当時の750ccのライバル車より30~50kgも軽量。これがビッグバイクの常識を覆す
アルミフレームに軽量コンパクトでパワフルな油冷エンジンを搭載したGSX-R750。179kgの車両重量は、当時の750ccのライバル車より30~50kgも軽量。そして最高出力は国内モデルは自主規制いっぱいの77psだが、輸出仕様は100psでパワーウエイトレシオは1.76kg/ps。これは同年代の750cc(輸出モデル)の中で突出した数値。ちなみに当時の輸出向けのカタログでは、簡単なチューンナップで130psにパワーアップできると謳っている。
耐久レーサーを彷彿させるスタイルはもちろん、トップブリッジ下にクリップされた低いセパレートハンドルや後退したステップが生み出す前傾したライディングポジションも、既存のビッグバイクとは隔世の感があった。
750と似て異なる高速ツアラーの1100も登場
GSX-R750はTT-F1や耐久レースのベースマシンとしての役割もあったが、当時の海外向けの市販ビッグバイクは1000ccオーバーがメジャー。そこで登場したのがGSX-R1100だ。レース目的の車両はないため750よりハンドル位置が高かったり、ハンドリングも安定傾向。
基本的にGSX-R750の1年遅れでマイナーチェンジやモデルチェンジを重ね、93年の水冷化以降はより高速ツアラー的な性格が明確に。98年モデルを最後にGSX1300R Hayabusaにバトンを渡した。
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