2018年1月下旬、アメリカで新型ゴールドウイング/ツアーの国際試乗会が開催された。これに参加したスペイン『SOLO MOTO(ソロモト)』誌よりレポートが届いたので、数回に分けて掲載していこう。第一回は、17年ぶりにフルモデルチェンジを果たした全体像をおさらいする。
“ゴールドクラス”がアップグレード
航空機の座席はエコノミー、ビジネス、ファーストとクラス分けされているが、バイクにも”ゴールドクラス”がある。このクラスの始まりは1975年の初代ゴールドウイングだ。そして今年、ホンダの新世代スーパーツーリングは大幅なアップグレードを果たした。シャーシやエンジン、多くの電子制御に至るまで全てが新しく、開発に15年以上も費やされた。
写真を見ても分かるように新型ゴールドウイングはフルLEDヘッドライトでよりアグレッシブかつコンパクトな顔つきとなった。象徴的な6気筒ボクサー1832ccエンジンは完全新設計となりユニカム駆動の4バルブヘッドによって126psに出力が向上。また、信号待ちでエンジンが停止するアイドリングストップ機構も装備されているのだ。これはホンダのスクーターと同様のジェネレーター/スターターによって実現しているが、もちろんサイズは特大。ISG(Integrated Starter Generator)システムと呼ばれているものだ。マニュアルミッションは5速から6速になり、これまで通り電動のリバースを装備。7速デュアルクラッチトランスミッション=DCTはツアータイプのみの装備となり、これのウォーキングモードでは、1.8㎞/hで前後進することができるのだ。
アップルカープレイまで何でもある
ライディングする上で、たくさんの電子制御は重要な役割を果たす。新型ゴールドウイングは、スポーツ、ツアー、レイン、エコノミーという4つのライディングモードを選ぶことができるのだ。他にもホンダセレクタブルトルクコントロール(HSTC)やクルーズコントロール、電子調整式サス、ヒルスタートアシスト(HSA)、スマートキーに……ああ! バイクで初めてのアップルカープレイでiPhoneのナビや音楽に接続できるではないか。
試乗した米テキサスの気温は氷点下。こんな条件だからウインドプロテクションの効果がより分かりやすかった。シート&グリップヒーターもよく効いてありがたい。停止した時はリバースとウォーキングモードのおかげで移動は簡単。トルクフルなエンジンのレスポンスはより力強くなり、高速コーナーやコーナリングはより安定していた。
“ゴールドクラス”のチケットは安くはない
周知のとおり新型ゴールドウイングは2つのバリエーション展開となった。バガータイプのSTDとトップケースを装備したツアーの2種類でツアーはDCT仕様もラインナップしている。価格はSTDが2万7700ユーロ(約374万円/国内正規価格は273万2400円)で、ツアーは3万4500ユーロ(約466万円/国内正規価格は295万9200円~)、トップエンドのDCT&エアバッグは3万7500ユーロ(約506万円/国内正規価格は331万5600円)となる。そう、”ゴールドクラス”のチケットは決して安くない。だが、これまでと同じように乗ればその価値は分かるものだ。
国内での受注はDCTが54%と圧倒的
ホンダによると、1月12日に発表されたGold Wing(ゴールドウイング)シリーズの受注状況は、1月22日時点で年間販売計画台数500台を上回る540台と、好調な立ち上がりとなった。タイプ別ではDCTが半数以上と圧倒的。カラーが選べるツアーのベーシックグレードではバールグレアホワイトが76%とゴールドウイングらしい白に人気が集中している。
Gold Wing Tour Dual Clutch Transmission<AIRBAG> | 54% |
Gold Wing Tour | 34% |
Gold Wing | 12% |
■車体色別構成比(ホンダ調べ)
Gold Wing Tour | ・パール グレア ホワイト | 76% |
・パール ホークスアイ ブルー | 12% | |
・キャンディー アーダント レッド | 12% | |
Gold Wing | ・マット マジェスティック シルバー メタリック | 58% |
・キャンディー アーダント レッド | 21% | |
・パール スタリオン ブラウン | 21% |
ニュース提供:スペイン『SOLO MOTO(ソロモト)』誌
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