第47回マシン・オブ・ザ・イヤー2019

ただし今後の普及次第では導入も検討

当面は車検ナシ! 電動バイクの免許区分は定格出力20kW超で大型免許が必要に

  • 2019/8/23

ハーレーダビッドソンが高性能な電動バイク、ライブワイヤーを正式発表し、MotoE選手権やマン島TTにおけるTTゼロクラスでも電動バイクがクリーンさと高性能をアピール。台湾のキムコは、1000ccスーパースポーツに迫る高性能のスーパーNEXを開発すると発表している。しかし、日本の車両登録制度における電動バイクの区分は原付1種または2種、そして軽2輪の3種類のみ。これが見直されることになった。

気になる“道路運送車両法”での扱いが判明

7月22日、警察庁は、道路交通法施行規則の改正案に関してパブリックコメントの募集を開始。この中で、既にお伝えしたスマホ運転の厳罰化などに加え、「電動バイクの免許区分見直し」が予定されている。

現在、電動の大型バイクは定義されておらず、出力が高くても「ガソリンエンジンで250cc以下と同じもの」として扱われてきた。搭載モーターの定格出力が0.6kW以下なら原付免許(~50cc)、1kW以下は小型限定普通2輪免許(~125cc)、1kW超は全て普通自動2輪免許(~250cc)の扱いとなっている。

パブリックコメント募集の免許制度改正案ではこれを改め、20kWを超える車両は大型2輪免許が必要となる。今後、ハーレーのライブワイヤーやキムコのスーパーNEXなど高性能な電動バイクが登場予定ということもあり、これに先駆けて普通2輪免許で運転できる上限を設定するのが改正の狙いだ。

気になるのは「車検」の有無だ。道路運送車両法では今まで車検のない原付1種&2種または軽2輪登録の扱いだったが、今後、定格20kW超は免許区分で250cc超の扱いとなるからだ。

警察庁に尋ねると「(車両法の)管轄が国土交通省のため不明」との回答。そこで国交省自動車局に取材したところ「現状で車検は検討していません」という。つまり今後20kW超の電動バイクに乗るには大型2輪免許が必要だが、登録は軽2輪扱いとなり、車検なしで維持できる。これはユーザーにとって朗報だ。しかし「(20kW超の電動バイクが)広く普及した場合、検討する可能性はある」(国交省)とのことだ。

今後、リッタースーパースポーツに匹敵する高性能な電動バイクが登場。ライブワイヤーの0-100km/h加速はわずか約3秒。キムコが開発を表明しているスーパーNEXもパワーモード最強では0-100km/hで2.9秒、0-200km/hは7.5秒で到達するという。ともに定格出力は未発表だが、20kW超えとなる可能性は高い。

AT限定大型2輪免許は排気量上限撤廃、ゴールドウイングも乗車可能に!

今回の改正で、もう一つ重要なのが、AT限定大型2輪免許の「上限排気量撤廃」だ。

現在、同免許で乗車できるのはオートマ650cc以下に限定されているが、これを上限なしとする。また、現在600~650ccに定めた同免許の試験車両を、大型2輪免許と同様700cc以上に設定する。

これらの改正には、近年オートマ搭載のビッグバイクが増加したことが背景にある。AT限定大型2輪免許が導入された’05年当時、国内のオートマ最大排気量だったスズキ・スカイウェ
イブ650の排気量650㏄がそのまま上限となっていた。以後、’06年にヤマハがクラッチ操作不要のFJR1300ASを発売。さらにホンダがセミオートマのDCTを開発し、ラインナップを大幅に拡大している。

なお、既に同免許を所持している人も、排気量の限定がなくなるので安心を。

パブコメの募集は8月20日に終了した。これらの施行日は12月1日の予定だ。募集結果の発表を待ちたいが、ともに現状に即した改正案と言えるだろう。

クラッチ操作が不要なら、ボタンやペダルによる変速でも「オートマ車」として扱われる。写真はNC750系DCT仕様のハンドルで、フルオートマのほか、左手元のスイッチで任意の変速も可能。

1833ccのゴールドウイングでもDCT仕様なら、今後はAT限定大型免許で乗車OK。他にもアフリカツインDCTやFJR1300ASなどが選べる。クラッチ操作が困難な人に朗報だ。

【AT限定大型2輪免許の教習時限数】表記は最短での教習時限数。カッコ内はMT車の場合。ATは教習時間が少なく、所持免許が普通車やAT普通2輪なら3~4万円程度安くなる。

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ヌマ王

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ヤングマシン編集部出身の敏腕フリーライター。特にバイクの社会&時事ネタに詳しく、20年以上にわたって特ダネを追い続けている。趣味はユーラシア大陸横断。