佐藤寿宏のロードレース通信

マレーシア’19セパンテスト#2:ヨシムラの加賀山就臣が始動

ロードレースを追いかけること20年以上のフリーライター・佐藤寿宏さんの「寿(ことぶき)通信」をお届け。国内外、レースの様々な現場から届く「寿通信」は、日本人選手の動向を中心にレポートする。今回は、2月1日からマレーシアではじまったセパンテスト、通称『セパンゼロ』のレポートだ。

ヨシムラのマシンに加賀山の経験を注入

さて、今年もマレーシア・セパンサーキットにやってきました。本日2月1日(金)より“セパンゼロ”が始まりましたね。最高気温は33.8度、路面温度は59度と、とにかく暑い一日でした。真冬の日本から来ると、最初は“大したことないかな”と思っていてもジワジワと“こりゃやばい”となり水も500ml、1本じゃ足りない状態です。

午前中は、ピットまわりの撮影からスタートし、走行を撮りに行ったところ、ちょうど今回の目玉でもある“ユッキー”こと加賀山就臣が現れました……がしかし、そのままピットに入ってしまいました。ユッキーの走りを撮ってから違う場所に移動したかったのですが、そのままお昼休みに突入し、炎天下のなかコースサイドでしばらく待つことになり……。なんとも間が悪い動きとなりましたが、その間、こんがり焼けて、またも帽子焼けを作ってしまいました。

ヨシムラ所属が発表されてから初のテストとなったユッキー。今回はチームオーナーという立場ではなく、プロライダーとしてベースとなるセットを決める作業に徹していましたが、その表情は明るかったですね。

「同じGSX-Rでもチーム体制も違えば、マシン作りのコンセプトも違うので、今日はベース作りに専念しました。戦うための武器をそろえて、早い段階で勝負できる状況を作って行きたいですね」とユッキー。猛暑のセパンを63周し、様々なパーツをテスト。初日のベストタイムは2分06秒6でした。

チームメイトの渡辺一樹は、「加賀山さんと一緒にレースをやるのは、以前に柳川明さんと組んだときと似た感覚ですね。マシンをセットアップするだけではなく、チームも率いているので、様々な流れを勉強させていただければと思っています」と70周し、2分05秒1と好調です。

今年45歳になる加賀山就臣は、18歳でスズキワークス入りしてからスズキひと筋。スーパーバイク世界選手権や鈴鹿8時間耐久ロードレースでの優勝経験に加え、2012年には世界耐久選手権で年間チャンピオンを獲得している。
加賀山はセパンサーキットを63周し、初日のベストタイムは2分06秒6。
2019年の全日本ロードレースを戦うヨシムラスズキMOTULレーシング。左から加藤陽平監督、渡辺一樹、加賀山就臣、吉村不二雄社長。

ヤマハファクトリーが強さを誇示

ヤマハは、絶対王者の中須賀克行が自己ベストを更新し、2分03秒0と他を圧倒するタイムをマーク。2日目の午後からはMotoGPマシンのテストとなるため、初日の走行は9回目のチャンピオンに向けての重要なテストとなっていました。これに野左根航汰が2分03秒9で続き、ヤマハファクトリーが今シーズンもJSB1000クラスをリードすることを予感させました。昨年のケガからの復帰テストとなる前田恵助はリハビリ走行。テストチームに加わりセパン初走行となった近藤湧也は、最多の84周を周回。コース、マシンに慣れるために、とにかく周回をこなしていました。

MotoGPは、Hondaがステファン・ブラドル、ドゥカティがミケーレ・ピッロ、スズキがシルバン・ギュントーリと津田拓也、KTMがミカ・カリオ、そしてアプリリアはブラッドリー・スミスが走行。ニューマシンのシェイクダウンを行っていました。トップタイムは、2分01秒569のブラドルでした。

まだまだ続くセパンテスト。またレポートをお届けします!

文・撮影:佐藤寿宏

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