名門ファンティック復活! 話題のシリーズにプロライダー三橋淳が試乗

2019ニューモデル試乗インプレッション・ファンティック キャバレロ[#01 スクランブラー250編]#ゴー・ライド

1969年に初のオリジナルモデル「キャバレロ・クロス50」を発表したファンティック(FANTIC)。その後、世界選手権タイトルを獲得するまで発展したが、ブランド消滅の危機に。しかし、困難を乗り切り、令和とともに新型スクランブラーとフラットトラッカーが日本初上陸。話題のニューモデルをダカールレジェンド三橋淳が徹底試乗!今回は新雑誌となる「オフロードマシンGoRIDE」からスクランブラー250とフラットトラッカー125の試乗を2回にわたってお届けしよう。

扱いやすいパワフルさ!ダートライドが楽しい!!

フラットトラッカーはヨーロッパで人気のカテゴリーとなっているが、ここ日本ではスクランブラー人気が高まりつつある。リッターオーバーの海外モデルがその中心となっていたが、日本人の体格に合った車体サイズと排気量のマシンを作っているブランドとして、サイン・ハウスにより日本へ導入されたのが、このファンティック・キャバレロシリーズなのだ。スクランブラーとフラットトラッカーの2機種からなるキャバレロ(CABALLERO)シリーズのうち、日本へはそれぞれ4スト125、250、500が導入される。今回はスクランブラー250をを三橋淳氏がテストライドした。

「スクランブラーの500に乗りたいと思っていたのですが、250でも思っていた以上にパワフルですね。レスポンスの歯切れがよくてキビキビ走るけれど、パワーの出かたが唐突じゃないから扱いやすいんです。街中で多用する低中回転域がとくにパワフルですが、重心が低くて車体に安定感があるから、マシン挙動が早くなりすぎないんです。それと、フロントサスは初期からよく動き、ジャンプの着地でも底突きせずに衝撃を吸収してくれます。常用域で変なクセがなく、ダートでも車体は安定しているから、オフロードビギナーにも乗りやすいですよ。

スタイルはレトロなのに、中身は最新250トレール以上のパワー感。スクランブラー250に懐かしさを感じたのは見た目だけじゃなく、そのパワフルで扱いやすい乗り味が、往年のトレールマシンに近いからなんです」

スクランブラー250 DETAILS

写真上左:シングルカムの水冷4スト250ccエンジンはファンティックのオリジナル。この250と500はフューエルインジェクション、125はキャブレターとなる。写真上右:②エキゾーストパイプのヒートプロテクターは、軽量かつ高剛性のドライカーボン製だ。写真下左:LED製ヘッドライト。写真はハイビームで上部の5つが点灯。ロービームは中心部が点灯する。写真下右:スピード、エンジン回転、ガソリン残量、バッテリー電圧、トリップ、オドなどを表示するデジタルメーター。
写真上左:ABSはスイッチ操作で解除可能だ。写真上右:レトロイメージを強調するタックロールシート。写真下左:ステップホルダーは軽量で高剛性なアルミ削り出し。写真下右:燃料タンク上のラバー付きプレートは、デザインアクセントだけではなく、タンクバッグの装着を考慮したパーツだ。
写真上左:サイレンサーは軽量なARROW製の2本出し。歯切れのいいレスポンスに貢献している。写真上右:ABS作動用センサーが装着されたリヤディスクはφ230mm。ちなみにフロントディスクはφ320mmを装着。BYBRE(バイブレ)はブレンボ製という意味。写真下左:倒立タイプのフロントフォークはφ41mm。写真下右:伸び側減衰力調整機能を装備したリヤショック。荷物の積載やタンデム走行に対処した装備だ。

CABALLERO Scrambler250 主要諸元

全長2166 全幅820 全高1135mm 軸距1425 シート高820mm(各mm) 車重140kg■水冷4ストローク単気筒 SOHC4バルブ 249.6cc ボア×ストローク77.0×53.6mm 25hp/8500rpm 2.24kg-m/6500rpm 変速機6段 燃料タンク容量12L■ブレーキ形式F=ディスク R=ディスク タイヤサイズF=110/80-19 R=130/80-17 ●価格:89万円(8%税込)

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