【重箱の隅まで徹底比較!】ヤマハNMAX vs ホンダPCX・125ccスクーターライバル試乗

スマホ連動メーターにVVA搭載のエンジンなど、ラグジュアリーな装備が目を引くヤマハの125ccスクーター・NMAX。対して、長年このクラスをリードしてきた王者と言えばホンダのPCX。ガチンコのライバルと言っていいこの2台をねっちりみっちり、重箱の隅を突くように徹底比較してみたぞ!!
●文:谷田貝洋暁 ●写真:長谷川徹/YM Archives ●取材協力:ホンダモーターサイクルジャパン ●BRAND POST提供:YAMAHA [Y’S GEAR]
ガチの原付二種ライバルを徹底比較!
原付二種と呼ばれる、50cc超~125cc以下のバイクはユーザーメリットが多い。任意保険は4輪車などに付帯させるファミリーバイク特約が使えるし、自動車税も90cc以下なら原付一種と同額の2000円/年、それ以上でも2400円と割安。250cc(軽二輪)クラスと同様に車検も必要ないなど、経済性が高いのだ。
この他、原付二種クラスは道路交通法や車両運送法でもメリットが多く、列記すれば…
- 原付一種(50cc)のような30km/h制限や2段階右折の義務がなく、2人乗りも可能
- アンダーパスやオーバーパスなど“原付通行不可”の適応外
- 公共の駐輪場は原付一種と同じように使えるところが多い
- 最短2日教習所に通うだけで、必要な免許(AT小型限定普通自動二輪)が取得可能
などなど。このような特性から125ccクラスは、業務用途はもちろん通勤通学の足としても人気で、2輪メーカー各社も力を注いでいるわけだが、それだけに選択はなかなか難しい。とくにスクーターは外観からキャラクターの判断がしにくいため、価格と外観の好みで“なんとなく”決めてしまうことも多いかもしれない。
実際に乗ればいろいろ違うはずなのに、それはもったいないのでは…というわけで、今回はヤマハNMAXとホンダPCXという2台の人気125ccスクーターを徹底比較し、そのキャラクターを改めて分析してみたい。
価格はPCX(左)が37万9500円で、NMAX(右)が38万9400円。その差はわずか9900円!
ホンダPCXは、言わずと知れた125ccスクーターの大ベストセラーで、1月に外観を一新するモデルチェンジを行ったばかり。それを追撃せんとするヤマハNMAXも、この3月にスタイリングの刷新やエンジン/サスペンションの改良、新デザインメーターの採用といったモデルチェンジを敢行している。
どちらも走りのよさや利便性の高さはもちろん、軽二輪の兄貴分(NMAX155/PCX160)を持ち、車体を共有することで、所有欲をくすぐる装備や高い運動性能が味わえるのが特徴。さてさて、ヤマハとホンダの125ccスクーターにはどんなキャラクターの違いがあるのだろうか?
NMAXとPCXの2台をまる1日かけて取っ替え引っ替え乗り換えて、徹底比較!
ライディングポジション
2車のライディングポジションには印象的な違いがある。写真では表れない程度の差異ではあるが、ヨーロピアンスタイルのNMAXは、視線が高くやや背筋が伸びるうえに、ライダーシート後端までの余裕がある。これに対し、PCXはステップボードを含めてややコンパクト。シートの位置も低めで、背中を丸めてソファーに座るようなライディングポジション(通称あんちゃん乗り)はPCXの方がしっくりくる。
シート高はNMAXの770mmに対し、PCXは764mmとほぼ同等。両足を着こうとすると踵が3cmほど浮くのは両車変わらずといったところだ。[ライダー身長172cm/体重75kg]
両車ともセンタートンネルがあるスポーツスクーターなので、フラットフロアに比べれば跨る際に足を上げる必要があるのは変わらず。違いが出たのは跨り部のシート形状で、スリムで絞り込まれたPCXに対し、NMAXはやや太ももが押し広げられる印象がある。
1枚の表皮で張られたNMAXのシート。実測での座面寸法は全長約670mm✕全幅(もっとも広い部分)約350mmで、ライダー側シートの全長が約430mm(タンデム側は約240mm)、先端部の幅は約120mmだった。ステップボードは水平部と傾斜部の長さがほぼ均等な設計。
部位によって表皮を使い分け、ステッチも入るPCXのシートは上質な印象。実測寸法は全長約685✕全幅約350mmで、ライダー側シートの全長は380mm(タンデム側は305mm)。シート先端部の幅は90mmと絞り込まれている。ステップボードは水平部の方が傾斜部よりも長い。
エンジン性能
一緒に走らせて驚いたのは、PCXのスタートダッシュの良さだ。停止状態からの出足がよく、ヨーイドンでスタートすれば50km/hぐらいまでは一車身ほどPCXが前に出る。ストップ&ゴーを繰り返す街中をキビキビ走らせるにはもってこいの印象だ。
一方のNMAXはその上の領域がいい。50km/hぐらいからトップスピードに向けての伸びが良く、PCXを少しずつ引き離していく。巡航状態からの再加速や、ダラダラと続く登坂での力強さもNMAXに軍配が上がる。ちなみにテストコースでの最高速度は、NMAX=115km/h、PCX=111km/hをそれぞれメーター読みで記録した。
発進加速に勝るPCXに、高速の伸びがいいNMAX。エンジンのキャラクターには大きな違いがある。
エンジン性能については、“スタートダッシュのPCX”に“伸びのいいNMAX”と、しっかりとキャラクターの違いがあった。PCXは街中でのストップ&ゴーで多用する低中回転域のパワフルさを重視し、そこにエンジンや駆動系のセッティングを合わせ込んでいるのだろう。
一方のNMAXはVVA(バリアブルバルブアクチュエーション)という、エンジンの回転域によって吸気バルブの開閉タイミングを変化させ、低中回転域の力強さと高回転域の伸びを両立させる飛び道具を搭載している。高速域の伸びが魅力のNMAXだが、スタートダッシュでもPCXに大きな遅れを取らないのは、全域での性能向上を実現するVVAの効用というわけだ。
ヤマハによるVVAの解説動画
ちなみに、両車ともアイドリングストップ機構を搭載(両車ともオフも可能)しており、試しに信号待ちでのアイドリングストップ状態からのスタート競争もしてみたが、エンジン始動に関する速さは両車とも同じぐらいの印象だった。
「BLUE CORE」と名付けられたNMAXの水冷SOHC4バルブ単気筒エンジンは、可変バルブ機構のVVAを搭載し、12ps/8000rpm/1.1kg-m/6000rpmを発生。WMTCモードによる燃費は49.1km/L(1名乗車時)。
「eSP+」と名付けられたPCXの水冷SOHC4バルブ単気筒エンジンは、12.5ps/8750rpm/1.2kg-m/6500rpmを発生。燃費はWMTCモードで47.7km/L(1名乗車時)をマーク。
車体性能
フロアがフラットではなくセンタートンネルがあるという、共通の特徴を持つNMAXとPCX。乗り降りの際にはちょっと邪魔になるのだが、この中にはフレームが通っていて車体の剛性をアップしている。自転車で言えばママチャリとスポーツサイクルと同様で、フルフラットフロアのスクーターよりも車体剛性が高めで、よりスポーティーな走りが実現できたり、高負荷のかかる2人乗りが快適だったりする。
NMAXとPCXを走らせてみると、たしかに2台とも積極的にスロットルを開けていくようなスポーティーな走りが楽しめる。利便性を優先したフラットフロアの125ccスクーターだと、走りを楽しもうとしても不安を感じるような場面もあるが、さすがは2台ともそのあたりも含めて作り込まれているだけはある。
両者とも不満のない走行性能を有しているわけだが、その上で乗り比べて面白かったのは旋回性の違いだ。おそらく25mm短いホイールベースや、1インチ大きいフロントホイール径の違いなどによるものと思われるが、PCXの方が明らかに小まわりが効く。これが渋滞路などを走る際にとても便利。さすがにジョグ125の10インチホイールのような圧倒的な小回り性ではないにせよ、NMAXと比べると渋滞路の走りやすさは上だと感じた。
キビキビと車線変更できるような小気味良いハンドリングがPCXの特徴。
なんてことを書いてしまうとNMAXの立つ瀬がなくなってしまいそうだが、こちらの美点は巡航走行時の安定性にある。速度が上がってくるとNMAXの方が車体の安心感が高いため、長時間走り続けるような場合だと明確にNMAXの方が疲れにくいだろう。
低速から高速まで、しっかりとした安定感が感じられる走りが特徴のNMAX。
ブレーキシステムが前後ディスクなのはNMAX同様だが、PCXはフロント側のみABSを搭載。リヤブレーキは意識的なロックも可能なため、ブレーキターンさせて遊ぶこともできる?!
2台の大きな差はフロントホイールの大きさ。右のNMAXが13インチなのに対し、左のPCXは14インチと1インチ大きい。またホイールベースはNMAXが1340mm、PCXは1315mmでその差は25mm。
タンデム性能
意外と大きな差が出たのがタンデム性能だ。これは結論から言ってしまうとNMAXの勝利だった。まずはライダー(運転者)としての印象から。巡航走行での安定感はタンデム走行時にもしっかりと感じられ、巡航走行/低速走行/Uターンとあらゆる場面で安心感がある。加えてNMAXのリヤショックにはプリロード調整機構も備わっており、しっかりタンデム走行の快適性を考慮しているのが分かる。
車体の高い安定性がタンデム走行でも効果を発揮するNMAX。
一方のPCXはというと、タンデマーが跨った時点でリヤ荷重が強まり、フロント荷重がやや抜け気味になるのを感じる。走り出しても印象は変わらず、NMAXと比較するとフロントタイヤの接地感がやや足りない感じを受ける。リヤショックにプリロード調整機能があれば強めたいところだが、残念ながらPCXにその機能はない。
NMAXと比較すると、タンデム走行ではややフロント荷重が抜け気味に感じるPCX。
タンデマーとしてリヤシートに座った時の印象もほぼ同じだ。PCXは座面がやや後下がりな印象があり、ちょっと下腹に力を入れて堪えたくなるため、2人乗りはタンデマーもちょっと疲れそうな感じがある。一方のNMAXにそうした印象はなく、タンデマーにも快適さがあって、2人乗りでのツーリングにも使いやすそうだ。
グラブバーもNMAXはいわゆるバー形状で握りやすいが、PCXは裏側にくぼみを設けた板状で、デザイン性には優れるもののやや力を入れにくい場面も。位置関係は2車とも良好だった。[ライダー身長173cm.70kg/タンデマー身長172cm/体重75kg]
取り回し
スペック上での最小回転半径は、NMAXが2.0mでPCXが1.9m。実際に取り回してみた印象も数値同様で、PCXの方が小回りが効く。また車重に関してはNMAX132kg/PCX133kgと、その差は1kgしかないのだが、取り回してみるとNMAXは重心が高めなのかやや手応え感があり、PCXの方がサイドスタンドからの引き起こしや、押し引きする際なども全般的に軽く感じられる。
NMAX:最小回転半径2.0m/車両重量132kg
PCX:最小回転半径1.9m/車両重量133kg
センタースタンドがけに関しての印象は、ほぼ変わらずといったところだが、PCXの方が若干センタースタンドを踏み込んでからが軽く感じた。違いが出たのはむしろセンタースタンドから下ろすときで、車体が大柄なNMAXの方がやや気を使う。
ユーティリティスペース
スクーターの利便性を大きく左右するシート下スペースは、NMAXの23Lに対してPCXは30Lを確保。ヘルメットを1つ収納可能なのはNMAXもPCXも一緒だが、プラスαの収納力という意味ではPCXに軍配が上がる。また、ラケットのような長尺モノを収納する際にも便利そうだ。
NMAX:シート下容量23L
NMAXのシート下スペースは、ヘルメット(写真はアライVZ-Ram)を裏返して収納するタイプ。シートヒンジ部にはヘルメット2個を吊り下げられるフックがある。ちなみにこのフック、カエシがあって使用時に安心感がある。
PCX:シート下容量30L
PCXはヘルメット1個+αの容量があり、収納力にはかなり余裕あり。シート裏側にはヘルメットへのキズ付きを防ぐパッドが備わる心遣いも。NMAX同様にヘルメット2個を吊り下げられるフックも装備。
特徴的だったのは、シートヒンジ部の構造の違い。両車とも一定の位置で固定できるスプリングを内蔵しているのは変わりないのだが、PCXはこれを2段階としたうえ、大きな荷物が出し入れしやすいよう、ハンドルに接触するまでシートが跳ね上げられるのだ。このあたりの使い勝手は約15年かけて熟成を重ねてきたPCXに一日の長がある。
ハンドルまわり/メーター
両車ともハンドルカバー付きの構造で、全幅の数値も両車740mmで変わらず。スクリーンの防風性に関しては、デザイン的に角度の立っているNMAXの方が速度を上げたときの効果が高く感じた。
ちなみに両車ともUSB-Cタイプの充電ソケットを備えるが、これをNMAXはオープンタイプのグローブボックス内に、PCXはリッド付きグローブボックスの中に配している。スマホをハンドル周辺にマウントし、給電しつつ使うなら前者の方が都合がいいが、そうでなければ大事なスマホはフタ付きのボックス内で充電する方が安心感は高い。ここは好みの分かれる部分だろう。
NMAX
NMAXは中央にメインスイッチを配し、左側にオープンタイプ、右側にリッド付きのグローブボックスをそれぞれ配置。
NMAXメーター表示項目:燃料計(残量約1.7Lで点滅)/電話などアプリ通知/時刻/Yamaha Motorcycle Connectアイコン/スマートフォンバッテリー残量/燃費計/VVA ON/OFF/速度/オド/トリップ×2/フューエルトリップ/オイルトリップ&交換表示/Vベルトトリップ&交換表示/瞬間燃費/平均燃費/バッテリー電圧/トラクションコントロールON/OFF
PCX
PCXは右側にメインスイッチを配し、左側にリッド付きのグローブボックスをひとつ備える。歴代PCXの特徴だったメッキのパイプ型ハンドルは、この2025年式からカバードタイプに変更された。
PCXメーター表示項目:燃料計(残量約1.16Lで点滅)/時計/燃費計/速度/オド/トリップ/オイルト交換表示/平均燃費/トラクションコントロールON/OFF。表示切り替えはメーター下部のボタンで行う。
ヘッドライト/テールライト
NMAXの灯火類はナンバー灯のみバルブ式で、その他はLEDを採用。2016年に登場した際はやや丸みを帯びたデザインだったが、2025年にスタイリングを刷新、エッジを効かした現在のデザインへと進化し、ヘッドライトやテールライトもよりスポーティーなデザインに。
一方のPCXは2014年のフルモデルチェンジ以来、ヘッドライトからナンバー灯に至るまでフルLED化されている。NMAX同様に2025年に外観を一新するモデルチェンジを行っており、ヘッドライトやテールライトもデザインを一新、とくにヘッドライトは以前よりもスッキリとした印象となっている。
NMAX
PCX
その他の装備など
両車ともスマートキーを標準装備しており、ともに駐輪場などで愛車を見つける時に便利なアンサーバック機能も搭載。NMAXはメインスイッチをオンにしたまま車両から離れたり、3分間放置すると約1分間ブザーが鳴る放置警告機能も搭載されている。
また、NMAXはスマートフォンとの連携機能も搭載しており、専用アプリのYamaha Motorcycle Connect(Y-Connect)をダウンロードしたスマホをBluetooth接続し、走行データやサービスデータの確認が行えるほか、走行中に電話やメールなどを受信するとメーター上のアイコンで知らせてくれる。
PCXも海外にはスマホ連携機能のHonda Roadsyncを搭載する仕様(メーターも5インチのカラー液晶となる)が設定されており、国内にも導入を望みたいところだ。
フューエルリッドの位置は両車ともセンタートンネルの中央部で、スイッチによる解錠が可能。またフューエルリッドの内側にはタンクのフタを置いておけるスペースがあるのも一緒だが、機能的で使いやすいのはPCXの方だった。
〈まとめ〉高速クルージングのNMAXか? 街中に強いPCXか?
今回、NMAXとPCXを比較試乗して、同じ125ccクラスのスポーツスクーターと言ってもキャラクターは異なっており、それぞれのコンセプトをしっかり感じることができた。
ヤマハのNMAXは、125ccスポーツスクーターの中でもクルージングやタンデム走行が得意。とくにびっくりしたのはVVA搭載のエンジンで、高回転時やスロットルをワイドオープンした際にはバルブタイミングが変わり、高速側の伸びが良くなるようになっている。
車体もそんなエンジンに合わせて、高速巡航や高負荷なタンデム走行に適したやや剛性が高めのキャラクターに作り込まれているのが特徴的。足としてはもちろん、休日に遠出をしたり、パートナーと出かけたりするのにも便利なのがNMAXだと感じた。
ホンダのPCXで感じたのは、街乗りでの利便性をとにかく追求したかのような走行性能と、登場から約15年、3回ものフルモデルチェンジを行って進化させてきたユーティリティ面の熟成具合だ。
同じ125ccスポーツスクーターといっても、NMAXと走り比べると渋滞路での機動性が高いのはPCXの方だし、シートの開閉システムやラゲッジスペースの使い勝手などもより高い次元でまとめ上げられている。
思いのほかキャラクターの違いが明確になったNMAXとPCXの比較検証。街乗り/クルージング/タンデム走行などなど、できることは一緒であるものの、NMAXはクルージングやタンデム走行などの速度域が高かったり、高負荷がかかるような用途に向いていることが分かった。逆にPCXは軽快な車体と発進加速の良さで、混雑した道路環境やストップ&ゴーが多い街中が得意なのだ。
排気量も一緒だし、ジャンルも一緒なのだが、似ているようで乗ってみればキャラクターがまったく違う。125ccスクーター選びの際はぜひぜひこのあたりを参考に、自分にぴったり合う1台を見つけてほしい!
並べてみるとデザインの方向性もまったく違うことが分かる。左のNMAXがヨーロピアンスタイルの縦へ伸びるような腰高なデザインなのに対し、PCXはどちらかというと平べったく、フロントマスクも面長。
車両解説・ヤマハNMAX
MAXシリーズの末弟であるNMAXが登場したのは2016年。燃費性能の高いBLUE COREエンジンを搭載しているものの、VVAの搭載により“走りの楽しさ”を追求しているところはやはりMAXシリーズ。2021年には大きなモデルチェンジを行い、アイドリングストップ機構やトラクションコントロール、スマホ連携機能などを搭載。
最新となる2025年モデルはエッジの効いたスタイリングへと進化。同時に車体とエンジンの熟成を図っており、エンジンには油圧式カムチェーンテンショナーを採用。フロントサスペンションのリセッティングに加え、ストロークを5mm延長したリヤサスペンションや新デザインのLCDメーターなどを採用し、大幅に商品性を高めている。
車両解説・ホンダPCX
2010年にクラス初のアイドリングストップシステムを搭載して登場したPCX。この15年間で3回ものフルモデルチェンジを行い、その都度フレームまで刷新してきた。常に時代を先取りする先進装備が搭載されることも慣例で、2014年のフルモデルチェンジではフルLED化、2回目のフルモデルチェンジとなった2018年にはスマートキーシステムに加え、ハイブリッド仕様や電動モデルも登場している。
3回目となる2020年のフルモデルチェンジでは、4バルブエンジンやトラクションコントロールシステムをゲットし、最新装備といえばPCXというイメージを作り上げている。2025年モデルはホンダの言うところのマイナーモデルチェンジで、車体やエンジンの基本は踏襲しつつ外観を一新している。
HONDA PCX:37万9500円
比較諸元表
ヤマハNMAX | ホンダPCX | |
全長 | 1935mm | 1935mm |
全幅 | 740mm | 740mm |
全高 | 1200mm | 1125mm |
ホイールベース | 1340mm | 1315mm |
キャスター/トレール | 26度/98mm | 26度30′/79mm |
シート高 | 770mm | 764mm |
車両重量 | 132kg | 133kg |
エンジン形式 | 水冷 SOHC4バルブ単気筒(VVA) | 水冷 SOHC4バルブ単気筒 |
排気量 | 124cc | 124cc |
ボア✕ストローク | 52.0mm✕58.7mm | 53.5mm✕55.5mm |
圧縮比 | 11.2 | 11.5 |
最高出力 | 12ps/8000rpm | 12.5ps/8750rpm |
最大トルク | 1.1kg-m/6000rpm | 1.2kg-m/6500rpm |
WMTC燃費 | 49.1km/L(1名乗車時) | 47.7km/L(1名乗車時) |
変速機 | Vベルト式無段変速 | Vベルト式無段変速 |
タンク容量 | 7.1L | 8.1L |
ブレーキ形式 | ディスク/ディスク(前後独立ABS) | ディスク/ディスク(フロントABS) |
タイヤ前 | 110/70-13 | 110/70-14 |
タイヤ後 | 130/70-13 | 130/70-13 |
価格 | 38万9400円 | 37万9500円 |
装備比較表
ヤマハNMAX | ホンダPCX | |
LEDヘッドライト | ◯ | ◯ |
LEDテールライト | ◯ | ◯ |
LEDウインカー | ◯ | ◯ |
メーター | モノクロ液晶 | モノクロ液晶 |
シート下容量 | 23L | 30L |
アイドリングストップ | ◯ | ◯ |
充電ソケット | ◯(USB-C) | ◯(USB-C) |
スマホ連携 | ◯ | ー |
トラクションコントロール | ◯ | ◯ |
スマートキー | ◯ | ◯ |
車体色 | 4色(マット紫/マット濃灰/白/灰) | 4色(マット青/灰/白/黒) |
【TESTER:谷田貝 洋暁】『初心者向けバイク雑誌の編集長を経てフリーランス化したライターで、2輪各媒体に寄稿した試乗記事は1500稿を数える。無理/無茶/無謀の3ない運動を信条としており、「読者はソコが知りたい!」をキラーワードに、際どい企画をYM編集部に迫る。ちなみに写真のポーズはNMAXの“N”で、ゴージャスアイリンのマネではない。
※本記事はYAMAHA [Y’S GEAR]が提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。