オートマ版NSR50的な「PR-0」はメットインスポーツ
無段変速のパワートレインを採用したデザインスタディはCO-29以外にも多数あり、このPR-0はフルカウルスポーツモデルの1台。エンジンは2スト50㏄で、当時全盛を誇っていたNSR50に近いサイズ。先進的なのはメットインとなっているところで、1991年に発売されたNS-1にコンセプトが受け継がれた可能性もありそうだ。メットインのフルカウルスポーツと言えばスズキのアクロス(1990年)があるが、PR-0はアクロスの前身となる「X913」が1989年の東京モーターショーに出品される前の展示となるので、発表としてはホンダが先行していたとも言える。
「ワイドレシオを誇るベルト式無断変速のイージー操作により、スクーターとはひと味違った機敏な走りが可能です。キュートなエアロフォルム。意外にもフルフェイスがすっぽりと入る、メットイン・ラゲッジスペース。アルミキャストホイールやチューブレス扁平タイア。フロント・リアディスクなどなど。アクティブな都会の若者のハートを射抜く、小粒のスパルタンスポーツ」(ホンダの解説より)
ショートテールの「AW-2」
1989年当時、50㏄スクーターは各社の激しい競争によりハイスペック化が推進されており、ホンダもそれに沿ったデザインスタディを製作していたのが分かる「AW-2」。ハイスペックぶりをアピールする前後ディスクブレーキやカスタム風チャンバーの装備だけでなく、デザイン面でもショートテールとし、最新のCB1000Rなどが採用する凝縮した台形シルエットを実現している。
「スクーターの気軽さをそのままに、よりスタイリッシュに、スポーティに展開。そのコンセプトは『元気そのもの』です。新しい走りを表現する、ハイレスポンスエンジン。フロント・リアディスク&扁平タイヤの採用。シェイプアップされたスタイリングなど、遊びゴコロが満タン。どのパーツをとって見ても、いつ走っても、FUN! FUN! FUN!なのです」(ホンダの解説より)
未来版モンキーのような「PI-003」
モンキーZ50A以降の50㏄モンキーと同じ8インチサイズのタイヤを履く「PI-003」。コンセプトもモンキーに似ており、ハンドルが折りたためるようになっている。全長は1170mmで軽自動車のトランクに積むことができるコンパクトサイズを実現。エンジンスタートは発電機や芝刈り機などと同じリコイルスターターというのもユニークだ。
「スタイリングコンセプトは、デリンジャー。あるときは、自宅の高層マンションのエントランスに! またあるときは、クルマのトランクに! 好きなところに待機させておくことができる小型BIKEです。目的地につけばすぐさま360°自在にネットワーク。デリンジャーの名のごとく、鋭い走りを披露します。モダンでキュート。ポケットに隠しておきたい大人のアクション・ギアです」(ホンダの解説より)
エンジンをリヤホールに格納した「CITY MOPET」
当時、無段変速の50㏄は、女性向けモデルもニーズが高かった時代。だが、この「CITY MOPET」のようなモデルはついぞ発売には至っていない。一世を風靡した’76年のロードパルのような自転車感覚の気軽さを、新たなメカニズムで実現しようとしていたのだろう。現代であれば、EVで上手くまとめられそうなデザインだ。
「ファッションに敏感なヤングレディ達が、もっと生き生きと健康的につきあえるオシャレではつらつとしたシティコミューター。デザインコンセプトは、街に新風”シンプル、スリム”。もちろんスクーターとは一目で違うヨーロッパ感覚のモペットをイメージしたスタイリングです」(ホンダの解説より)
※本稿は2018年11月24日公開記事を再編集したものです。 ※本記事は“ヤングマシン”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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