実測214馬力で圧倒するS1000RR

【2019海外直送・独日最強決戦】直4スーパーバイク1000 全開スーパーTEST[#04 最終ジャッジ&データ比較]

直4スーパーバイク最強決定戦は日独引き分け!

エンジン、シャーシの各要素についてテスター陣が採点。ラップタイムについてはトップタイムを満点とし、そこから順番で点数を割り振った。結果はまさかの2台同点に。

2018年はYZF-R1Mがトップだったが、新型S1000RRは“速さ”を説得力に猛追を見せた。

BMWはエンジン、ヤマハは車体でポイント獲得

「新しいS1000RRの性能はどうだ?」という疑問の答えがようやく明らかになった。その答えは予想したとおり、BMWはスーパースポーツたるべく完全に再設計したと言っていい。しかし、新S1000RRは、より鋭い性能を見せるためにライダーへの要求が厳しくなった。スロットル操作に最も積極的に反応し、車体の挙動も少し荒削りな印象だ。そのため非常に速いラップタイムを出すには完璧なサスペンションセットアップを考え出すことが重要だと結論づけられる。

さて、エンジンとシャーシのポイント評価ではS1000RRとYZF-R1Mが小計170点の同点となった。ドイツ人にとって、これは昨年のテストでBMWがヤマハの後塵を拝してしまったことへのリベンジを意味する。その一方で、ヤマハはまったく同じラップタイムで反撃してきた。昨年の比較では、ヤマハはまだBMWの後ろに数十分の一秒遅れていた。これはパワー差があってもコースによって勝負が変わる可能性がまだあることを明確に示す。挑戦的で扱いにくいアンダルシアのコースでは、正確さ、楽なステアリング、そして前輪の透明感が非常に重要だった。そして、これこそR1Mの最も得意とするところだったのだ。

パワーに勝るBMWをハンドリングのヤマハが迎撃する。ラップタイムもトータルポイントも同点という結果になった。

次に、ヤマハと同じレベルのハンドリングを見せていたのがホンダCBR1000RR SPだった。しかし、優れたシャーシだけではもはや十分ではないことは明らか。大きなパワー不足のためCBRは2大ライバルにちょうど2秒の遅れを取ってしまった。もちろん、この遅れの一部は早めに介入するABSの影響もあるが、肝心なのは楽しさではまったく負けていないという点だ。もし、タイムを見なかったなら最も多くの得点を集めていたかも。

カワサキZX-10RRは、途方もないブレーキングとコーナリングの安定性を示していた。だが、ライバルに勝つためには、低〜中回転域でもっと多くの粘りと、もっと敏捷な車体を必要としている。こちらは今後の進化に期待。スズキGSX-R1000Rは、偉大なオールラウンダーで、すべてをそつなく非常にうまくやってのけてみせる。しかし、今回のようにとがりきった限界アタックの場面で一発のタイムを狙うには、ちょっと難しかった。

かくして直4スーパーバイク最強は、BMWとヤマハの2車が引き分け。独日決戦はまた来年に持ち越されることとなった。

1位:S1000RR

デビュー以来5代目にして初の完全なモデルチェンジを受けたS1000RRは、期待どおりのパフォーマンスを見せてくれた。実測200psを超える圧巻のパワーは見事。ただ、ライダーへの要求値もそれなりに高くなった。

1位:YZF-R1M

S1000RRと並んで1位。日本製スーパーバイクの意地を見せた。とにもかくにも優れたシャーシによるハンドリングと考え抜かれた電制アシストがタイムを削り取って速さにつなげる。クロスプレーンも相変わらず素晴らしい。

3位:CBR1000RR SP

ハンドリングはヤマハ同等に優れているが、パワーがネックとなってこの位置に。しかし、クラス最軽量がもたらす楽しい走りは上の2車以上かも。タイムを気にせずスポーツを楽しむだけなら、きっと一番だ。

4位:GSX-R1000R

可変バルタイでフラットに伸びる出力特性は、ライダーが望んだとおりのパワーを引き出すことができる。どんな場所でも、すべてをそつなくこなす優等生だ。そのぶん、とがったところが目立っていなかった。

4位:Ninja ZX-10RR

コーナリングとブレーキングの安定性ではピカイチを誇る。パワーに関しては、もっと出ていてもおかしくなかったのが残念。レースで勝つためには、大柄すぎるライポジが今後の課題となっていくだろう。

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