![[バイク駐車場問題] グーグルマップ検索で駐車場が出てこない!?【DX推進で将来市場に備えよう】](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/04/ym2404-078-01-parking-issue.jpg)
●文:ヤングマシン編集部(田中淳麿)
表記揺れにより異なる検索結果=ビッグデータとして不十分な状態
バイク本来の利便性を大きく損なう要因となっている「駐車場が足りない/欲しいところにない」という問題。本連載でも、2輪車関連団体/自治体/民間事業者による取り組みなど様々に紹介してきたが、今回は視点を変えて、ビッグデータとDX(デジタルトランスフォーメーション)推進について提言したい。ユーザーに身近な事例として、グーグルマップの検索結果を取り上げる。
少し前置きを。2輪業界は、ロードマップ2030(※)にもあるように「社会との共生実現」を課題のひとつとして捉え、駐車違反件数の半減、2025年の駐車場目標数の達成といったゴールイメージを共有し、施策を進めている。
※二輪車産業政策ロードマップ2030:バイク産業活性化のためバイクラブフォーラム参加メンバーにより策定されたもので、環境変化に応じた4つの政策課題と11項目の実施施策を設定し、2030年までに達成することを目標に取り組んでいる。
しかし、ユーザーがそうした施策をどう実感できているのかという点については、あまり話題にならない。「ユーザーの声が聞こえてこない」という点は、本連載でも指摘してきたように、自治体担当者や駐車場事業者の関心の低さに直結していると考える。ニーズのないものにかまっている暇はなく、行政は駅前や繁華街での放置自転車の対応に、駐車場事業者は4輪駐車場をいかに効率よく運用/活用するかに注力している。
下図を見てほしい。筆者もほぼ毎日使っているアプリ・グーグルマップでバイク駐車場について検索した結果だ。検索ワードのささいな違い(表記揺れ)により、こんなにも検索結果が違ってくる。
とくに一般的な表記だと思われる「オートバイ駐車場」で検索した場合、月極駐車場の1件しか出てこなかった。これは、移動の際にルート検索/ナビ機能でもっとも使われているだろうグーグルマップにおいて、バイクの駐車場が分類されていない=ビッグデータとして扱うには不十分な状態であることを示している。
近年、バイクもコネクテッド化が進んでいるが、スマホを介したデータ連携が主で、バイク自体が高度にIoT化したわけではない。グーグルマップでは、地図に載っていないスポットを自身で手動登録/公開することもできるが、いずれはDX化の流れの中で、AIを活用しながら半自動化して掲載物件の情報/分類精度も高められていくだろう。
ユーザーが日常的に使うアプリ等でバイクの情報がしっかり取り扱われることも、社会と共生するためには重要なファクターとなるはずだ。こうしたアプリやツールから駐車環境を改善していくことも必要ではないだろうか。
Googleマップの検索では、スーパー/百貨店/公共施設のバイク置き場も半分透けた色のマーカーで表示される。たいてい無料だが、施設利用者以外は駐車すべきではない。マナーは大事。
一般社団法人日本二輪車普及安全協会のサイト『全国バイク駐車場・駐輪場案内』で、バイク駐車場・駐輪場が検索できる。最初からこちらで調べれば迷うことはない。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事([連載] 2輪車利用環境改善部会)
[1] 7年目の高校生講習も秩父地域からスタート 埼玉県内を6地域に分けて全8回で開催される「令和7年度 高校生の自動二輪車等の安全運転講習」が2025年も始まった。 第1回目の講習会は、6月15日に[…]
講習内容を検討する“指導検討委員会” が開催 2025年1月29日、埼玉県知事公館において「令和6年度 高校生の自動二輪車等の交通安全講習に係る指導検討委員会」(以降、指導検討委員会)が開催された。本[…]
地域活性化ツーリングを開催、移動課題改善への提言も 2024年9月29日に開催された地域活性化・ライダー誘致イベント“伊豆ライダー誘致ツーリング”。 主催は若年層を中心に構成。バイクやクルマ、特定原付[…]
バイク駐車場の拡充に取り組む千葉市 千葉市内には6区で50の鉄道駅がある。中でも千葉駅は千葉県の中心駅として、JR東日本の在来線6線と京成電鉄、さらに千葉都市モノレールが乗り入れている。 都心や成田空[…]
EVは脱炭素社会実現と移動課題の改善に寄与するか 「バイクラブフォーラムin南国みやざき」で実施されたパネルディスカッション、「電動二輪車利活用による社会課題(脆弱な二次交通)解決」において、次のトー[…]
最新の関連記事(交通/社会問題)
白バイ隊員になるには 白バイに乗るためには、あたり前のことですが大型自動二輪免許の取得が必要です。とはいえ、警察官になる時点で取得していないとダメかといえば、そうではありません。後から取得する手間が減[…]
バイクを取りまく、さまざまな環境の向上を目指す バイク(二輪車)ユーザーがより安全で快適なバイクライフを過ごせる社会をめざし、二輪車を取りまく環境の向上のために活動している日本二普協。 同協会安全本部[…]
新基準原付、その正体とは? まずは「新基準原付」がどんな乗り物なのか、正しく理解することからはじめよう。これは2025年4月1日から、第一種原動機付自転車(原付一種)に新たに追加される車両区分だ。 導[…]
トランプ関税はバイクの世界にも影響があるのか、国内各メーカーに聞いてみました 世界中に吹き荒れている「トランプ関税」の深刻な影響。 特に、自動車に課されることになった15%の相互関税は日本の自動車メー[…]
暫定税率を廃止するなら代わりにって…… 与野党が合意して、11月からの廃止を目指すことになったガソリン税の暫定税率。 このコラムでも数回取り上げてきましたが、本来のガソリン税28.7円/Lに25.1円[…]
人気記事ランキング(全体)
新設計の4気筒・502ccエンジンにEクラッチを搭載! ホンダは、中国で開催中の重慶モーターサイクルショーにて新型モデル「CB500スーパーフォア(CB500 SUPER FOUR)」を世界初公開した[…]
ダークカラーに往年のオマージュカラーを乗せて 特別仕様車の製作を定期的に行うカブハウスは、1970年代のダックスをオマージュしたような限定仕様「DAX Royal Limited Edition」を発[…]
その姿、まるでハンターカブ×ミニトレ?! タイ仕様は新型に切り替わるとともにカラーバリエーション変更&グラフィックが変更された。 一方ベトナム仕様は、従来モデルを標準仕様として併売。この標準モデルはカ[…]
滑りにくさと耐久性を両立したソール設計 アシックスの安全靴「WINJOB CP113」は、油で劣化しにくく耐久性に優れたCPグリップソールを採用。濡れた床や油で汚れた現場でも安定したグリップ性能を発揮[…]
トレリスフレーム+ユニトラックサスペンションの本格派 カワサキは欧州で、15psを発揮する水冷125cc単気筒エンジンをスチール製トレリスフレームに搭載し、前後17インチホイールを履かせたフルサイズス[…]
最新の投稿記事(全体)
白バイ隊員になるには 白バイに乗るためには、あたり前のことですが大型自動二輪免許の取得が必要です。とはいえ、警察官になる時点で取得していないとダメかといえば、そうではありません。後から取得する手間が減[…]
レースで勝つために進化を重ねたトップパフォーマー 「GSX-Rの40年」ではまず、”アルミフレーム+カウリング+4スト最強水冷4気筒”のGSX-R(400)を紹介。 1980年代初頭に始まった空前のバ[…]
バンテリンサポーターとは 「バンテリンサポーター 腰椎コルセット」は、興和株式会社(ブランド名: バンテリン)による腰のぐらつき抑制を目的としたサポーターです。Amazonではカラー展開(ブラック/パ[…]
R90Sから受けた影響とXLCRとの意外な共通点 Z1‐Rに対するイメージを聞かれたら、多くの人が”カフェレーサー”と答えるだろう。ただしカフェレーサーは車両のオーナーやチューナーが作るもので、原点は[…]
腰をしっかり支えるバンテリン加圧サポーター 「バンテリン 加圧サポーター腰用固定タイプ」は、適度な加圧で腰部を安定させる設計が特長の日本製サポーターです。素材はポリエステル/ナイロン/ポリウレタン/ポ[…]
- 1
- 2