
新世代ネイキッドのスタンダードとして登場した「ホンダGB350」。空冷単気筒エンジンを鋼管セミダブルクレードルフレームに搭載し、ライダーのスキルやキャリアに関わらず、誰でもゆったりとした乗り味が楽しめる。55万円というリーズナブルさも大きな魅力で、現在新車購入が困難な状態にある。そんな大人気モデルのディテールをあらためて深堀りする。
●まとめ:高橋剛 ●写真:楠堂亜希 ●取材協力:ホンダモーターサイクルジャパン
スタイリング&カラーバリエーション
【’21 HONDA GB350】■全長2180 全幅800 全高1105 軸距1440 シート高800(各mm) 車重180kg ■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ348cc 最高出力20ps/5500rpm 最大トルク3.0kg-m/3000rpm 変速機5段リターン式 燃料タンク容量15L ■タイヤサイズF=100/90-19M/C R=130/70-18M/C ●色:マットパールモリオンブラック キャンディークロモスフィアレッド マットジーンズブルーメタリック ●価格:55万円
各部の水平や平行に配慮されたデザインは、スッキリとしてクリーンな印象。シリンダーの前後などに明確な意思を持って空けられた空間があり、構成部品の形状や量感を際立たせている。
【カラーバリエーション】マットパールモリオンブラック(上左) キャンディークロモスフィアレッド(上右) マットジーンズブルーメタリック(左)
【より軽快かつワイルドな「S」もラインナップ】後輪をSTDの18インチから17インチ化し、ワイドなタイヤを装着。前後ショートフェンダーやコンパクトなテールランプ&ウインカーなどを装備した。価格はSTDプラス4万4000円の59万4000円だ。
ライディングポジション&取り回し
【ライディングポジション】広々とした快適なポジション。ハンドルやシートの位置関係が女性には少し遠目だが、男性なら問題ないレベルだろう。足着きはサイドカバーの厚みで足が開き、つま先が着地する程度だが、低重心の恩恵で不安はない。
【取り回し】180kgあるので決して軽くはないが、ハンドル位置が高めのため取り回しはラクで安心だ。
エンジン/パワーユニット
【こだわりの単気筒エンジン】シンプルな形式の空冷単気筒エンジンに最新の技術を惜しみなく投入。扱いやすさとフィーリングにこだわっている。
ロングストロークでトルクピークは3000rpm付近。発進停止を繰り返す街乗りも快適だ。
フリクションを低減するために、シリンダーをクランク中心より前方にオフセットしている。
コンロッドを前後非対称にすることで、10mmのオフセット量を確保。良好な燃費にも貢献する。
バランサー軸に加えメインシャフト軸上にもバランサーを装備。振動を抑え鼓動感を強調する。
【駆動系の徹底チューニングで上質な走り】プライマリードリブンギヤ内のダンパースプリングを最適な硬さにし、不快な振動を吸収する。リヤハブダンパーは5個設け、加速時のギクシャク感を抑えながらも適度な駆動パルスを残す設定だ。
アシストスリッパークラッチを装備しており、軽い力でクラッチ操作ができる。
クロームメッキが輝くマフラーは、内部構造にこだわって歯切れのいい音を作り込んでいる。
シャーシ/足まわり
鋼管セミダブルクレードルフレームには最新の構造/振動解析を導入。安定性と軽快感を備えたフィーリングを作り込んでいる。
エンジンマウントは4ヶ所に設定。最適なしなりを与えることで、安心感のある操縦感覚に。
【安定志向のSTD/運動性能を重視したS】誰もが扱いやすいSTDのポジションに対して、Sはハンドル位置を低く遠くし、メインステップを後方上部に配するなどして、よりスポーティーな走りが楽しめる仕様だ。
シフトペダルはシーソー式で、ダウンはつま先で前ペダルを、アップはかかとで後ペダルを踏み込めばOK。
シールチェーンは専用開発品だ。静かさとメンテナンスサイクルの長さを特徴としている。
主要装備
タコメーターのないシンプルなメーターだが、コーションランプが集められ見やすい配置だ。
フェンダーは前後ともスチール製で質感の高いもの。温かみを感じさせてくれる形状だ。
グラブバーは大型でホールドしやすくなっている。細かな配慮が行き届き、使い勝手がとてもよいあたりはさすがホンダ車。
キーで開ける左サイドカバー内部にあるヘックスレンチを使って、シート下にアクセスする。
テールランプ下など要所にパッキンが噛まされている。あえて振動感を演出するためだという。
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