカーボン外装の採用、タンデム機能の廃止などにより、車体は先代デイトナよりも軽量に仕上げられ、これも加減速性能や旋回性能の向上に大きく貢献する。オーリンズ製の前後サスペンション、ブレンボ製の前後ブレーキシステムと、信頼性にも優れるアイテムを取り入れながら、戦闘力を大幅にアップ。
電子制御も充実し、ライドバイワイヤを軸に5つのライディングモードを搭載し、アップ&ダウンの双方向に対応するクイックシフターも搭載。ABSもモード切り替えが可能だ。
日本に入荷される仕様は、欧州や他のアジア地域との合計で765台の生産。この機種が持つさまざまな価値を考えると、購入競争はMoto2の決勝レース以上に激しくなりそうだ!
MotoGP日本グランプリで実車が見られる!
Moto2の世界を感じさせる刺激的なパワーユニット
前後サスペンションはオーリンズ製で武装
軽量で高品質なフルカーボン外装!
Moto2ロゴも出現するフルカラーディスプレイ
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