第47回マシン・オブ・ザ・イヤー2019

佐藤寿宏のロードレース通信

マレーシア’19セパンテスト#3:天候に恵まれたシェイクダウンテスト

  • 2019/2/4

ロードレースを追いかけること20年以上のフリーライター・佐藤寿宏さんの「寿(ことぶき)通信」をお届け。国内外、レースの様々な現場から届く「寿通信」は、日本人選手の動向を中心にレポートする。今回は、2月1日からマレーシアではじまったセパンゼロ、その2日目と3日目のレポートだ。

アプリリアがトップ、有力ワークスはテストライダーの競演

3日間のシェイクダウンテスト“セパンゼロ”が終わりました。今年は、スコールは一度もなく、厳しい暑さでしたが、選手達は10時から18時まで走り放題。内容の濃いテストになったようです。

初日はテストライダーのみでしたが、2日目からコンセッション(優遇処置)を活用し、KTMはポル・エスパルガロ、ヨハン・ザルコ、テック3のハフィス・シャーリン、ミゲール・オリベイラ、3日目にはアプリリアのアレイシ・エスパルガロも走行しました。

優遇処置とはいえ、エンジンは、年間で使用するものを使わなければならず、タイヤも数は限られているだけに、こちらは走り放題という状態ではありませんでした。その証拠に、アプリリアは、最終日にアレイシが走ったのみ。それでもトップタイムとなる2分00秒500を出したのは、さすがというところでしょうか。マレーシアは、スコールも多いだけに、天気のいいときに走ってしまえるのは、優遇に入ると言えるでしょう。

ホンダは、テストライダーのステファン・ブラドルが初日、2日目を走行。ヤマハは、2日目の午後から中須賀克行が走り始め、3日目は、ヨナス・フォルガーも参加。セッション最後に野左根航汰も走行していました。スズキは、シルバン・ギュントーリと津田拓也が走っていましたが、津田は、3日間で20周ほどしか走らず、ほとんどギュントーリがテストをこなしていました。3日目には、昨年、ヨシムラから鈴鹿8耐に出場したBSBライダー、ブラッドリー・レイがGSX-RRを初ライド。初セパンだったこともあり、前日にヨシムラGSX-R1000Rでラインを覚え、30分ほどMotoGPマシンをライディング。タイヤは、MotoGPで使っているものとは別のタイプだったこともあり、タイム的には、2分09秒台でしたが、スズキの評価は上々でした。

野左根航汰が(条件つきとはいえ)中須賀を上回るラップタイムを記録。

全日本JSB1000勢は、ヤマハファクトリーの速さが群を抜いていました。新しいエンジンセット、新しいスイングアーム、新しいサスペンションの仕様を試し、さらに速さに磨きをかけています。トップタイムは、2日目のセッション終盤に路面温度が下がったところで野左根が2分02秒5という驚速タイムをマーク。昨年は、2分03秒8と1秒以上も短縮。コンディションも違うので一概には言えませんが、それでも驚速と言えるでしょう。このベストタイムを出したとき、野左根の後ろには、ドゥカティのミケーレ・ピロが走っていましたが、なかなか追いつけない状態でした。エースの中須賀も暑い時間帯に2分02秒6を出しており、野左根と同じ時間帯に走っていれば2分02秒フラットは出ただろうと話しておりました。

今年のヨシムラは全日本の台風の目となるか

一方、加賀山就臣が加入したヨシムラは、渡辺一樹と2人で初日から徹底したベースセット出しを地道に行っていました。タイム的には、最終日に渡辺が2分04秒1、加賀山が2分05秒5と着実にセットを詰めていました。この作業が強いヨシムラ復活につながると全日本JSB1000クラスがおもしろくなりますね。

2月6日からは、いよいよMotoGP™のオフィシャルテストが始まります。ホンダ勢は、新加入のホルヘ・ロレンソは、左手首の舟状骨で欠席。マルク・マルケスは肩の脱臼手術から、カル・クラッチローは、昨年のオーストラリアGPでの負傷からの復帰となりケガ人だらけ。中上貴晶が唯一、万全の体調という状況です。あ、ブラドルがロレンソのマシンに乗りますけどね。どんな3日間になるか楽しみですねー。

文・撮影:佐藤寿宏

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佐藤 寿宏(ことぶき)

佐藤 寿宏(ことぶき)

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ロードレースを追いかけること20年以上のフリーライター。国内外の様々なレースを現場取材しており、若手ライダーにも慕われる。愛車はスバル・レガシィから乗り換えたレヴォーグというボクサー党だ。