
イタリアのファンティックが送り出した最新ロードスポーツ「ステルス500」。1970年代に小排気量オンロードモデルを手掛けて以来、久々に送り出した本格ロードスポーツシリーズとして誕生したステルスは、まず125ccモデルを投入。そして今回、そのコンパクトな車体に500cc単気筒エンジンを搭載したステルス500が登場した。本記事ではモータリスト公式YouTubeで語られた野口氏の解説をもとに、最新モデルの魅力を紹介する。さらに詳しく知りたい人は、ぜひ動画本編もチェックしてほしい。
●写真:モータリスト ●文&まとめ:栗田晃 ●BRAND POST提供:MOTORISTS
125ccを大切にしてきたファンティックだからこそ生まれたステルス500
ファンティックの新型ロードスポーツ「ステルス500」を理解するうえで欠かせないのが、同社が長年培ってきた小排気量モデル作りの歴史である。野口氏によれば、ファンティックは1970年代から50ccや125ccクラスを中心としたモデルを手掛けてきたメーカーだという。
「125ccという排気量はヨーロッパでは若いライダーたちが最初に乗る基本的な排気量です」
という説明通り、ヨーロッパでは125ccクラスが現在でも若年層ライダーの入り口として重要な存在となっている。そのためファンティックも、まずはステルス125を投入した。
しかしステルスシリーズの面白さはそこから先にある。
125ccクラスの軽快な車体を作り上げた後、その基本設計を活かして500ccエンジンを搭載したステルス500を誕生させたのである。一般的に排気量が大きくなれば車体も大型化される。しかしステルス500は違う。
「125ccクラスの車体に500ccのエンジンを積んで、楽しくないわけがない」
という野口氏の言葉こそ、このバイクの本質を端的に表しているといって良いだろう。
世界中のエンデューロ・ラリー・モトクロスレースやMotoGP(Moto2)で活躍するFANTICが、培った技術を投入して仕上げた待望のストリート・スポーツモデル。4サイクル125ccエンジンならではの扱いやすさと伸びやかなパワーキャラクター、そして高燃費を実現。
500と125の比較。
STEALTH 500
新型キャバレロで高く評価されているEUR05+に対応した水冷463ccエンジン。ファンティックのエンジン開発からマシン製造までを一手に引き受けるモトーリ・ミナレッリ社が誇る高性能ユニット。乾燥重量わずか147kgという、500ccクラスのネイキッドバイクとしては最軽量を誇る。
「本当に入るのか?」と思わせるコンパクトな500ccエンジン
コンパクトな車体にパワフルなエンジンを搭載する魅力は大きいが、本当に125ccクラスの車体に500ccエンジンが収まるのか、疑問に思うライダーもいるかもしれない。
実際、野口氏も
「本当にあの125のボディに500ccのエンジンが乗るのか? って思われる方も多い」と語っている。
しかし、搭載されているのはキャバレロ500でも採用されている最新の単気筒ユニットであり、ユーロ5規制に対応しながらも非常にコンパクトに設計されたエンジンだ。
排ガス規制対応で大型化したマフラーも、スイングアーム前方へ巧みに配置することで重量物を車体中心付近へ集中させている。
500ccエンジンを125ccクラスの車体に単純に500ccエンジンを搭載しただけでなく、500cc化によって損なわれがちな軽快感を維持するため、細かな部分まで徹底的に作り込まれているのである。
同じ系列のエンジンを搭載するキャバレロ500。
Euro 5対応エンジン。欧州連合(EU)が導入した自動車および二輪車の厳しい排出ガス規制に対応した水冷4ストローク単気筒エンジンだ。
重心バランスもすごい。マフラーがスイングアーム前方に込められているため重心バランスを崩すことのない設計がされ、軽快感を維持している。
148kgという数字以上の価値
そしてステルス500最大の武器と言えるのが車重だ。
125ccモデルも130kgを切る軽さを実現していたが、500ccエンジンを搭載したステルス500は148kgという驚異的な数値にまとめられている。
この数字だけを見るとピンと来ないかもしれない。
しかし、同クラスのロードスポーツやネイキッドモデルと比較すると、その軽さは際立っている。
近年は電子制御や排ガス対策装備の充実によって、ミドルクラスの車重が200kg前後になることも珍しくない。148kgという数値は驚異的で、250ccクラス並みと言ってもいい軽さだ。
野口氏も「またがった瞬間にその軽さが分かる」と語っている。これは大げさな表現ではない。
スポーツバイクというと、つい最高出力や最高速度に注目しがちだ。しかし、実際に長く付き合ううえで重要なのは、取り回しの善し悪しや軽さというポイントだ。
野口氏は「オートバイを買った後で軽くしようとしても、元々あるオートバイの重さを根本的に変えることはできません」と説明している。
マフラー交換やホイール交換による軽量化は可能だが、数十kg単位で軽くすることは不可能と言って良い。だからこそ、最初から軽量な車体を選ぶメリットは非常に大きい。軽いバイクはライダーに余裕を与えてくれる。取り回しの安心感はもちろん、街中やワインディングでの扱いやすさにも直結するためだ。
最新の電子制御システムも搭載。後輪が空転(スリップ)したときにエンジンの出力を自動で抑えタイヤのグリップ力を保つ安全・補助機能、トラクションコントロール、急ブレーキや滑りやすい路面でタイヤがロック(回転が停止)するのを防ぐ安全装置、コーナリングABSを装備する。
ライディングモードでは「ストリート」「レイン」「トラック」「カスタム」と4つのライディングモードが選択可能。走行環境に合わせて電子制御システムの組み合わせを変えられ自由に調整できるカスタムモードもある。
500と125 のサイズ、重量比較。
野口氏は「またがった瞬間にその軽さが分かる」と語る。
Moto2チャンピオンメーカーが作るロードスポーツ
(本文4)
ファンティックは2025年シーズンのMotoGP世界選手権Moto2クラスにおいて、チームランキングトップを獲得している。
「つまりMoto2の世界チャンピオンがファンティックなわけです」と野口氏も語っている。
ステルス500には、そのレース活動で培われたノウハウも活かされている。跳ね上げられたショートマフラー。鋭いフロントマスクやレーシングマシンを連想させるウイングレット風デザイン。その姿はまさに現代的なストリートファイターそのものだ。
だが興味深いのは、決してピーキーな方向へ振ることなく、誰もが楽しめる扱いやすさを残しながら、レースの雰囲気を日常へ持ち込んでいる。そのバランス感覚もファンティックらしい部分と言えるだろう。
動画内では「誰でも使いこなすことができるエンジンパワーなのに、自分が考えていた通りのトルクを引き出すことができる」と表現している。
500cc単気筒エンジンは決して過激な出力ではない。しかしライダーがアクセルを開けた瞬間に欲しいだけの加速を返してくれる。過不足のない絶妙なバランスがステルス500の持ち味と言える。
【Moto2 世界チャンピオン FANTIC 2025年 Moto2クラス】
年間ライダーランキング3位,4位を獲得し、チームランキングではトップを獲得する。
リーズナブルな価格設定も見逃せない
近年は円安や原材料価格高騰の影響もあり、輸入車価格は上昇傾向にある。そのなかでステルス500は価格面でも大きな魅力を持つ。
野口氏によれば、「ヨーロッパで販売されている価格を現在の為替レートで日本円換算したより安いぐらいの値段」を実現しているという。
STEALTH 500の価格
ヨーロッパで販売されている価格を、今の為替レートで日本円にした価格より、安い価格で購入が可能それほどリーズナブルに楽しんでもらえるよう、モータリストが提供している。
軽量な車体、最新エンジン、充実した電子制御、Moto2由来のスポーツ性能。それらを備えながら現実的な価格に抑えられている点も、多くのライダーにとって見逃せないポイントになるだろう。
ステルス500はすでに国内デリバリーが始まっている。
全国のファンティックディーラーでは実車確認や試乗も可能で、関西エリアでは試乗イベントも予定されている。
125ccクラスのコンパクトな車体、500cc単気筒の扱いやすいパワー、そして148kgという圧倒的な軽さ。スペック表を見るだけでは、このバイクの本当の魅力は伝わりにくい。
ブラック/アシッドグリーン
レーシングホワイト/レッドストライプ
【STEALTH 500】
水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ 463cc
ボア×ストローク:96×64mm
始動方式:セル式
変速機:6速
フレーム:スチール製トレリスフレーム+鍛造アルミサイドプレートのハイブリッド構造
ブレーキ(F):φ320mmディスクブレーキ
ブレーキ(R):φ230mmディスクブレーキ
サスペンション(F):FANTIC φ41mm 倒立フォーク
サスペンション(R):ファンティック製FRS モノショック プリロード調整機構付き
全長:1967mm
シート高:810mm
ホイールベース:1368mm
タイヤ(F/R):110/70-17 / 150/60-17
車両重量:147kg(ガソリン抜き)
タンク容量:12ℓ
ボディカラー:ブラック/アシッドグリーン・ レーシングホワイト/レッドストライプ
メーカー希望 小売価格(消費税込):1,265,000円
これらは実際にまたがり、車体を起こし、走り出した瞬間にこそ理解できるはずだ。詳しくは下記に掲載したyoutube動画で確認してほしい。
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