
2025年7月はヘルメット界の雄、アライから2つの意欲作が登場。この夏のライディングを鮮やかに彩ってくれるグラフィックと、”変身”ギミックがそれぞれ魅力的だ。
●文:ヤングマシン編集部
7月中旬発売:Arai「ASTRO-GX BEYOND」
アライヘルメットの街乗りからツーリング、サーキット走行まで幅広くカバーするオールラウンドフルフェイスヘルメット「ASTRO-GX(アストロGX)」。その新グラフィックモデル「BEYOND(ビヨンド)」が登場した。価格は7万400円だ。
「アストロGX」は、頭を護るプロテクション機能を堅持しながらも、被り間口を拡大するなどして着脱しやすい設計としたフルフェイスヘルメット。剛性を高める「ハイパーリブ」や、衝撃をかわしやすい滑らかなフォルム、そしてシールド位置の最適化を可能にする「VASシールドシステム」といったアライ独自の技術が惜しみなく投入されている。
快適性も徹底的に追求されており、前頭部のロゴマークにはアライ初となるベンチレーションシステムを搭載。2つの吸気孔径10mmの穴により、時速50km/h走行時には従来モデルから約40%もの吸気量を増加させることに成功している。
さらに、2つのシンプルなGフローダクトも設けられており、いずれも開閉が可能だ。ヘルメット後方には、ツーリングに最適化された「GTスポイラー」を配置。これにより高速域での頭部の安定性とエアロダイナミクスが向上し、エアアウトレットを兼ねる構造として頭部の熱気を負圧で効率的に排出する機能も備えている。万が一の転倒時には衝撃で外れる設計なので、安全性にも抜かりはない。
このほかにも、新設計のマウスシャッターやIPディフレクター、固定式エアロフラップなどが採用され、機能面も充実している。サイズは54cmから61-62cmまで幅広く展開し、SNELL/JIS規格に適合。
内装は抗菌・消臭・防汚機能を持つ「ハイフィッティング・アジャスタブルFCS内装」で、オプションによる調整も可能だ。アストロGXは高い安全性だけでなく、ツーリングにおける利便性や快適性も高められ、ロングツーリングや街乗りでも無理なく使えるように工夫された、まさにオールラウンドなヘルメットだ。
新しいグラフィックの『ビヨンド』は、「ビヨンド・ザ・タイム(時を超えて)」をテーマとし、バイクのスピード感や風を切る感覚をモチーフにした直線基調のデザインが特徴だ。
カラーリングは落ち着きのある赤、白、緑の3色展開となり、ネオクラシックからスーパースポーツまで、車種を問わず幅広いバイクに似合うデザインだ。
ビヨンド・ザ・タイム(時を超えて) 「かわす性能」でライダーの頭を護り続けるアライヘルメットが、オールラウンドフルフェイス「アストロGX」の新グラフィックモデル「アストロGXビヨンド」を発売する。 ア[…]
7月下旬発売:Arai 「TX-STRADA」
アライヘルメットから、「TOUR-CROSS V(ツアークロス・ファイブ)」をベースとしたオンロード用フルフェイス「TX-STRADA(ティーエックス ストラーダ)」が登場。価格は6万4900円だ。
ベースとなったツアークロス・ファイブは、2023年6月に発売されたマルチパーパスヘルメットで、高速走行時の空気抵抗を軽減するバイザーが大きな特徴となっていた。
今回登場したティーエックス ストラーダは、このバイザーを取り去り、よりシンプルなオンロードフルフェイスのフォルムを実現。ツアークロスV由来のフェイスガードが前方に張り出した形状はそのまま維持されており、ハードライディング時でも呼吸がしやすいという特性は健在だ。
このモデルのもっともユニークな点は、バイザーとシールドを工具を使うことなく簡単に着脱できることである。これにより、バイザー(4070円〜)、バイザーワッシャー(814円)、ホルダー(1386円)を購入すれば、ツアークロスVに”変身”させることが可能だ。
もちろん、すでにツアークロスVを所有している場合でも、「TX-V2ホルダー」(1760円)を装着することでTX-STRADAに変身可能と、既存ユーザーへの配慮も行き届いている。
帽体形状はツアークロスVの高性能をそのまま受け継いでおり、高速安定性と快適性を両立させている。長距離走行でも疲労しにくく、集中力を維持しやすい設計だ。新設計の「TX-V2ホルダー」は、アライヘルメット独自の「かわす性能」との相乗効果を高め、空力特性と静粛性をさらに向上させている。
シールドは広い視野を確保した新設計の「マックス・ビジョンシールド」を採用。防曇効果の高いピンロックシート(3300円)を全面に装着できる。シールドのメンテナンスも手軽に行え、とくに虫の死骸が付着しやすいこれからの季節にはありがたい機能だ。
帽体には、最高峰フルフェイス「RX-7X」と同じ素材である「PB-cLc2」を採用した「VAS-Aシールドシステム」を搭載し、優れた防護性能を発揮する。内装には、側頭部の厚み調整が可能な「TX-V EPシステム内装」が組み込まれており、フィット感の調整も可能だ。
さらに、インカムを装着しやすい帽体形状やネックパッド、スピーカーホールも採用され、ツーリングの利便性と快適性も高められている。
カラーバリエーションは、グラスホワイト、レッド、ダークネイビー、フラットブラック、グラスブラックのソリッド5色展開。とくにレッドは、エアダクトやホルダーがブラックで、独特のツートーン仕様となっている。
機能豊富なマルチパーパスフルフェイスのシールドを外した、さらに身軽なフォルム 『TOUR-CROSS V』は、アライヘルメットが'23年6月に発売したマルチパーパスヘルメットだ。高速走行時の空気抵抗を[…]
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