
2025年の夏も、全国的に平年よりも気温が高くなる猛暑となる見込みです。とくに、7月と9月は全国的に平年より高い気温が予想され、残暑も厳しくなりそうです。それすなわち、バイクにとっても過酷な夏が来るということ。ライダーのみなさん! ここでオイル交換のタイミングを考えてみようではありませんか。いつオイル交換をする? 今でしょ!(←古い)
●文:ヤングマシン編集部(DIY道楽テツ)
エンジンオイルにとって過酷な時期
オイル交換のタイミングって、地味に悩みますよね。「走行距離3000km~5000kmで交換が目安」とか「半年ごとに交換を!」なんて、よく聞くけれど、あくまでそれは“目安”でしかありません。
バイクに乗るシチュエーションも、場所も、乗り方も人それぞれ千差万別。はたして本当に愛車のエンジン守れているのか不安になっちゃいますよね。
オイルにとってもっとも過酷な“時期”というものがあります。それは・・・冬。そして、夏。冬の厳しい冷え込みでは、エンジンオイルは硬くなりがち。エンジン始動直後は粘度が上がりすぎて潤滑しにくくなっていて、エンジン内部の油膜が形成されにくく、金属同士が直接接触してしまう危険があります。
そして、夏。気温30℃超えの炎天下。渋滞で止まっては走る、過酷な“街乗り”。意外かもしれませんが、じつは、サーキットでの全開走行よりも、信号待ちと渋滞の繰り返しの“街乗り”こそが、オイルには地獄なんです。なんたって風が当たらないので冷却が追い付かないですからね。
とくに最近のマシンは、排ガス規制対応で極限まで燃料を絞った“ギリギリ空燃比”なので、燃焼としては理想なのですがそのぶん燃焼温度が高く、オイルにかかる熱負担は相当なもの。梅雨が明けてこれからの時期はまさに、エンジンにとっては過酷なシーズン突入なのです。
前or後? いつオイル交換をするか
肝心のエンジンオイル交換のタイミングですが、「傷んだから交換する」「これから傷むから先に交換する」。じつはどちらも正解。でも、個人的には後者の“備えの交換”を推したい。過酷なシーズンに突入する前に、あらかじめコンディションの良いオイルに換えておく。そのひと手間がエンジンの寿命を左右する、そう言っても過言じゃないはずです。
たとえ距離を走っていなかったとしても、エンジン内部のオイルは確実に劣化していきます。劣化すれば、当然本来の性能を発揮できません。ただでさえ過酷なシーズンに突入するというのに、劣化したオイルではエンジンにとって良い訳がない。
だって、油膜が切れたら…それはエンジンにとって「死」を意味しますからね。だからこそ、これから戦い抜くエンジンを、ちゃんと守ってやりじゃあないですかっ!
油膜が切れたエンジン内部は深刻なダメージを受ける
適切なオイル交換で良きバイクライフを
理想を言えば、夏を乗り越えて疲れ切ったオイルは、冬を迎える前にもう一度交換したい。そして、逆もまたしかり。そう考えると、日本のように四季がハッキリしている国では、年2回の交換が現実的な最適解なのかもしれません。
オイル交換は、単なるメンテナンスではなく、未来のエンジン寿命への投資。「距離だけじゃない」「月数だけでもない」気温と使用状況にあったオイル交換で良きバイクライフをお送りください!
この記事が皆様の参考になれば幸いです。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました~!
私のYouTubeチャンネルのほうでは、「バイクを元気にしたい!」というコンセプトのもと、3日に1本ペースでバイクいじりの動画を投稿しております。よかったら遊びにきてくださいね~!★メインチャンネルはコチラ→「DIY道楽」 ☆サブチャンネルもよろしく→「のまてつ父ちゃんの日常」
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
論より証拠! 試して実感その効果!! クルマのボディケア用品の名門として語られることが多いシュアラスターですが、同社の本質は“洗車関係”にとどまりません。じつは、燃料がどう燃え、エンジンがどんな性格を[…]
スクリーンの透明感を取り戻す「ゼロリバイブ」 フルカウルのスポーツバイクやロングツーリング向きのアドベンチャーバイクなどに装着されているスクリーン。長く乗っていると、風雨にさらされて汚れたり、バイクカ[…]
自分だけのパーツ作成に役立つ彫刻機 愛車やガレージのカスタムにはワンポイントでも世界にひとつだけのパーツやあしらいがほしいもの。とはいえ、こだわればこだわるほどプロ級のツールが必要不可欠となる。 そこ[…]
Amazonランキング1位! カエディア USBチャージャー「KDR-M3C」を選択 携帯電話所有者のスマートフォン比率が2024年現在で97%というデータがあるなど、もはや日常生活に切っても切り離せ[…]
主流のワンウェイタイプ作業失敗時の課題 結束バンドには、繰り返し使える「リピートタイ」も存在するが、市場では一度締め込むと外すことができない「ワンウェイ(使い捨て)」タイプが主流だ。ワンウェイタイプは[…]
最新の関連記事(工具)
未塗装樹脂の白ボケ原因とツヤを復活させる方法 黒かったものが白っぽくなってくると古臭く見えてしまいます。…いいえ、「白髪」ではなくて「黒樹脂(未塗装樹脂)パーツ」のオハナシです。 新車の頃は真っ黒だっ[…]
点火トラブルって多いよね 昔から「良い混合気」「良い圧縮」「良い火花」の三大要素が調子の良いエンジンの条件として言われておりますが、それはそのまま調子が悪くなったバイクのチェック項目でもあります。その[…]
高い耐久性、IP65防水性能がライダーのギアを守る ミルウォーキーツールが誇るツールボックス、PACKOUTシリーズの最大の特長は、その「高い耐久性・防水性・防塵性」を備えているという点。ガレージや作[…]
入れないとどうなる?フロントフォークのオイル はいどうも、みなさんこんにちは。本日は愛車DT50のフロントフォーク定期メンテナンスをやっております。 トップのキャップボルトを外してカラーを取り出して、[…]
「特殊ボルト」で困ったこと、ありませんか? 今回は「でかい六角穴のボルト」を特殊工具なしで外してみようというお話。 バイクを整備していると時々変なボルトに出会うことがあります。今回は古い原付オフロード[…]
人気記事ランキング(全体)
「マスダンパー」って知ってる? バイクに乗っていると、エンジンや路面から細かい振動がハンドルやステップに伝わってきます。その振動を“重り”の力で抑え込むパーツが、いわゆるマスダンパー(mass dam[…]
トップス&インナー 機能性抜群な冬用パーカー JK-630:1万3000円台~ 伸縮性の高い透湿防水生地を使用したウインターパーカー。保温性に優れた中綿入りなので、暖かさをキープでき、快適なライディン[…]
「特殊ボルト」で困ったこと、ありませんか? 今回は「でかい六角穴のボルト」を特殊工具なしで外してみようというお話。 バイクを整備していると時々変なボルトに出会うことがあります。今回は古い原付オフロード[…]
主流のワンウェイタイプ作業失敗時の課題 結束バンドには、繰り返し使える「リピートタイ」も存在するが、市場では一度締め込むと外すことができない「ワンウェイ(使い捨て)」タイプが主流だ。ワンウェイタイプは[…]
繋がる、見える、タフネス。ライダーが求める基本性能を凝縮 ツーリングにスマホナビは欠かせないが、バイク乗りなら誰もが抱える共通の悩みがある。それは、走行中の激しい振動によるスマホカメラの故障や突然の雨[…]
最新の投稿記事(全体)
論より証拠! 試して実感その効果!! クルマのボディケア用品の名門として語られることが多いシュアラスターですが、同社の本質は“洗車関係”にとどまりません。じつは、燃料がどう燃え、エンジンがどんな性格を[…]
YZF-R7、R1譲りの電子制御を獲得し大幅進化!【海外】 新型YZF-R7が欧州と北米で発表。R1由来の6軸IMUと電子制御スロットル(YCC-T)を新たに採用し、電子制御が劇的な進化を遂げた。バン[…]
電動原付一種バイクながら電動アシスト自転車にも切り替え可能 50ccの原付一種バイクが生産を終え、これまでこのクラスを利用してきたユーザー層が新車に乗り換えるなら、上限125cc以下の新基準原付、もし[…]
輝かしい歴史を持つXT500は、なんと2002年まで生産 そもそもXT500は、1976年にヤマハが初めて作った4ストロークのビッグシングル搭載のトレールバイク。2スト全盛ともいえる時期に、空冷4サイ[…]
フレディ・スペンサーが絶賛! 軽さと「フォーギビング」な安定性を評価 伝説のライダー、フレディ・スペンサーがHSR九州でCB1000Fをガチ走行し、そのインプレッションを語っている。スペンサーは、CB[…]
- 1
- 2
































