ヤマハの誇るスーパースポーツ・YZF-R系は1000ccから125ccまで計6機種のバリエーションを持つが、1000ccのR1と700ccのR7の間を埋める“ベストバランス”スーパースポーツが開発進行中との噂だ。ベースは900ccの3気筒エンジンを積むMT-09系。120psの強力エンジンと洗練された電子制御系、高剛性かつしなやかなアルミフレームを持つMT-09をスーパースポーツ化すれば…。R7より格段にエキサイティングで、しかしR1ほど乗り手を選ばない、令和にふさわしいシン・スーパースポーツが誕生する?!
●文:ヤングマシン編集部 ●CG:SRD
120ps+アルミフレームで本格スポーツ走行にも適合?!
ヤマハYZF-Rシリーズは1000ccのR1を頂点に、700/320/250/155/125ccの全6シリーズが展開されているスーパースポーツ(SS)。数年前まではR1の下に600cc4気筒のYZF-R6が存在し(現在もレース専用モデルとして存在)、YZF-R1を頂点としたピラミッドが上手く構築されていた。
しかし、レース指向の超高回転型4気筒を積むR6がディスコンとなり、その後に投入された688ccのYZF-R7は、扱いやすさとSSらしいエキサイトメントを両立させた新世代SSとでも言うべきモデル。操る楽しみは奥深いものがあるが、73psという最高出力はYZF-R6の後釜を担うには荷が重い。つまり、現状はYZF-R1とR7が性能的にやや開きすぎの感があるのだ。
そこで存在が噂されるのが、MT-09の888cc3気筒/120psをベースとした「YZF-R9」。そもそもMT-09は2021年にフルモデルチェンジした際、まるでSSのようなツインチューブ型フレームを手に入れ、トラクションコントロールなどの電子制御も最先端のものを搭載。初代譲りのエキサイティングさを保ちつつ別物のように洗練されている。MT系をベースにSSを作るというやり方はMT-07→YZF-R7でヤマハ自身が実証済だが、MT-09は設計時からSS化を見越していた?と思われるフシがあるのだ。
ともあれ、アルミフレームにエキサイティングなトルク特性の3気筒エンジンを搭載し、最新電制を満載したYZF-R9が登場すれば、YZF-R1とR7の間を見事に埋め、かつ速さではYZF-R6に肉薄する、かなり本格派のSSになるはずだ。すでに試作車は存在するという情報もあるし、日本でも2021年にYZF-R9の商標やロゴが登録出願されているから、登場するのはほぼ確実だと言っていいだろう。価格はベースとなるMT-09の110万円〜から類推するに、+20〜30万円の130〜140万円程度と思われる。
残すはその登場時期だ。ヤングマシン編集部では2023年にも登場すると睨んでいたが、どうやら1〜2年ほど先送りされた様子。昨今の物流の乱れや原材料不足で生産計画に修正が必要となり、2021年にデビューしたYZF-R7の出荷も2022年後半にようやく落ち着いてきたばかり。そんな状況でのニューモデル投入に躊躇があるのではないかと思われる。今後の動向をもう少し待とう。
〈YM未来予想〉ヤマハYZF-R9
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