ワークマンのバイク用品がすっかり市民権を得た今、安全靴などで知られるミドリ安全から登場した重作業用グローブが、バイク用プロテクショングローブを連想させると話題になっている。さっそく取り寄せ、せっかくなのでワークマンとも比較してみた!
作業用グローブはバイクでも使えるのか!?
編集部にミドリ安全という作業着系メーカーから報道用製品資料が舞い込んだ。なぜバイク雑誌に? その意図を聞くため、連絡を取ってみた。――というのが、以前の記事でも触れた部分。実際に広報担当の方に話を伺うと、「あくまでも作業用手袋なのですが、デザインやプロテクションの形状などからバイク用としても使えるのではと思い、資料を送りました」と語ってくれた。ちなみにその広報担当の方はバイク乗りだという。
2019年8月号でワークマンを特集したヤングマシンとしては、これをただ紹介して終わりというわけにはいかないだろう。さっそく製品を取り寄せ、バイク用としてのポテンシャルを探ってみることにした。しかも、正しくは「バイク用と謳っていない」ミドリ安全のカーボンヘックスKX-05を、ワークマンの“バイク用”プロテクショングローブおよび、バイク用グローブの世界的ブランドであるアルパインスターズのSP-5と、ざっくりではあるがガチで比較するという野暮な真似をしてみたのである。
重作業におけるプロテクション機能はかなり高そうだが……
衝撃に対する防御力はさすが重作業用。手の甲を無造作に机の角などに打ちつけても、かなりの吸収性を持っていることがわかる。手のひら側も同様だ。一方で気になるのは、バイクで転倒した際に必要となる摩擦への対応について、あまり考慮されていない点だ。ザラザラのアスファルトに強く擦りつけても破れない、あるいは路面に落ちたインパクトの瞬間に滑らせることによって衝撃を逃がす、といった機能については、あまり期待できなそうだった。
そして、バイク用最大の違いは立体裁断の仕方だろう。バイクにまたがり、グリップに手を添えたとき自然に指が曲がるのは、やはりバイク専用品だった(詳細は下の写真をご参照ください)。KX-05は指を伸ばした状態が基準で作られている感じで、指を曲げた際には指先が軽く圧迫される傾向がある。やや大きめのサイズを選べば問題ないかもしれないが、タイトめを選んだ場合には、長時間の運転できっと気になってしまう。
結論:街乗りは問題なさそうだが、高速巡行やロングツーリングではやはり専用品を選びたい
率直に言えば、価格を考えれば魅力はあるが、高い速度域や長距離での使用は控えたほうがよさそう。ただし、これはあくまでも作業用グローブだからであって、この価格帯でバイク専用品の造りにアジャストしてきたら……。その時は、すでにワークマンがそうであるように、ミドリ安全もバイク用品界における“黒船”と呼ばれることになるに違いない。
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