「SurLuster Garage Talk with Motorcycle Lovers」 Vol.1 Bagus!motorcycle代表・土屋雅史さん

  • 2022/08/30
  • 【BRAND POST】シュアラスター

●BRAND POST提供:シュアラスター

白い扉の玄関口にはヤシなどの観葉植物が植えられ、バイクショップ、それもカスタムを専門とするショップというよりもサーフショップのような門構え。店内に入ると、壁や床には柔らかいぬくもりを漂わせるウッドパネルが貼られ、敷き詰められている。そして、入り口横にはレーシングスーツと並んでサーフボードが。

カワサキ・ゼファーのカスタムで名を馳せ、筑波サーキットで春と秋の年に2回行われるイベントレースの「テイスト・オブ・ツクバ(通称・TOT)」に自らチューニングしたゼファー750で長年参戦もしている代表の土屋雅史さん率いる「Bagus! motorcycle(バグース!・モーターサイクル=以下バグース!)」は、カスタム/チューニングショップにありがちな油っぽい空気感は皆無。

とはいえ、入口右手には美しくペイントされたカスタム・ゼファーが並び、さらにその右手には作業用のリフトが2基。さらには、シャーシダイナモが設置された部屋もある。

入り口から奥に広がるウッディな空間とは対照的なメカニカルなゾーン。そんな異なるふたつの空間が広がる、ちょっと不思議なショップがバグース!なのである。

中でバイクのカスタム作業が行われているとは思えない外観のバグース! 観葉植物が生い茂り、木彫りのショップロゴの看板が据えられている。バグースとは、インドネシア語で「最高」という意味で、土屋さんがサーフィンをしに訪れたバリ島でみんなが「バグース!」と言い合っているのを聞き、将来、店を持つならバグースにしようと思ったそうだ。

数年前からの旧車ブームに、コロナ禍でバイクに乗る人が増えたことが加わって、いまゼファー(400、750、1100の3兄弟)は品薄で、価格も高騰を続けている。ゼファーの中古車を扱う「ソイル・マジック」という車両販売店も経営する土屋さんは、「ゼファーの値段を上げたのはバグース!だと言われています」と言って笑うが、車両価格がいくら高騰しようがここのところのゼファー人気は一向に衰えることはないという。

90年代、まだゼファーが新車で売られている頃からゼファーが好きで、自分でも乗り、そして「いつかZのような存在になるに違いない」と思っていたという土屋さん。飄々とした風情だが、ビジネスに対する鋭い嗅覚も合わせ持っているようだ。

「商売のほうはいま絶好調で、手狭になったこともあってお店の移転を考えています。カフェとショールームを併設して、M&Aで取得した板金工場も一緒にして、作業の効率化も図りたいと思っています」

時代の流れをいち早くつかみ、いまノリにノッているという感じの土屋さんに試していただいたのはシュアラスターの原点ともいえる固形ワックスのなかでも最高峰である「マスターワークス」。固形ワックスの原料として有名な「カルナバ蝋」を通常よりも丹念に精製した、化粧品にも使用されることから「コスメティックグレード」と呼ばれる最高品質のカルナバ蝋を使用している。

コロナ禍で生活環境が変化し、「ワーク・ライフ・バランス」を重視して自分のための時間を大切にする人が増えているいま。愛車に丹念にワックスを塗って、さらに丁寧に磨いて、得も言われぬ深い艶が生まれるのを楽しむ人も増加している。

宝石のように美しく仕上げられるゼファーを生み出す土屋さんは、マスターワークスをどう感じるだろうか。

店内に入ると、間接照明に照らされるウッドパネルの壁と床が目に飛び込んでくる。ズラリと並ぶカスタム・ゼファーがなければ、カスタムショップだとは思わないかも。

自宅にあったヤマハのスクーターがバイクの原体験

土屋さんとバイクとの出合いは自宅にあったお姉さんが乗っていたヤマハ・ジョグ。「ちょっと乗らせてもらったら、とにかく面白かったですね」と、バイクの楽しさに目覚め、16歳の誕生日に普通二輪免許を取得。ホンダ・NS250Fで土屋さんのバイクライフが始まった。

その頃、友人が乗っていたゼファーが気になるようになり、現在はTOTのレース仕様になっている中古のゼファー750を8万円で購入して乗り始めた。

「90年代は、まだカウルが付いたレプリカが全盛期で、そんなときにカワサキがリリースしたゼファーは男らしい感じがしてカッコよかったんです。ボクらより上の世代はカワサキといえばZですけど、ゼファーが同時代的にあったボクはZじゃなくてゼファー。その頃から、いずれはゼファーがZに代わる存在になるんじゃないかと思っていました」

18歳のときに旧車専門店で働き始めて、2年ほどして現在、ストライカーブランドでマフラーやビレットパーツの製造・販売を行う「カラーズ・インターナショナル」の代表である新さんが店長を務めていたカスタムショップの「メガカスタム」に入社。そこで働きながら、いまにつながるカスタムの仕事に習熟していった。

その後、メガカスタムが閉店して、ストライカーのパーツの取付を行う「ストライカーシステム横浜」に勤務することになり、入社後3年目から店長を9年間務めた後に独立してバグース!を開業。2010年7月のことだ。

その頃、自分でカスタムしたゼファー750で筑波サーキットを走るようになった土屋さんは、「ツクバで1分10秒切ったらTOTに出る」と周囲に話しているうちに9秒台に入って、TOTのレースに出ることになった。

その昔に8万円で購入したゼファー750で、いまもTOTに参戦する土屋さん。虹色に輝く「バグース!管」ことフルチタンマフラーが印象的なマシンだ

「レースになると、ゼファーは圧倒的に不利なんです。でも、そんな不利なバイクで出たらカッコいいじゃないですか。それと、ゼファーはほかのカワサキ車と同じでイジればイジるほど良くなるんです。だから、もっと良くするため、使いやすくするためにいろいろなパーツを作るようになりました」

バグース!のウェブサイトにある「オリジナルパーツ」のページを見ると、イギリスの有名メーカーに依頼して製造してもらっているオリジナルのピストンキットや強化クラッチキット、スイングアームといった大物パーツから、クラッチ操作を軽くするクラッチアームという小さなパーツまで、じつにさまざまなパーツが掲載されている。

土屋さんが指差しているのがクラッチアームで、わずか数cmの小さなパーツだが、クラッチの操作力が激減するそうだ。この土屋さんが乗るゼファーレーサーは、まるでオリジナルパーツの実験室のように様々なパーツが取付けられていた。

土屋さん自身がゼファーを愛し、ずっと乗り続け、レースに参戦するほどに使い倒しているからこそ生まれてきたパーツばかりだ。だからこそ、世のゼファー乗りはバグース!に引き寄せられるのだろう。

ディスクローターやキャブレター、トリプルツリーなど、バグースオリジナルパーツが店内に展示されていたが、これはほんの一部で、さまざまなパーツがバグース!のウェブサイトには掲載されている

お客さんの宝物を触るのだから、道具にはとことんこだわります

前述のように、ただいま人気沸騰中で、200万円~300万円を超えるプライスタグが付くのが普通になっているゼファーに、さらに100万、200万という費用をかけて自分だけのゼファーを作りたいというお客さんのリクエストに応えているバグース!。

「お客さんの宝物を扱っているのですから、取扱いには当然、とても気を使っています。ネジをなめちゃだめだし、キズも付けられない。だから、工具は精度の高いものしか使用しません。シャーシダイナモも、エンジンやキャブレターをチューンした結果がデータで出るようにと、バグース!を立ち上げたときに導入しました。創業当初だったので、金額的にキツかったですが、結果がはっきり分からないと意味ないですからね」

カスタムの仕上げをするときも、メンテナンスをするときも、土屋さんはバイクを徹底的に磨き上がる。

「細かいところまでしっかりと磨きながら、傷はないか、オイル漏れはないか実際に自分の目で確認します。汚れたままシャーシダイナモに乗せると、オイル漏れがもしあっても今漏れたのか、前からあったオイル染みなのか分かりませんからね」

そんな土屋さんのワックス初体験は、3000円のアルバイト代に釣られて行っていた中学生の頃のお父さんのクルマのワックスがけ。

「最初はなかなかうまくかけられなくて、これは1500円しかやれないなと言われて、またかけ直したりしていました。そのうち、友達を呼んで一緒に楽しみながらワックスがけをしたりしましたね」

以前、ミニクーパーに乗っていたときは固形ワックスを使用していたが、ここ最近はスプレータイプのワックスやコーティング剤を使用することが増えていた。

「ずっと固形ワックスを使っているお客さんが言っていたんですが、ワックスを愛車に塗るという動作自体が楽しく、それで満足感が得られると。確かに、シューッとスプレーして、さっと拭き上げるより、ワックスを車体やフレームに塗り、それを広げて、さらに丁寧に拭き上げるということで、愛車に触れる時間も増えますね。さっき言った、磨き上げながらキズやオイル染みを発見するにも、ゆっくり時間をかけたほうが見つかる確率は高くなります」

カルナバ蝋が原材料の固形ワックス独特の匂いも、バイク好き、乗り物好きにはたまらない感じだと土屋さん。

「ワックスの缶を開けたときにする独特の香りも、さあやるぞという気にさせてくれますし、スプレー式に比べると固形ワックスは手間もかかりますが、それがキレイにしてやったぜ! という満足感を生んでくれるのだと思います」

スポンジに取ったワックスを施工面に均一に塗り広げる。

塗り広げたワックスを「ワックス拭き取りクロス」で、しっかり拭き上げる。

仕上げは「鏡面仕上げクロス」で。輝きと同時に深い艶が生まれる

固形ワックスをかけたあとの深い艶、輝き方も一味違うと言う。

「何十年も前のバイクの塗装面にマスターワークスを使ってみましたが、驚くほどキレイになって輝いてくれるんです。半面、キレイになりすぎて、小傷が目立ったりもしちゃうんですけど、まあそれもそのバイクの持つ歴史を感じさせてくれますよね」

これからも、自分の愛車や、カスタムなどで預かり期間の長いバイクにはできるだけ固形ワックスを使用したいと土屋さん。時間をかけて丹念に作業できるときが、固形ワックスの出番で、魅力や楽しさがしっかり味わえるのかもしれない。

バイクを眺めながらコーヒーやお酒を楽しめるお店が理想

前述のように、バグース!は移転を計画中だ。場所はすでに決まっていて、横浜市の青葉区に来年1月のオープンを予定しているという。

「前からカフェを併設したショップをやりたかったんです。ショールームに並んだバイクを眺めながらコーヒーやお酒を楽しめるお店。バイク好きの人がバイクのことを語り合ってくれてもいいし、バイクを知らない人がショールームのバイクを見て、バイクのことを知って好きになるきっかけになってくれたらいいなと。バイクの世界への入り口になるようなカフェにしたいですね」

その新拠点には、いまは別々の場所で営業しているカワサキ車のカスタム専門店のバグース!と、ゼファー専門販売店のソイル・マジック、オリジナルパーツの製造を行う板金工場の3つが同じ敷地内に集約されることになる。そして、入口にはバイクとの出合いを生むカフェとショールーム。

「いま、毎日、新拠点のイメージ固めをしています。完成したら、いままでウチとは接点のなかった方にもぜひ来ていただきたいですね」

そのときは、ショールームに並ぶ土屋さんやスタッフが丹念に磨き込んだカスタム車が放つ輝きも楽しんでいただきたいものだ。

Text/Nom Photo/Shigeru Tokunaga

インタビューの模様はこちら

記事で使用したアイテム

取材協力:Bagus! motorcycle

神奈川県横浜市都筑区早淵1-25-28 B棟
電話:045-54-9246
営業時間:10:00~19:00(完全予約制)
定休日:水曜日
http://bagus-mc.jp/

※本記事はシュアラスターが提供したものであり、著作上の権利および文責は提供元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。

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