日本に帰ってきたらお鮨を食べます!

中上貴晶×イクソンのトークショー開催!【MotoGPマシンはボタンやレバーがたくさんあるけど、今のところ誤操作したことはないですよ(笑)】

日本人唯一のMotoGPライダーである中上貴晶選手が、自身が着るウエアのイクソンのイベントとしてライコランド姫路と門真2りんかんでトークショーを開催した。天候にも恵まれ、屋外の会場には多くのファンが集まった。


●文:ミリオーレ編集部(村田奈緒子) ●写真:イクソンジャパン、ミシュラン ●外部リンク:イクソンジャパン

レースウィーク中には見せないリラックスした表情が印象的

いつものレーシングスーツでなく、テキスタイルのイクソンのウエアで登場した中上貴晶選手。世界最高峰のロードレースで戦う身ゆえ、ウエアを着た立ち姿からでもスマートに鍛えられた身体が伝わってくる。関西でこうしたイベントに参加するのは久しぶりのことで、終始リラックスした表情で多くのファンと交流していた。トークショーではレースのことだけでなく、オフシーズンの過ごし方や食事のことまでを語ってくれた。

−−オフシーズンはどのように過ごされているんですか?

「最近は夏休みにも日本に帰ってこれないことが多かったので、家族とゆっくり過ごしています。今が一番ゆっくりできる貴重な時間ですね。昔は家族で旅行に行ったりもしていたんですが、シーズン中ずっと飛行機に乗っているので、最近は自分の要望で日本でゆっくりさせてもらっています。

飛行機疲れるんですよね。ヨーロッパではスペインのバルセロナを拠点に動いていて、ヨーロッパだと1時間30分とか2時間で移動できるんで便利なんですけどね。でも連戦だと家に帰って洗濯をして、すぐに次のグランプリに向かう感じです。飛行機に乗るだけならいいのですが、飛行機ってディレイになったりキャンセルになったり色々あるので、時間を使うんですよね。それで疲れちゃう。だからオフはゆっくりしています」

イベント中は店内でイクソン製品をチェック。

関西のイベントに多くのファンが集結(写真はライコランド姫路)した。「日本GPに行ったことある人?」の問いにも多くの方が挙手。中上選手も驚いていた。

−−日本に帰ってきたら必ず食べるものはありますか?

「お鮨です。刺身より握りが好きです。スペインにお鮨を食べる店はあるんですけど、やっぱり日本のお鮨が美味しいです。スペインだとお鮨と言っても、ちょっと違うんですよ(笑)。裏巻きと言ってご飯が外側だったりするものもあります。

こないだ食べたのは口の中に入れると『パチパチッ』といってて『ん?これは?』と思ったら『パチパチ』いうキャンディーのお菓子あるじゃないですか。それが入ってたんです。面白いとは思うのですが、日本人としては……(笑)。でもバルセロナでは、お蕎麦とか天ぷらとかを食べられるお店もあるので、日本食が食べてくなったら行っています。

でも、日本で食べるお鮨がやっぱり一番ですね」

−−2022年シーズンはいかがでしたか?

「やはり厳しかった。怪我が多かったシーズンでした。怪我が続き、その状況を自分でカバーしていくのが難しかったですね。なんとか戦っていたという時もあったし、ホンダ全体としても厳しかったです。でもそんな中で各セッションで光る走りをして、まずはホンダで一番になろうと思っていました。

日本GPも3年ぶりだったので、結果としては無理をしてしまいました。走行の度にドクターに診てもらうのですが、血も止まらなく、傷口が開き始めて、見えてはいけないものが見えてきて……。なんでこのタイミングで怪我をって本当に思いました。

でも日本GPは、シーズンで一番楽しみにしていたレースなんですよ。だから、出たいって気持ちが強くて。正直、結果を望める状況ではなかったんですが、どうしても走りたかった。日本GPでなかったら出ていなかったですね。でも、やっぱり無理してしまったようで、その後の3戦欠場して手術をしました。

今もリハビリしているんですが、2月のセパンテストは100%でいけます。ホンダのバイクもアップデートされると聞いていますし、楽しみですね」

2022年の日本GPは、とても厳しいコンディションで戦っていたことを告白。それでも日本のファンに応えた。

−−2023年はどんなシーズンにしたいですか? スプリントレースも始まりますね!

「全員がスキルのある厳しい世界ですが、まずはホンダの中で一番になりたいですね。やはり自分の名前がリザルトの上の方にあるとモチベーションが上がりますから。

2022年はマルク・マルケスの怪我もあって、そのときはホンダが自分を軸にマシン開発をしてくれたんです。嬉しかったですね。自分はサテライトチームなんですけど、HRCのスタッフが話を聞きにきてくれるんです。これがワークスチームの強みなんだと思いました。この経験を活かして2023年は挑みたい!

そしてスプリントレース(毎戦土曜日に通常の決勝レースの半分の距離で行われるレース)も始まります。これは楽しみでしかないです。もちろんポイントも付きますし、MotoGPがガラッと変わると思います。

ソフトタイヤで走れるし、ハイペースになるから見応えもあると思います。あと、通常のレース距離になるとタイヤのライフや燃費が大きく影響してくるんです。予選と決勝のモードってだいぶ違うんですよ。日曜日のレースは色々とスイッチで制御やモードを切り替えないと走りきれません。終盤は燃費モードにしたり、っていうのがあるんです。

でもスプリントレースは、そのあたりを何も気にせずにいくと思います。それだけにミスは許されないし、高い集中力が必要ですね。もちろんこういったレースが得意なライダーや苦手なライダーなんかも出てくると思います。

ホンダでいえばマルクは常に戦闘モードなので、かなりかき回すんじゃないかなと思います。アレックス・リンスとジョアン・ミルの加入もありますが、2人はまだヴァレンシアで1回ホンダのマシンに乗っただけなのでまだまだ読めません。でもリンスはチームメイトですし、チームメイトは身近なライバル。負けられないですよね。

2023年のレースウィークは、スプリントレースがあるのでかなり忙しくなります。フィジカルもメンタルも違うアプローチになると思います。正直、スタートしてみないとわかりませんが、そうもいってられない。

スプリントレースの導入で、MotoGPというフォーマットが変わるのが楽しみです。予選も楽しんですけど、レースになるっていうのは別格ですから。

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