9月27日試乗会が開催

【国内初試乗】ホンダ新型CRF450Lを丸山浩が試乗インプレッション

2018年9月27日、ホンダが新型CRF450Lの試乗会を国内で開催。普段はCRF250Lも愛車としている丸山浩さんがダートコースを中心に一般道も含めて初ライド。初めての走行で語った内容をほぼそのまま文字にしてお届けする。さらに当日収録した映像もご覧いただきたい。果たしてモトクロッサーベースのストリートマシンの存在意義とは?

【エンジン】低回転高トルク型が路面をよくつかむ

CRF450Lは、走りが気になっていました。最高出力がCRF250Lと同じ24ps。私は250Lを所有していて、よくオフロード走行に使っています。一般道で24psは高速を飛ばさなければ全然問題なく、街乗りではコンビニに行くのにもよく使っています。それで、250Lでオフロードコースに行った時に24psが気になるかというと、ジャンプさえしなければ意外と速い。もちろん飛ばせるところに行くと「上のパワーが足らないな」とは思うんですけどね。

そして、今回この450Lが250Lと同じ24psで出てきた。これはちょっと驚きだったんですが、どんな走りを見せるのかなと思って各所を走ってみました。例えばダートコース、純正タイヤなのであまりグリップしないのですが、なるべくトルクで土をつかまなければならない。エンジンの上を方まで回してしまうより、下のトルクでググッと路面をつかんでいった方がスピードが乗る。それで、シフトアップしてどんどんスピードを乗せていった方が意外と走るなという感じでした。ダートコースではほとんど回すことはありませんでしたね。最大トルクは250Lの2.3㎏-mよりも450Lがさらに1.0㎏-m上回っていて、なおかつ発生回転も250Lが6750rpmなのに対し、450Lは3500rpmで出してますから、なるべく下の回転で走らせようという形になっています。それをダートコースで走ってみて、全然遅いという感じがしない。真っすぐのところを全開全開というところがあったら、もっと上が回ってパワーが出ればなというところがあるのですが、どこか乗り越えたり、山を駆け上がっていくようなところであれば路面を食ってくれるんで、そこがいいなという感じがしますね。

ホンダが作成した比較グラフ。赤のCRF450Lは、最高出力24ps/7500rpm(実線)、最大トルク3.3kg-m/3500rpm(点線)、緑のCRF250Lは、24ps/8500rpm(実線)、2.3kg-m/6750rpm(点線)となる。

【エンジン】6速ミッションなので高速もラク

CRF250Lは、高速走行で100km/h出していると回り過ぎている感じがあって、ロングを走るのが割とツラいんですよね。このCRF450Lだとミッションを6速にしているので高速道路もラクに走れて、なおかつ山に行って林道を走るのにもいい。高速で低い回転で走れるのはもちろん、林道でそれなりのペースになっても結局下の回転でギヤをどんどん上げて走ってるんですよね。そういった意味で下の回転のトルクを増したというのはよかったのかなと思います。落ち着いて走らせてくれて、なおかつトルクで路面をつかんでくれる。

450LはCRF450Rよりもクランクウェイトが重たくなっている。それも路面をひっかいてしまわないようにという意味で、良い方向性で作られているんじゃないかと思います。あまりパワーを出せなかったのは、コンペモデルからどうやってストリートで走らせる仕様に作ろうかという時に、どうしても出し切れないところがあったのですが、その対応としてトルクで走らせてなおかつ走りやすさを出していこうというのが今回のエンジンの特徴じゃないかと思います。

ベースとなったCRF450Rの5速ミッションを6速として高速走行に対応しているので、450Lは遠方の林道ツーリングに使うといった用途にも応えてくれる。

【シャーシ】250よりも軽い車体とコンペモデル譲りのサスがいい

私がこのマシンで最も素晴らしいと思ったのは車体ですね。CRF250Lでも問題なくオフを走ってますが、やっぱり、気になるのは車重なんですよね。と言っても144㎏ですけど、それでも250のオフモデルとしては若干重量があったんじゃないかと思います。CRF450Lはそれよりも13㎏軽くて、おっとっとという場面でなんとかこらえられる。今回の試乗でアクセルターンを結構やってたんですけど、1回そのような場面があった。もうダメか…いや、こらえられるぞってなって、450Lの車重の軽さに助けられましたね。私としては足が届かないのはツラいんですが、そのシート高を車重でリカバーできたというのはよかった。

もうひとつ素晴らしいのは足まわり。これは250Lとは大分違う。フロントとリヤの足まわりがコンペモデルと同じところから作ってきてくれているという。セッティングはバネレートも落としてますし、ダンピングも少し柔らかくしてくれていると思うんですよね。でも実際に跨った時にそんなに沈み込む訳じゃない。ちょっとしたジャンプを飛んだ後でもガシャーンってサスが縮むわけではなくて、ストッて落としてちゃんとリカバーしてくれている。本格的なオフ走行に応えられるようにクオリティのいいサスでそのまま作ってきてくれたというのがやっぱりよかった。

前後サスペンションはCRF450Rと同構造で、フロントはトレールの走破性と快適性の両立を図った専用セッティングとしている。リヤはトレールの路面追従性を狙った専用セッティング&リンクレシオとしている。

【まとめ】アドベンチャーバイクよりも楽しめる?!

街乗り含めてオフもしっかり走りたいという時に、近頃はアドベンチャーバイクがある。800㏄、1000㏄、1200㏄といろいろ揃っていますけど、本当にアタックできるマシンというのは軽くなきゃだめなんですよ。私はそれにこだわったのでいまだにアドベンチャーバイクよりは、CRF250Lが好み。タイヤを本格的なオフ仕様にしてバネレートを高くして、これで250Lがものすごくよく走る。CRF450Lはそれの軽量バージョンですよ。欲しいと思いました。ハッキリ言って。なるほど~、そこに来るのかと。

450Lは出力だけを語る訳でななく、ベテランでオフロードマニアな人たち、今まで何台も乗りついてきたような人たちがこいつを買って、ちょっと自分でいじっていろんなところに旅に行く。旅に行った先でアタックする。ここ乗り越えられるかな? ここを登っていけるかな? という姿が似合ってるという印象です。アドベンチャーバイクで無理するよりも全然いけますよ。私はCRF450Lに乗りながら北海道行こうかな、青森へ行こうかなと想像を膨らませながら試乗を終えました。

シート高は895mmでCRF250Lの875mmより20mm高い。身長167cm、体重61kgのライダーで足着きはギリギリ両つま先が接地する。

【HONDA CRF450L 2019年型国内仕様 価格:129万6000円 発売日:9月20日 色:赤】開発においては450Rの部品を極力変えないという方針がチーム内で徹底され、部品流用率は70%という結果に。本物のオフロード性能を受け継ぎ、世界中のより多くのユーザーにモトクロッサー譲りの性能を楽しんでもらうことがテーマとなっている。

※[ ]欧州仕様

テスター:丸山浩
撮影:真弓悟史
「新型CRF450L国内仕様は24psで9/20発売、シート高は45mmダウン」記事はこちらへ。

いち

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本誌編集長。雑誌は生き残りタイアップ全盛期だというのに、ひとり次期型ネタを嗅ぎまわって反感を買う現代のスクープ魔王。
■1972年生まれ
■愛車:BMW R100GS(1988)

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