
ヤマハ発動機がYZF-R7オーナーを対象に、2022年から運営してきた登録制コミュニティサイト「ヤマハモーターラボfor R7」。その2年間の歩みを1冊の本にまとめた本がヤングマシン臨時増刊として発売された。コアでディープなR7オーナーと、R7の開発者も含む“ヤマハの中の人”が繰り広げた、濃密な2年間の歴史が詰まっているぞ!
●文:ヤングマシン編集部(マツ) ●外部リンク:ヤマハモーターラボforR7(9月末でクローズ予定)
元々はツアラーが…謀略でスーパースポーツに?!
MT-07をベースに、倒立フォークやブレンボ製ラジアルマスターシリンダーなどの専用パーツを与えられたYZF-R7。弟分のYZF-R25よりスリムな体躯や、ハンドルがぐっと低い、リアルにスポーツするためのライディングポジションが与えられたスーパースポーツモデルだ。
とはいえこのR7、開発中はもっとハンドルの高い、言うなればスポーツツアラーとして企画されていたという。ところがスーパースポーツしか眼中にない開発陣のひとりが謀略(?!)を巡らせ、見事にSSとして登場させることに成功した…なんてウラ話も持つ。
また、表向きはR25やR3からのステップアップも意識した「FUN Master」を掲げているが、こっそり教えてもらった裏コンセプトは「昨今の250ccじゃもの足りないが、600や1000ccは荷が重い。昔はレプリカでブイブイ言わせ、トランポはないけどツナギはある。ライセンスはないけど膝なら擦れる…」と、そんな仮想ターゲットを掲げていたと聞き“なるほど!”と膝を打つ思いをしたことも。
トップブリッジ下にセットされたセパレートハンドルを核に構築されたライディングポジションは、サーキットでの”肘スリ”すら可能とする本格的なもの。ベースこそMT-07と共有するが、R7は本気のSSなのだ。
バイクを買った後の楽しみ方もデザイン
とまあ、そんなウラ話だらけのYZF-R7だが、その開発者のひとりである“中の人”が立ち上げた、R7オーナーによる登録制コミュニティサイトが「ヤマハモーターラボforR7」だ。ヤマハの実験室=ラボとして「バイクを買ってくれた人の、その後のバイクライフもデザインする」ことを目的に2022年に開設され、約1000人のR7オーナーがメンバー登録している。
その特徴はR7オーナーと中の人がサイト上で直接やり取りでき、しかもヤマハのプロジェクトに関わる経験ができること。詳細はこちらの記事をご覧いただきたいが、WEB上を飛び出してのオフ会やツーリング、サーキット走行などのイベントも企画されるなど、メーカー側が音頭を取ってR7オーナーが楽しめる場を提供してきた、他にはあまり類を見ない実験なのだ。
ヤマハモーターラボforR7上でのやり取りは、メインがR7オーナー同士の情報交換。さらにヤマハの商品企画でアンケートを取り、応募の多かった案を採用するなどの”共創”も行われていた。
WEBでの活動を本として残す
このR7ラボはあくまでもヤマハの実験企画のため、当初から期間限定でスタートしていたが、それが2024年の9月末で完全にクローズすることとなった。そこでラボの軌跡を少しでも残すべく、約2年間の活動を1冊の本にまとめたのがこの「ヤマハモーターラボfor R7 メモリアルファンブック」だ。
R7ラボやメンバーの協力のもと、活動の中でもとくに濃かったり、特徴となった催しなどを極力掲載。価格は税込3300円と少々お高い(すみません)ものの、特別付録として中の人が夜なべして作ってくれたオリジナルの“ヤマハ謹製ステッカー”も付属。ラボメンバーはもちろん、R7オーナーなら楽しめる情報が満載の1冊となっている。販売はAmazonオンリー、ぜひ下記ボタンからご購入を!
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(新刊案内)
バガーレーサーレプリカここにあり! 153HPを誇る純正スクリーミンイーグル131エンジンを搭載する「CVOロードグライドRR」がアメリカにて限定発売され、その排気量は2147ccにも達するが、カスタ[…]
コラムニストの村上菜つみさんが『モトチャンプ』誌に寄稿中の人気連載『ぶらり二輪散歩』。足かけ8年になるこの連載から、著者が12編をピックアップしてまとめた書籍『村上菜つみのぶらり二輪散歩』が好評発売中[…]
感度の高い若者たちが乗ったスポーツスター アメカジ(アメリカンカジュアル)の影響を受けつつ、ストリートで発展したファッションスタイルが、1980年代後半にブレークした“渋カジ”だ。シンプルで飽きのこな[…]
誰がなんと言おうと好きなんだ! 揺るがない人気と存在感。「XLスポーツスター」こそスタンダード。誰がなんと言おうと好きなんだ、このスタイル、この佇まい!!「フォーティーエイトファイナルエディション」が[…]
この夏、レジェンドが登場! ハーレーダビッドソンが1903年に創業して以来、120年以上ずっと本社を構え続ける米国ウィスコンシン州ミルウォーキーで、今夏、音楽とモーターカルチャーを軸とした祭典『ハーレ[…]
人気記事ランキング(全体)
エイトボール! 王道ネイキッド路線への参入予告か スズキがグローバルサイトでティーザーらしき予告画像を公開した。ビリヤードの8番玉の横には『SAVE THE DATE 4TH JULY』とあり、7月4[…]
新進気鋭のクルーザー専業ブランドから日本市場に刺客! 成長著しい中国ブランドから、またしても新顔が日本市場にお目見えしそうだ。輸入を手掛けることになるウイングフット(東京都足立区)が「導入ほぼ確定」と[…]
静かに全身冷却&最長10時間のひんやり感を実現 ライディングジャケットのインナーとしても使えそうな『PowerArQ Cooling Vest』。その特長は、ファンやブロワー、ペルチェ式ヒートシンクを[…]
なぜ「モンキーレンチ」って呼ぶのでしょうか? そういえば、筆者が幼いころに一番最初の覚えた工具の名前でもあります。最初は「なんでモンキーっていうの?」って親に聞いたけども「昔から決まっていることなんだ[…]
供給不足解消に向け、スズキもかなり「がんばってます」 ジムニーノマドは、2025年1月30日の発表からわずか4日間で約5万台もの受注を獲得し、注文受付が一時停止に追い込まれるなど、国産車としては異例と[…]
最新の投稿記事(全体)
シリーズ第12回は最終回特別応用偏! 白バイと言えばヤングマシン! 長きにわたって白バイを取材し、現役白バイ隊員による安全ライテク連載や白バイ全国大会密着取材など、公道安全運転のお手本として白バイ流の[…]
スズキGSX-R:斬新かつ孤高のネーム、走りもケタ違い 1983年は、世界耐久や鈴鹿8耐でスズキの耐久レーサーGS1000Rが旋風を巻き起こした。 その年の暮れ、晴海で開催された東京モーターショーに、[…]
想像していたよりスポーティで楽しさの基本が詰まってる!! エントリーライダーや若年層、セカンドバイクユーザーなどをターゲットに日本でもラインアップされているジクサー150のʼ25年モデルは、ニューカラ[…]
ホンダ「PRO LITE」の正体が判明?! 2025年秋に生産終了する50cc原付の後継車について、ホンダが新たな動きを見せた。それが2025年6月5日に行われた、「SUPER CUB PRO LIT[…]
非Vツインから始まった、日本メーカー製のアメリカンモデル 1969年に公開されたアメリカ映画「イージーライダー」に登場するハーレーダビッドソンのカスタムチョッパーに影響を受け、長めのフロントフォークと[…]
- 1
- 2