オフロード総合誌『ゴー・ライド』で人気の『スポーツするためのポジションセッティング』後編

プロが教えるセッティング!『SKILL UP LAB.(スキルアップ・ラボ)』ハンドル・ブレーキレバー・ステップ・ブレーキペダル編

大好評発売中(偶数月6日発売)オフロード総合誌、『オフロードマシン ゴー・ライド』から人気のライダー渡辺選手が登場し、プロによるセッティングを特別にアドバイスする。全日本などで活躍したプロライダーにもかかわらず、その内容はかなり基本的なものでオフロードライダーなら誰にでも参考になるそうだ。今回から2回にわたりお届けしていこう。今回はハンドル・ブレーキレバー・ステップ・リヤブレーキ編として、それぞれのコツを紹介していく。

ワタナベマナブのオフロードライディング『SKILL UP LAB.(スキルアップ・ラボ)』

「上手く乗れない」と感じる原因は多々考えられるが、解決の糸口として、いま一度、自分のマシンをチェックしてみよう。まずは、意のままに操れるポジションセッティングができているか!? ちょっと変えただけで「乗りやすくなった!!」って、けっこうあるゾ!!

渡辺学(ツイスターレーシング)

渡辺学(ツイスターレーシング) わたなべ・まなぶ。1978年1月3日生まれ。19歳でIAに昇格。97年から2011年までMFJモトクロスに参戦(※2010年を除く)。2012年からはJNCCにキャリアを移し、初出場となったビッグディア広島で優勝。14、15、18年にチャンピオン獲得。19年は第2戦終了時点でランキングトップにつける。いっぽうでツイスターレーシングを主宰し、若手ライダーの育成にも尽力。全日本モトクロスには監督として参戦する。

ハンドル・ブレーキレバー・リヤブレーキペダル・ステップ調整

ハンドル編 ハンドル取付角/ハンドル幅 自然にコントロールできる幅と角度を探そう

寝かし気味
スタンダード
起こし気味

ポピュラーなハンドル幅は800㎜前後。狭いと取りまわしは楽になるが、不意にマシンが暴れた際に抑えにくくなる。広いと抑えやすい代わりに、すり抜けで木々に引っ掛かる恐れが出てくる。ハンドルは1度カットしてしまうと戻らないから、グリップをオープンエンドにして、グリップだけ内側に追い込み、扱いやすい幅を探ってみよう。取り付け角度は好みもあるが、自然に乗れる角度が理想。余談になるが、曲がっているハンドルに気づかず乗ってしまっている人もいる。「曲がりにくい」「直線で落ちつかない」「サスセッティングがおかしい?」などを感じたら、まずは新品と比較して曲がりがないかもチェックしておきたい。ちなみに学主任は純正形状のハンドルを使用。社外品でも近いスペックのモデルをチョイスする。

ハンドル編 ハンドルの前後位置の調整/クランプ部のチェックポイント

ハンドル位置変更の要素は体格だけじゃない。ハンドルクランプの前後位置の変更は、例えば大柄だから遠くは必ずしも適正ではないのだ。大柄でもリヤのトラクションが足りないと感じたら、手前のポジションに。逆に小柄な人でも前輪の接地感を増やしたいならば遠くにするといった場合もある。ほかにも前輪を上げやすくしたいなら手前など、アクションを起こす時に影響してくる。バイクの挙動も観察しながら煮詰めていきたい。

最近のマシンのほとんどが、ハンドルのクランプ部付近に目盛りが明記され、セッティングの目安に利用できる。またクランプ向きを回転させる&トップブリッジの取り付け位置変更も可能なモデルもある。

ブレーキレバー編 ブレーキレバーの調整/取り付け角度の調整

【左右のレバー角度は合わせる】ブレーキレバーの取り付け角度は、クラッチレバーと同角が基本。角度によるフォームの変化も同じで、高いとヒジが下がりやすくなり、低いとヒジが上がる。左右レバーがズレたまま乗っている人もいるので、注意してほしい。

ステップ編 ステップの調整/ステップの高さ

【モデルによっては高さ調整可能】学主任が使用中のZAPテクニクスのステップは、カラーの入れ換えで高さを2ポジション選択できるモデル。スタンダード位置でセットしている。ステップの高さもマシンの挙動に影響するもので、高ければ軽快に操作可。低いとユッタリと動く。これは好みの問題とのこと。

リヤブレーキペダル編 リヤブレーキペダルの調整/ブレーキペダルの高さ調整

ブレーキ解放時
ブレーキロック時

踏んだ時に姿勢が崩れない高さ

これもシフトペダルと同じことがいえるのだが、少ない可動域のブーツでもコントロールしやすくするのがキモ。スタンディング時での踏みやすさを重視する。調整はブレーキを踏んだ時に、極端につま先が下がらない高さに。学主任はブレーキ解放時にステップ上面と水平にしている。また、ブレーキを踏まない時はつま先をほんのちょっと外側に向け、誤作動させないようにしている。

正解は自分で探すしかない

例えばヒジが下がっているなら、ハンドル取り付け角を起こして走行フィーリングをチェック。その上で自分に合っているかを検証する。撮影された自分のライディング写真や動画なども活用し、より的確なポジションセッティングを見つけてほしい。

既成概念にとらわれ過ぎると、なかなかゴールに着かない。これまでにも雑誌で「ハンドルのベストな角度はこうだ!!」的な記事を見たことがあるとは思うが、あくまで目安でしかないのだ。学主任は「雑誌やWEBなどを参考にしたセットアップは、最初のうちは乗りやすいと感じると思うんですよ。でも、スピードが上がってきたらフォームがギクシャクしてきたり、路面変化に対応しにくかったり、といった場合もある。結局は自分で乗りこんで探すしかないんです。ただ、今回の企画のように、どういう変化があるかは知っておいたほうがいい。今は簡単にライディング画像を撮れて、その場で確認できる時代ですから。仲間と撮影しあえば、実践的なヒントになると思います」

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