HMSに行ってみたら、ライディングが もっと楽しくなった!

ホンダのライディングスクールにヤンマシ女子が潜入取材![前編]

ライディングのスクールに、堅苦しいとかツマラなそうというイメージを持つライダーは少なくないかも。でもHMS(Honda Motorcyclist School)は、そうではない! いっぱい走って、爽快にバイクを楽しめるのだ。それを確かめるため、STEC(鈴鹿サーキット交通教育センター)でバイクのスクールだけが開催される日、Bike Only Day(2月24日)に潜入取材を試みた!

TEXT:Toru TAMIYA PHOTO:Satoshi MAYUMI

安全な環境でわかりやすく、プロが的確にアドバイス!

ホンダは、製品を売ってハイ終わり……ではない。メーカー主導やディーラー網での主催により数多くのイベントや走行会などを実施して、ユーザーがバイクに乗って安全に楽しく遊べる環境づくりにも力を入れている。

HMS(ホンダ・モーターサイクリスト・スクール)も、そんな取り組みのひとつ。1978年にHMSが開始された背景には、二輪車事故死傷者数の急増や、暴走族が大きな社会問題になっていたことなどが影響しているという。そのときホンダは、青少年が健全な交通参加者となるための安全教育を実施することが必要という想いから、HMSを立ち上げたわけだ。そしてこのHMSは、多くの社会問題が沈静化してもなお、40年以上も継続して開催されている。

今回(2019年2月24日)の参加者。昨年は全国で延べ1万7629名ものライダーが参加した。

現在、HMSを開催しているのは全国7か所にあるホンダの交通教育センター。施設ごとに日程やコースなどは異なるが、トータルすると昨年は全国で延べ1万7629名ものライダーが参加した。この中にはリピーターも多く含まれているが、なかなかの実績だ。

では、HMSはなぜこんなにも根強い人気があるのか? 理由のひとつは、開催回数の多さにありそうだ。各回の定員は10~20名程度と、多いわけではないのだが、例えばSTEC(鈴鹿サーキット交通教育センター)の場合、初級や中級の一般的なスクールは毎週のように設定がある。しかも開催日は土日祝日ばかり。これなら多くの会社員や学生が、自分のスケジュールと合わせやすい。

しかしHMSが人気となっている秘密は、じつはそれだけではなかった!

ホンダの交通教育センターは全国7か所。HMSは多彩なレベル設定が魅力!/潜入体験したのは下川原利紗さん

ホンダの交通教育センターは、ホンダと縁のある地を中心として全国7ヵ所に設置。個人ライダーのスキルアップや運転復帰支援、企業ライダーの運転研修なども実施している。個人向けのバイクスクールは「HMS((ホンダ・モーターサイクリスト・スクール)」と呼ばれ、各施設により内容やコース名称は多少異なるが、おもに初心者と中級者が対象。スクールで使用するバイクのレンタル料金は参加費用に含まれている。

下川原利紗さん:愛車はCBR600RRとセロー250とスーパーカブ。モデルやタレント、レポーターなどでマルチに活躍中だ。普段から、危なげのないスムーズなライディングだが、じつは本人的には「Uターンとか小回りにイマイチ苦手意識が……」とのこと。HMS参加で克服なるか!?

今回スクール体験したSTECは、HMSの中核となってきた施設

STEC(鈴鹿サーキット交通教育センター)

鈴鹿サーキットに併設されたSTEC(鈴鹿サーキット交通教育センター)は、1964年に白バイ隊員の高速安全運転講習がこの地で全国初開催されたことをルーツとする。この講習効果が注目を集めたことから、翌年から企業向けの安全運転講習も実施。1970年代に二輪車事故死傷者数が急増したのを受け、「ホンダ・モーターサイクリスト・スクール(HMS)」がスタートした。1990年代に入るとクルマの交通事故が社会問題化してきたことから、1991年には「ホンダ・ドライビング・スクール(HDS)」も開始。1994年には、バイク体験を親子で共有しながら交通ルールやマナーについて考え、親子の絆を深められる「親子でバイクを楽しむ会」もスタートした。これらの活動の原点を築き、中核となってきたSTEC は、2007年に設備の大幅な充実化などが図られている。

鈴鹿サーキット交通教育センターで使用されている教習車の一例。写真のCB1100、NC700S、CB650F、CB400スーパーフォア、CBR250R以外にも数機種あり、総数は300台ほどに。親子でバイクを楽しむ会に参加する子ども以外は、所持免許で乗れる車両で受講。レンタル料金は参加費に含まれている。
バイクだけでなく、プロテクター類も無償レンタル可能。プロテクターがフル搭載されたライディングウエアならそのまま参加できるが、なくてもわざわざ用意する必要なし!
STECの場合、親子でバイクを楽しむ会は月2回程度の実施。こちらも、開催コースがわかれている。10:00~16:00のスケジュールとなる「エンジョイ」や「親子でクラッチチャレンジ」は参加費用1万円、「親子で入門コース」は7000円。グロムやCRF50F(クラッチ操作なし)などが使われる。
STEC で4~8月に開催されるHMS は表のとおり。全国各会場で開催されるHMSや親子でバイクを楽しむ会は、開催日の1か月前午前0時から、インターネットのセーフティスクール予約システム(https://www.honda.co.jp/safetyinfo/school_yoyaku/)で申し込みできる。 ※アンダー25スーパー割、学生スーパー割の特典もある。

STECのHMS開催コースとスケジュール

STECのHMS開催コースとスケジュール
級/コース開催時間参加費用4~8月の開催日程
1st初級 タウンライドチャレンジ9:30~16:30 1万4000円4/29 5/5,18 6/1,30 7/6,14 8/11,14
中級 ツーリングライドチャレンジ9:30~16:301万4000円4/7,13,30 5/2,3,11,19 6/2,16,22
7/6,7,15,21 8/10,12,15,18
中級 レーシングコースぷらっと体験9:30~16:301万4000円5/4 8/13
2nd中級 スポーティライドチャレンジ9:30~16:301万4000円4/7,13,30 5/1,2,3,5,6,11,18
6/15,22,23,29 7/7,13,21 8/5,13,15,17
中級 スポーティライドチャレンジ+レーシングコース走行11:00~19:001万5000円4/14 7/20
中級 スポーティライドチャレンジ+レーシングコース走行
(夏スペシャル2日間コース)
1日目13:00~
2日目6:00~12:00
2万2000円8/11,12
中級 オフロード入門9:30~16:301万4000円5/6 6/30 8/18
3rd中級 テクニカルライド9:30~16:301万4000円4/6,14 5/1,4 6/1,15,23,30 7/6,15,20
8/10,14,18
セーフティスキル検定9:30~16:301万4000円5/30 8/30

↓↓後編に続く↓↓ ※18:30公開予定

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