佐藤寿宏のロードレース通信

マレーシア’19セパンテスト#4:MotoGPオフィシャルテストが始まる!

いよいよ本日、2月6日からマレーシア・セパンインターナショナルサーキットでMotoGPのオフィシャルテストが始まります! 今シーズン初の公式テストを前にどのような動きがあったのか、直前レポートを届け!

2月6日(水)より3日間で行われる2019年シーズン初めてのMotoGPオフィシャルテストの開幕を明日に控えた5日(火)。マレーシア・セパンサーキットでヤマハのモータースポーツ活動の発表会「2019 YAMAHA MOTORSPORTS MEDIA CONFERENCE」 が開催されました。

第1部では、スーパーバイク世界選手権、全日本ロードレース選手権、アジアロードレース選手権のライダーが登場。ニューカラーに塗られたYZF-R1が4台並べられ、それぞれ意気込みを語りました。

「テストのフィーリングも上々でしたし、9度目のタイトル獲得を目指します。チームメイトの野左根選手も速くなって来ているので油断はできませんが、ヤマハファクトリーで1-2フィニッシュを昨年以上にできたらいいですね。鈴鹿8耐も昨年は勝っていますが、決勝をケガで走れなかったので、今年はしっかり走って5連覇を達成したいですね」と中須賀。

この日、スカイブルーのラインが入った新しいカラーリングが初お披露目され、取り戻したゼッケン1の中には、通算8度のチャンピオン獲得を示す8つの星が描かれていました。今年も全日本JSB1000クラスは、中須賀を中心にシーズンが進んで行きそうですね。

ゼッケン1には8つの星とドラゴンがあしらわれる。

アジアロードレース選手権(ARRC)に新設されるASB1000クラスへの参戦が正式に発表された伊藤勇樹も、シェイクダウンテストを走っていました。SS600からのステップアップ。以前、JSB1000クラスを走っていたこともありましたが、久しぶりの1000cc、データのないST仕様のR1にダンロップタイヤという組み合わせだけに、初日は苦労していましたが、3日目には、いい感じに仕上がって来ていました。

「他のチームがいないので比べることができないのですが、ちょうど1カ月後にセパンで開幕戦を迎えます。実は、フルコースを走ったのは今回が初めてだったので、最初はショートカットで戻るクセがありましたし、ライン取りが難しかったですね。チームメイトのブロック(パークス)は経験豊富で速いので、まずは、彼に追いつけ追い越せです。そうすれば優勝も見えてくるはずですから」と勇樹。期待していますよ!

ARRC SS600、全日本J-GP2クラスを走っていたケミン・クボとも久しぶりに会いましたが、今シーズンは、FIM CEVレプソルMoto2ヨーロッパ選手権にチャレンジ! 勢いのある走りを見せるケミンだけに、スペインで、もっと速くなって欲しいものです。

第2部では、いよいよMotoGPライダーが登場! MotoGPデビューとなるファビオ・クアルタラロ、フランコ・モルビデリ、マーベリック・ビニャーレス、そしてバレンティーノ・ロッシが会場後方からステージに登壇。間もなく40歳となるロッシですが、やっぱり華やかですね。

「2019 YAMAHA MOTORSPORTS MEDIA CONFERENCE」 にて。右の青いマシンはサテライトのペトロナスヤマハSRT(セパンレーシングチーム)だ。
ASB1000クラスに参戦する伊藤勇樹選手。
Moto2ヨーロッパ選手権にチャレンジするケミン・クボ選手(タイ)。
新しいモンスターエナジーヤマハカラーに身を包んだバレンティーノ・ロッシ選手。

日本人唯一のMotoGPフルタイムライダーの“タカ”こと中上貴晶もサーキット入りし、6日からの走行に備えていました。このオフは、オフロード、ミニバイクなど週に3日はバイクに乗っていたと言い、上半身は一回り大きくなっていました。

「2年目のシーズンですし、昨年の経験を生かして結果を出して行きたいですね。今回は、久しぶりにMotoGPマシンに乗るのでフィジカル的には厳しいと思いますけれど、しっかりプランを立ててテストをこなしていこうと思っています」とタカ。

昨年、このセパンテストで自身のパワー不足を味わったタカですが、しっかり身体を鍛えMotoGPライダーとして成長してきています。今年は、チーフメカニックが変わり、マネージャー兼ヘルパーも変わるなど変化がありました。

「昨年のチーフメカニックのラモンがホルヘ(ロレンソ)を担当することになったので、ペドロサを担当していたジャコモに変わりました。昨年の最終戦後のバレンシアテストから一緒にやっています。ラモンもいい人でしたが、ジャコモはすごく落ち着いているのでプラン通りに作業を進めていくのがいいですね。今回もたくさん走り込んで、いろんなデータを取りたいです」

ホンダはファクトリーのレプソルホンダチームが肩の手術から復帰したマルク・マルケス選手(トップ写真)と、今回のテストをケガで欠席するホルヘ・ロレンソ選手という万全とは言えない船出となりますが、苦しい状況でもチャンピオンを獲得してきた実績がありますからね。心配はいらないでしょう。

さーって、いよいよMotoGPオフィシャルテストが始まります。いい天気になーれっ!

期待してるぞ! タカ!

関連する記事/リンク

関連記事
2019/02/04

ロードレースを追いかけること20年以上のフリーライター・佐藤寿宏さんの「寿(ことぶき)通信」をお届け。国内外、レースの様々な現場から届く「寿通信」は、日本人選手の動向を中心にレポートする。今回は、2月[…]

関連記事
2019/02/02

ロードレースを追いかけること20年以上のフリーライター・佐藤寿宏さんの「寿(ことぶき)通信」をお届け。国内外、レースの様々な現場から届く「寿通信」は、日本人選手の動向を中心にレポートする。今回は、2月[…]

関連記事
2019/01/31

ロードレースを追いかけること20年以上のフリーライター・佐藤寿宏さんの「寿(ことぶき)通信」をお届け。国内外、レースの様々な現場から届く「寿通信」は、日本人選手の動向を中心にレポート。今回は、2月1日[…]