クルマ/バイクの車載システム(メーターやナビなど)とスマートフォンを接続し、スマホアプリの操作を可能とするための各規格がバイクにも本格的に進出を開始。東京モーターショーでもアップルの「CarPlay」を採用した新型ゴールドウイングや、ボッシュの「mySPIN」を搭載するBMW R1200GSなどを見ることができる。そんな中、同じくスマホの接続規格である「スマートデバイスリンク(SDL)」の管理団体である「スマートデバイスリンク コンソーシアム(SDLC)」が、日本での普及活動を担う「SDLC日本分科会」を設立。これを機に、加盟11社による共同記者会見が東京モーターショー会場で行われた。
スマホ接続規格の「綱引き」が始まる?
会見に参加したのは2/4輪メーカー9社(トヨタ、日産、マツダ、三菱、スバル、ダイハツ、スズキ、ヤマハ、カワサキ)に加え、車載システムサプライヤーのパナソニックと、アプリ開発を担当するLINEの計11社で、日本市場向けのSDL機能を搭載した車両/車載機を‘18年に発売し、対応アプリの配布もスタートさせる予定だ。
会見はSDLの重要性などに触れる、SDLC日本分科会としての所信表明的な内容で、これといって具体的な商品展開や解説に言及するメーカーはなかった。とはいえ、スマホと車載機を接続するシステムは既にボッシュが「mySPIN」の名称で製品化しており、ゴールドウイングもアップルのCarPlayを搭載してきたのは先述したとおり。SDLも数年前からフォードなどが中心に採用を広げている。今回の記者会見は、日系メーカーはSDLを共通インフラに使っていくという、その「意思表示」だと捉えてもいいだろう。
SDL対応のバイクはいつ出てくる?
スマートデバイスリンク コンソーシアムに参加したバイクメーカーはスズキ(4輪含む)、ヤマハ、カワサキの3メーカー。そのうちヤマハは、2018年型スターベンチャーに「インフォテインメント(情報と娯楽の両方の提供を行う車載システムの総称)」を搭載し、地図やナビ、音楽、SMS、電話などの操作がバイク上で行えるようになっている。それが今回のSDLと関係あるかは現在のところ不明だが、SDL対応に近いモデルをリリースしたと言える状況だ。
さらにカワサキは2016年8月に「AI(人工知能)を活用したモーターサイクルの開発に着手」を発表しており、この東京モーターショーでそのモデルとなるコネクテッドモーターサイクル「J」の発展版を発表したばかり。しかし、これはスマホアプリをバイクで操作するというレベルを超越しており、SDLはもっと近い将来での動きと考えられる。期待したいのは11月7日に発表予定のスーパーチャージャー搭載のツアラーマシンだが、果たして!?