第2のスーチャーバイクの具体情報を入手

H2GTは3眼フェイスのフルカウルツアラーか

予想CG KAWASAKI H2GT 予想発表時期:’17年秋

世界初にして唯一のスーパーチャージドバイク=H2。そのツアラー仕様である「H2GT」(本誌仮称)が2018年モデルとしてスタンバイしている模様だ。H2とは異なり二人乗りが可能でパニアケースも装着できるという全く異なるキャラクターで登場することが予想されているが、今回、スタイルに関する新情報が本誌にもたらされた。

燃費も期待できそうな新機構も搭載か

まず顔。現行のH2は中央にLEDプロジェクターを配置したモノアイだが、GTは「3つ目になる」と情報筋は話す。これは、カワサキが米国で特許を取得したコーナリングライトの実用化を意味するのでは? と本誌は推測する。コーナリングライトは、高級ツアラーへの搭載が進んでいるシステム。バイクは旋回時にヘッドライトの照射範囲が進行方向とズレたり、狭くなることがあるが、コーナリングライトでは車体のバンク角を計算。進行方向を自動的に照らしてくれるハイテクだ。

カワサキの特許では、左右に3つずつ小型ライトを配置しており、車体の傾きに応じて上から順次点灯する。GTではモノアイを踏襲しつつ、新たに設置された両サイドのコーナリングライトで「3つ目」になると思われる。車体姿勢を検知するためにセンサーが必須だが、既にH2’17年型から6軸慣性センサーを獲得。コーナリングライトは容易に導入できるだろう。

また、「大型スクリーンとフルカウルを採用し、タンデムも可能になる」と情報筋。H2は低くスラントしたスクリーンやハーフカウルを備える1人乗り仕様だが、GTでは当然ツアラー適性を高めてくるのだろう。

デザインに関しても、トガッたH2に対し、「ラグジュアリーな雰囲気になる」(情報筋)と言う。GTは「バランス型」と呼ばれる次世代チャージャーを搭載し、優雅なクルージングが可能になるとの噂。デザインでも本質を表現しているに違いない。本誌予想で発表は今秋。姿を早く拝みたいものだ!

昨年6月、米国の特許情報で、カワサキのコーナリングライトに関する特許申請が公開。図面ではH2を思わせる1眼の左右に小型ライト×3を縦配置する。
’15年の東京モーターショーで出展されたバランス型スーパーチャージドエンジンの吸気制御ユニット。8枚の羽が開閉し空気の流入量をコントロールするメカニズムだ。特許も出願されている。
このメカの目的は「燃費の向上を図ることができる車両のエンジンの過給機の制御システム」と記されている。機能は「過給機の上流側に、過給機への吸気の流入量を制御する吸気制御弁(リリーフ弁)が配置されている。エンジンの過給機の制御システムの吸気量制御装置は、予め定めた出力過剰条件を満足したときに、吸気量を減少させるように吸気制御弁を制御する」というもので、パワーが十分の時は羽の部分=リリーフ弁が閉じるのだ。カワサキはスーパーチャージャーをバイクに搭載するにあたり、パワーだけでなくエコロジーも標榜しており、その後者を実現した形だ。こちらが本命と言えなくもない。
スーチャーバイク第一弾は’15デビューのNinjaH2。初代は銀鏡塗装、’16ではガラスフレーク、そして’17はカーボン&銀鏡マットと毎年、外観も豪奢に進化している。情報筋によると、’18年型は「一般塗装の廉価版も出そう」とのこと。ミラーコートでなくなることで、300万円超の価格がどれほど安くなるかは不明だ。