使い勝手を徹底追求したサンバイザー搭載モデル

【軽快コンパクト仕様が新機軸の快適性を獲得】カブト カムイ-IIIの試用インプレッション

優れた耐衝撃性を有する帽体に効果的なデザインを組み合わせることで、バイザーを内蔵しつつコンパクトさを実現した。帽体サイズは2種類(XS~M、L~XL)に分け、軽さとフィッティングも追求。帽体は従来型のイメージを継承しながら、より凝った形状に。リヤの排気ダクト開閉スイッチは、センター→左側配置となり、横スライドで開閉が可能。左手が届きやすい。

UV(紫外線)カットのシールドを備えたモデルは数あれど、IR(赤外線)カットのシールドは初登場。日焼けこそしなくとも、目元に日差しの熱を感じるのが普通だった中、熱感の元となる赤外線を防ぐシールドを備えたヘルメットが登場した。カブトのカムイ-Ⅲをテスト&インプレッションする。

着実にバージョンアップ、新作シールドも効果を実感

’12年夏のデビュー以来、軽量コンパクトかつ手頃な価格の内蔵サンバイザーモデルとして、高い人気を誇るカムイ。ワイドなピンロックシートとマイクロラチェットバックルを採用した’15年登場のⅡに続き、ついに今年「Ⅲ」へフルモデルチェンジした。帽体は一段とスタイリッシュになり、内装とサンバイザーも刷新。目玉は「UV&IRカットシールド」だ。紫外線を防ぐシールドは一般的だが、赤外線までカットし、温度上昇を抑えるタイプは珍しい。

【Kabuto KAMUI-Ⅲ】●価格:3万1320円 ●サイズ:XS、S、M、L、XL ●規格:JIS ●発売:2019年5月中旬

実際の被り心地は、相変わらず軽快。顔を振っても帽体が軽いため、グラつくことなく、首の負担が少ない。さらに新作は、頭全体を自然に包むホールド感が印象的だ。

100km/hでは、浮き上がりやブレもなく、直進時の安定感が抜群。周囲の音はよく聞こえるが、不快な風切り音は発生しない。

気温22度の強い日差しが照り付ける中、肝心のシールドをテストしてみた。他社のUVカット機能付きクリアシールドでは、目元がジリジリ灼かれる感触が。一方カムイ-Ⅲでは、この感覚がなく、熱を防いで涼やかな印象だ。恐らく多くの人が効果をハッキリ体感できるはず。特に真夏での快適性に期待できそうだ。

大型化したサンシェードも優秀。ノーズガードとの隙間が狭く、明暗差が少ない。スムーズな操作感で、開閉しやすいのもいい。――使い勝手を増しつつ、本体価格は3万円以下。相変わらずコスパ優秀な逸品だ。

インカムの取り付けを考慮したスマート設計

インカムやカメラの装着を考慮した専用スペースを左右に設定(ロゴの下部周辺)。帽体には、スピーカーホールに加え、配線がスマートに収まるケーブルルートも採用した。
新作の内装は、首元まで包むようなフィット感が特徴。底面パッドは柔らかく、スリムな形状のため、着脱がスムーズだ。

Point:赤外線カットシールドを新採用

繊維や化成品で世界的に有名な「帝人」の高機能ポリカーボネートを使用した「UV&IR カットシールド」。太陽光の赤外線(IR)で発生する日射熱を抑制し、温度上昇を和らげる。300W白熱灯を照射した実験では、30分後以降、ヘルメット内の温度が通常のクリアシールドより約10℃低かった。青みがかった色が特徴で、視界はクリアだ。
【内蔵バイザーの面積を拡大】インナーバイザーは前作より広いエリアをカバー。スモークシールドのように視界を覆ってくれる。操作は左側シールドベースのレバーで行う。
【メガネスリットもより使いやすく】頬パッドの縫製パターンを変更し、メガネがよりイージーに装着可能に。ブレスガードも大型化した。内装はアゴ紐カバーを含めフル着脱式。
【独自のスタビライザーをさらに大型化】後頭部左右の突起が特許技術のウェイクスタビライザー。帽体付近の気流をコントロールし、ブレを軽減する。ベンチレーション機能を一体化しているのも特徴だ。

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