~ニライカナイへ続く道~

【バイクで巡るニッポン絶景道】海と陸、島人の原風景 石垣市農道[沖縄県]#モトツー

  • 2019/7/12

『バイクで巡るニッポン絶景道』シリーズは、ヤングマシンの姉妹誌であるモトツーリング編集長カン吉(神田英俊)が案内人。第38回は、沖縄県石垣島での、レンタルバイクを利用した絶景トリップだ。地元で“ニライカナイへ続く道”と呼ばれる一直線の農道に心動かされる。

TEXT:Hidetoshi KANDA

守護祖霊達の故郷へ向け一直線!

沖縄県の石垣島といえば、憧れの南国リゾートとして大定番。しかし観光地としてのイメージが強く、ツーリングで走りたい絶景ロードとして名前が挙がることは少ないだろう。だが、絶景に囲まれたこの島をバイクで走らないのは、旅ライダーとして大変もったいない。

とは言え、愛車を石垣島へ持参するのはハードルが高い。そこで、おすすめなのがレンタルバイクでツーリングするという手法だ。比較的広い石垣島とは言え、島内巡りには50cc~125ccでも十分。料金も1日3000円程度とお手頃価格なのだ。

そんな石垣島の定番と言えば、島を周遊する国道390号線や川平湾周辺のルート。ガイドブックに載っているのはもちろん、WEBでも簡単に検索可能で、まずは走っておきたいルートなのは間違いない。しかし、モトツーリングとして紹介したいのは、石垣島のイメージをまさに絵に描いたような秘密の絶景農道だ。

彼方にはアクアブルーの海とサンゴ礁、沿線には微風に揺れるサトウキビ畑とハイビスカス……。南国の楽園、石垣島のイメージをそのまま具現化したようなロケーションは、衝撃的なほどに感動の光景だ。その道とは、地元で“ニライカナイへ続く道”と呼ばれている一直線の農道である。しかも、観光客は皆無。近年は知られつつあるものの、あまりにも穴場すぎて未だWEBでの紹介も少ない。

“ニライカナイ”とは八重山諸島をはじめ、沖縄や奄美諸島各地で伝承されている概念をのことだ。遥か東の果ての海にある異界と言われており、生命の源の地と考えられている。また、島人達の魂はニライカナイより来て、死後ニライカナイに去ると考えられており、守護神・祖霊神が生まれる場所とも伝えられている。この道はジェットコースターのようにアップダウンをしつつ、遥か東の海上までを真っすぐ望む道。まさに、ニライカナイへのメインストリートである。

島人の伝承とそのロケーション。石垣島の世界観を凝縮したようなその光景は“絶景”という言葉すらチープに感じる程、あまりにも神秘的な風景。島人の世界観と伝承が凝縮した、石垣島ならではの原風景だ。南国の潮風と共に走るバイクだからこそ、その感動は一層大きなものになるに違いない。

島北部の県道79号線より望む川平湾。通称“裏川平湾”と呼ばれており、観光客はかなり少なめ。やや遠望的な雰囲気だが、本土では味わえない絶景が堪能できる。

川平湾を望む間道。島の細道へ気軽に入れるのもバイク旅ならではのメリットだ。レンタルバイクは普段使いのモデルが多いが、だからこそ島の風景に溶け込む自然さがある。

こちらも穴場絶景ロード。島北部の東西を連絡する裏道、野底林道だ。途中の展望台から島を一望! サンゴ礁と青い海を絶好の展望で堪能できるぞ。

石垣島は八重山諸島観光のハブとなる中心地だ。周辺の離島へは主に高速船で移動。石垣本島だけでなく、離島巡りも八重山観光の醍醐味なのだ。

路面の真っ白な砂が印象的な竹富島。集落中心部は特長的な古民家が立ち並び、琉球王朝を思わせる異国情緒溢れた風景が堪能できる。

日本最南端の有人島、波照間島。台湾まで240kmという近さだ。年に数回、台湾の新高山が波照間島から目視できる。周辺はサンゴ礁。日本とは思えない風景が広がる。

波照間島では定番のビーチ、ニシ浜。リーフに囲まれた穏やかな天然のプールだ。水中に潜ると、波に合わせてサンゴや貝殻が奏でるメロディーが聞こえる。

ロード情報

交通量:交通量の多い国道390号線の枝道にもかかわらず、農作業車以外の通行はほとんどない。しかし、近年は絶景ポイントとして知られはじめており、観光客の路上駐車には注意が必要だ。

路面:幅も広く浮き砂もないため、大変良好。海を遠望するとジェットコースターのように凹凸した道路線形がとても美しい。一直線ながら農道のため、速度にはくれぐれも気を付けたい。

ニライカナイへ続く道
秘境感★
天空感★★★
潮風感★★★★
爽快感★★★★
根性感★
開放感★★★

関連する記事/リンク

MOTOツーリング

モトツーリングとは ヤングマシンと同じ内外出版社が刊行する、バイクツーリング専門誌。オシャレでキレイな旅よりも、現地に赴いてのガチンコ取材による深堀り記事制作を得意とする。偶数月1日発売。

※本記事の内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。

モトツーリング

モトツーリング モトツーリング編集部

記事一覧を見る

2010年秋にヤングマシン増刊として始まったのち、2013年秋号より独立創刊した、バイクのツーリング専門誌。「ここにしか載っていない面白いネタ」にこだわり、綺麗でオシャレなツーリング雑誌とは一線を画した実用的かつB級ネタも盛り込んだ誌面づくりに邁進しています。