パニガーレV4が登場するまでドゥカティのフラッグシップモデルとして君臨していたパニガーレ(2気筒)シリーズ。そのライトウエイト版だった959パニガーレがモデルチェンジし、新たにパニガーレV2を名乗る。955ccエンジンは155馬力を誇り、車重は176kg(装備重量200kg)だ。
2気筒スーパーバイクの灯は消さない!
従来はLツインと称していた2気筒エンジンだが、新しいパニガーレではV2と名乗ることでVツインエンジンとして区別している。といっても、エンジンをストレスメンバーとして使用するアルミモノコックフレームの基本は、素性のいい従来型の改良版であり、エンジン自体の排気量や搭載角(前バンクのシリンダーは21度起こして搭載)について特に変更のアナウンスはない。つまり車名をV4と関連付けるためと、実際の搭載状態でVに見える角度であることから、こちらのほうが自然という判断だろう。スペック表を見比べると、他の2気筒モデルはLツインを名乗っていることから、パニガーレのみがV2と名付けられたことになる。
モデルチェンジでもっとも目立っているのはデザインだ。従来の2気筒シリーズはスリムでエッジの利いたボディワークだったが、新型はパニガーレV4に通ずるエアロダイナミクスボディとなった。特に顔つきはV4とよく似ており、ウイングを装備していない2019年モデル以前のV4/Sとはパッと見で見分けるのは難しそうだ。
また、スイングアームが片持ちになったことも特徴のひとつ。従来はフラッグシップの1299のみが装備していた。さらに、V4比で面積の小さいサイドカウルやエンジン下に配置されたコンパクトなサイレンサー、最新ディアベル1260を彷彿とさせる右側出しのエンドパイプなども、V4に比べてコンパクト感を際立たせている。
新しいユーロ5規制に適合した955ccのスーパークアドロエンジンは、従来の959から5馬力アップの155馬力を発生。トルクも0.2kg-mほど上乗せされている。パワフルさを追求しながらもユーザーフレンドリーで、サーキットでもコントロール性の高さで定評のある2気筒本来の特徴はそのまま残されている。また、パフォーマンスは向上したが、主要なメンテナンス間隔には変更がなく、バルブクリアランスの点検&調整は2万4000km毎、通常のメンテナンス間隔は1万2000km/12か月毎に設定されている。
6軸IMUをベースとした包括的なエレクトロニクスパッケージにはコーナリングABSが追加されたほか、クイックシフターはダウンシフトにも対応。トラクションコントロールやエンジンブレーキコントロール、ウイリーコントロールと併せて、アクティブセーフティとスポーティな走行におけるコントロール性をともに向上した。また、すべてのコントロール機能は3つのライディングモード(レース/スポーツ/ストリート)に連動し、4.3インチのカラTFTディスプレイを介して調整することが可能だ。
ハイパワーなV4も魅力だが、ドゥカティらしい“トルクで走る”ツインエンジンならではのスポーツ性を堪能したいなら、新型パニガーレV2はとても魅力的に映る。
DUCATI PANIGALE V2 ディテール
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