オフロードマシン ゴー・ライドから今話題のマシンを内山裕太郎選手がインプレッション

【ファンティック】レーサーの軽さとトレールの扱いやすさを持つフルサイズトレールマシンが登場! #ゴー・ライド

レーサーの軽さとトレールの扱いやすさを持つフルサイズトレールマシン

第2号も好評発売中の「オフロードマシン ゴー・ライド」(※偶数月6日発売)から、今話題となっている1台をお届けしよう。その名は、ファンティック・エンデューロ250。オフロードマシンとしてあらゆるシーンでその力が発揮できる待望250クラスのトレール車だ。スタイルとその走りに注目頂きたい。

フルサイズトレールマシンの理想形-FanTic Enduro250-

ファンティックは1981年にISDE(インターナショナル・シックス・デイズ・エンデューロ)で 最高位のワールドトロフィーを獲得し、トライアル世界選手権では3度王座に輝くなど、オフロードの名門ブランドなのだ。そして、エンデューロの名を冠する4スト250が日本に上陸。内山裕太郎選手がテスト&インプレッションする!

Fantic Enduro 250 価格:85万円(8%税込)発売中

スクランブラーからエンデューロマシンへと、マシン作りを発展させてきたファンティック。オフロードレーシングブランドとして確固たる地位を築いてきたが、事業は市場の動きを読み違い、1995年に工場を閉鎖。2005年に復活すると2012年には欧州エンデューロ選手権で王座を獲得するが、またしても経営戦略を見誤り、車両のデリバリーがストップ。そこで2014年にイタリアの起業家たちが資本を投入し、ファンティックブランドは継続されることになったのだ。

復活したファンティックは、レースシーンとは一線を画し、オフロードライディングの楽しさを幅広い層に向けてアピールするため、スクランブラー、フラットトラック、そしてこのエンデューロの3タイプをラインナップしている。エンデューロという名前を冠しているが競技志向ではなく、乗りやすさを重視した作りが特徴。公道走行に対応したプレミアムトレールマシンなのだ。

このマシンを「チビテク」でおなじみの内山裕太郎選手がテストライド! そのインプレッションを聞いてみよう。

「軽さを感じる乗り味ですね。車体自体も軽く仕上がっていますが、重心位置が低いんでしょうね。安定感がありながら、ハンドリングが軽快で、マシンコントロールしやすいですよ。外車はハンドル切れ角が少ないことがありますが、このマシンは国産車同様で、小回りも効きます」

足付き性をチェック

内山裕太郎選手の身長は165cm。エンデューロ250のシート高は890mmとレーサー並み。しかし、このマシンはフロントサスの突き出し量を増やし、リヤサスのリンクを変更することで35mm下げている。ユータロー選手はつま先立ちとなっているが、「シート幅がスリムで車重も軽いので、足着き性に不安はない」とのこと。車両購入時にノーマル(ヨーロッパ仕様)かローダウン(日本仕様)かを選択できる。

「前後サスはしっかりした剛性があり、よく動いています。ダンピングも充分効いているので、林道ツーリングなら底突きしないと思います。タイヤの接地感も分かりやすく、前後ブレーキもよく効いてコントロールもしやすいです。

ただ、コーナーの立ち上がりなどで高回転まで回すと、もう少しパワーがあればもっと速くクリアできるのに、と思いました。といっても、それはレーススピードで走った場合。レーサーほどパワーが出ていると、林道ではかえって乗りにくいことがあるのは、外車オーナーなら分かるでしょう。敢えてトレール以上レーサー未満のパワー特性にしているのが、このマシンの扱いやすさになっていると思います。フルサイズレーサーのしっかりした車体に、トレールの扱いやすいエンジン特性を搭載。よく走るトレールマシンに仕上がっているので、トレッキングから林道ツーリング、ゲレンデを使ったファンライドまで楽しめます。トレールじゃ物足りないけれどレーサーまではいらない。そんな人にぴったりのマシンですよ!」

125に搭載される水冷単気筒エンジンは、各社が採用しているミナレリ製がベース。扱いやすさとパワフルさに定評があり、かなり走るエンジンだ。ファンティックはフレーム、サス、マフラーなど独自のセッティングで仕上げてあり、本格的なオフロードライ ディングに対応している。もちろん公道走行に対応している。価格:79万円(8%税込)

「扱いやすさ」のためのハイグレードパーツ

Fantic Enduro 250 価格:85万円(税込み) 発売中
写真上:水冷SOHC4バルブ単気筒250ccエンジンはファンティックの自社開発で、スクランブラー、フラットトラックにも搭載されている。燃料供給はアテナ製GETフューエルインジェクションで、ユーロ4排出ガス規制に適合しつつ、粘り強い低速トルクと高回転までの伸びを両立している。写真下:金色に輝くトリプルクラウンはCNC削り出しのアルミ製。テーパーハンドルバーを標準装備。精度の高いパーツを使用することで、軽快なハンドリングに貢献している。
写真上:ラジエターは車体左右に配置され、電動ファンも標準装備。渋滞時などのオーバーヒート対策も万全。写真下:バッテリーはシート下に配置。バッテリーの下はエアクリーナーボックス。
写真上:ユーロ4騒音規制適合のアロー製サイレンサー。消音性能と高回転のパワー特性を両立している。サイレンサー上に見えるサブフレームはアルミ製で軽量化に貢献。写真下:スイングアームはアルミ 製。リヤディスクはφ220mmのウェーブタイプ。
写真左:フロント倒立フォークはφ 43mm。Fantic FRSと呼ぶ新型で、オフロード走行向けのセッティング。フロントディスクはφ260mmで同じくウェーブタイプ。写真右:リヤサスも新型Fantic FRSを装備。この車両はローダウンリンクに変更しているが、「底突きはなかった」と内山選手はコメント。
Fantic Enduro 250 Specifications

関連する記事/リンク

関連記事
2019/08/15

1969年に初のオリジナルモデル「キャバレロ・クロス50」を発表したファンティック(FANTIC)。その後、世界選手権タイトルを獲得するまで発展したが、ブランド消滅の危機に。しかし、困難を乗り切り、令[…]

関連記事
2019/08/19

1969年に初のオリジナルモデル「キャバレロ・クロス50」を発表したファンティック。その後、世界選手権タイトルを獲得するまで発展したが、ブランド消滅の危機に。しかし、困難を乗り切り、令和とともに新型ス[…]

関連記事
2019/08/19

ヤマハは8月17日、タイにおいて新型のネオクラシックモデル「XSR155」を発表した。ベースとなっているのは現地で販売されているMT-15で、兄貴分であるXSR900/XSR700と同じように、旧さだ[…]