各ラウンドのポイントとなった出来事を『青きの眼』で振り返る

[青木宣篤 完全監修]上毛GP新聞[じょうもうグランプリしんぶん]MotoGP第10~11戦

ヤングマシン本誌に連載中の「上毛GP新聞」が登場! よりタイムリーにお届けすべく、発売から鮮度が落ちないうちにWEBヤングマシンにも展開します。さて、第12戦決勝が行われる前に振り返りたいのは第10戦チェコGPおよび第11戦オーストリアGPだ。マルケスとドヴィツオーゾの2強を追うのは……?

MotoGP 第10戦チェコGP:唖然……! スリックタイヤの限界を超越したマルケスの雨中予選激走

第10戦チェコGPは、予選のマルク・マルケスの走りに尽きる。結構な雨にスリックタイヤで挑んだマルケス。「スリックってウエット路面でもあんなにグリップするんだ……」と唖然としたし、ランキングトップなのにリスク承知で攻め抜く気持ちの強さにも驚いた。他のライダー数人がスリックで走ったが、ちゃんとラップを完成させられたのはマルケスだけ。しかもポールポジション。あの激走を解説して皆さんに役立つ情報をお伝えしたいんですが、不可能。もはや何も語れない──というワタシの本音が、マルケスの凄さを表せていますでしょうか?

決して無理にポールポジションを狙わなくてもいい場面。本人に無理したつもりは皆無で、イケたからイッただけ。

MotoGP第11戦オーストリアGP:職人の意地炸裂! ドヴィツィオーゾ、マルケスに競り勝つ

十分すぎる実力を持ちながら、超天才・マルケスの影でどうしてもタイトルが獲れないアンドレア・ドヴィツィオーゾ。第11戦オーストリアGP終盤には、「ぜってぇマルケスには負けねえ!」というスゴい気迫の走りを見せた。

残り3 周でトップはマルケス。何度もラインを交錯させ、サイドバイサイドの激しいバトルを展開したふたりだったが、最終ラップはマルケスが前。そしてマルケスが少しドヴィちゃんを引き離す。「これはもう無理かな……」。そう思ったのはドヴィちゃん以外だった。そう、ドヴィちゃんだけは諦めていなかったのだ。

ジワジワと間を詰めたドヴィちゃんは、最後の最後にマルケスをパス! 接触しながらのギリギリの攻防に思わず声が出てしまいました。あんなに闘志剥き出しのドヴィちゃんを見るのは初めて。しかもバトルはとてもクリーンで、うまくて、カッコいい! やっぱりモトGP、シビレます!!

ファイナルラップ、終わったタイヤで渾身の走りを見せドヴィを引き離そうとするマルケス。だがドヴィも闘志剥き出しの走りで追いすがり、追いつき、追い抜いた。これぞ最高峰!

同GP:クアルタラロ3度目の表彰台! ファクトリー勢を追い落とす!?

実はワタシ、あるコラムで「クアルタラロ6月ピーク説」をぶち上げまして。「調子がいいのも6月まで、それ以降は下降線を辿る」と予想したんですが、これが大ハズレ! 第11戦オーストリアGPでは予選2番手、決勝も粘りの走りで3位表彰台を獲得した。すいません、参りました……。

ツブ揃いと言われた今季の新人たちの中でもピカイチの存在感を示すクアルタラロだが、ファクトリー勢を食う勢いに「来季は最新モデルが与えられる」との情報もあり、ますます期待が高まる。

彼の走りの特長は、マシンのどこにも負荷をかけないこと。素直なライディングでマシン本来の旋回力を引き出しているのだ。

一般ライダーの皆さんにも、力まずにバイクを走らせることの難しさはご理解いただけるはず。それを超ハイパワー・超ハイスピードのモトGPでやってのけるのだから、ハンパないのだ。繰り返し、参りました……。

ファクトリーのロッシとビニャーレスが、サテライトのクアルタラロの置き去りに……。ヤマハにとってはちょっと深刻な事態だ。

第11戦終了時点での成績

ドヴィツィオーゾがなんとかマルケスに食らいつこうとするなか、3位以下はやや水をあけられている。
ドヴィちゃんがどこまでついていけるのか!? 第12戦も間もなくだ!

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