いったんはカタログ落ちしたSRが排ガス規制に対応して復活を遂げた。その魅力に、さらなる磨きをかけて──。 ※ヤングマシン2018年12月号(10月24日発売)より
胸を張って選びたい新型、規制対応以上の価値がある
「変わらずに、在り続けること」。それが’78年にデビューしたSR400の存在価値だとすれば、これほど見事なモデルチェンジもない。新型は、キャニスターの装着やFIの精度を高めることなどにより、厳しい第3次排ガス規制に適合した。確かにエキゾーストパイプの横っちょあたりで、キャニスターが少々目立つ。だが、SRはSRだ。エンジンスペックでは2㎰ダウンとなっているが、目くじらを立てるような差じゃない。新旧で同時に乗り比べると、従来型の方は発進時など低速域ではわずかに力強いが、大差はない。新型はエンジンが滑らかで、中~高速域に気持ちよさがある。ハンドリングは新旧ともニュートラルで、違いは感じられない。
そして、相変わらずの「儀式」であるキックスタートが健在なこと、造形美と言いたくなる空冷フィンが守られていること、さらに排気音がチューニングされ、より低音が響くようになっていることを喜びたい。環境規制が厳しさを増し、市場が縮小する中で、ひとつのモデルを存続させることは本当に大変なことなのだ。SR400はヤマハの良心。胸を張って規制をクリアした新型を選びたい。
撮影:松井慎
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