第47回マシン・オブ・ザ・イヤー2019

ひと足先に体感してみた!

【動画も】鈴鹿8耐で体感できる“後付けHUD”は映像の美しさがハンパなかった[ジャパンディスプレイ]

  • 2019/7/26

走行中のライダーの視野に映像を映し出す“ヘッドアップディスプレイ=HUD”の市販化がいよいよ近づいてきた! ジャパンディスプレイ(JDI)がバイク用ヘルメットに後付けするタイプのHUDを開発中で、鈴鹿8耐の会場にて体験会を行うのは既報通り。今回はさっそく体感してみると同時に、開発者に話を聞いてみたぞ!

ライダーの視野に映像が浮かび上がる“外付けHUD”

ジャパンディスプレイ(JDI)が開発中の後付けHUDユニット・XHD-03は、2019年1月にラスベガスで行われたコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(通称:CES)で展示されたXHD-02 KAIKENの改良版。6月に上海で開催されたCESアジアで発表&展示され、イノベーションアワードを受賞した。

7月25日(木)~28日(日)には、三重県の鈴鹿サーキットで開催される鈴鹿8時間耐久ロードレースの会場で、XHD-03の体験コーナーを設けると発表されている。

XHD-03の特徴は、ヘルメットのシールド上端にマウントすることによって、ライダーの視野内の、より自然な場所にHUD画面を配置していること。とはいえ、実際に体感してみないことには、どのように見えるのかをお伝えできないので、鈴鹿8耐の直前でバタバタしているJDI(港区西新橋)にお邪魔して、製品(試作品)を見せてもらうことに。さらに、開発メンバーにもお話を伺った。

ジャパンディスプレイで開発者に聞く! 左から堀 洋平さん、尾西智久さん、下垣内康さん。ヘルメットを半分に切ったものにXHD-03をマウントしており、これが鈴鹿8耐の体験会に持ち込まれる。中央の尾西さんが持っているのは、CESアジアで受賞した“イノベーションアワード”のトロフィーだ。

スマホの画面をそのまま目の前に映し出せる

JDIは、社名の通り液晶ディスプレイをつくっているメーカーだ。スマートフォンの画面やフルカラー表示のメーターパネルなど、そうとは知らずとも多くの人が製品を目にしたことがあるはずだ。さらに、4輪の車載用HUDで世界トップのシェアを誇っている。従来は車両メーカーやスマートフォンメーカーに製品を納める、いわゆるB to Bを中心としてきた同社だが、一般のユーザーに直接製品をお届けするB to Cの分野に進出すべく、2018年から社内でさまざまな企画を立案。実現に向けてGOサインが出たいくつかのプロジェクトのうちのひとつが、バイク用ヘルメットに後付けできるHUDユニットだ。

試作品のXHD-03。両面テープで直接貼り付けてあるが、製品版ではベースマウントを貼り付けて取り外し可能になるので、盗難の心配もない。電源は5Vのモバイルバッテリーや車載USB電源を利用する。

YM――さっそくですが、まず映像の見やすさ、美しさが凄いですね!

JDI――そこは液晶パネルのメーカーとして譲れない部分です。2018年に企画がスタートしてから、XHD-03は名前の通りすでに3つ目のバージョンでして、その前のバージョンであるXHD-02 KAIKENからはマウント位置まで変更しているんですよ。解像度はこれでもQVGA(320×240ドット)で、製品版ではWVGA(800×480ドット)になります。

YM――このXHD-03がそのまま市販されるんですか?(正直、カッコよくないよなあ……)

JDI――(心の声が漏れてますよ!)いえいえ、これはまだ試作品の段階ですから! とはいえ、HUDユニットの仕様はほぼ固まっていますので、あとは外光の明るさに合わせて画面の輝度を変えるための外光センサーや防水機能、見える位置を確保するためのアジャスターなどを加え、デザインを見栄えのいいものに変更するだけです。実際の製品に近い形のものも、近いうちにお見せできると思いますよ。

YM――そもそも、なぜ後付けタイプにしたんですか? 海外ベンチャーやSHOEIなど、スマートヘルメットの開発がトレンドな気がしますけど……。

JDI――ヘルメットをつくろうとすると膨大なノウハウが必要となるうえ、こうしたHUDユニットに興味を持たれる方は、すでにインカムなどを所有しているケースが多いだろうと想定しました。であれば、機能をシンプルに絞り込み、ディスプレイ専業メーカーとして表示の見やすさにこだわったものをつくり、買い足していただくほうがいいのでは、という判断です。いずれは多機能なものもバリエーション展開するかもしれませんが……。外付けユニットであることは、好きなヘルメットをそのまま使用できることや、複数のヘルメットをお持ちの場合にも付け替えられることがメリットになるでしょう。

とにかく見やすいのが印象的。外部電源とすることで軽量コンパクトにできるという。製品版ではさらにコンパクトかつ空力に配慮したデザインになるとのこと。試着しているのはフリーライターの谷田貝さん。

YM――機能としては、ナビ情報を映し出すだけ?

JDI――スマートフォンとWi-Fiで接続して、スマートフォンの画面表示をそのまま転送します。走行中に見ることを考えると表示項目を絞り込んだ推奨アプリの使用をおすすめしますが、それ以外でも映し出すことは可能です。

YM――それは素敵ですね! ナビ機能もさることながら、電話がかかってきたときに「誰から」といった情報がわかるのはありがたい。インカムだと着信はわかっても、音声だけなので誰からかはわからないんですよね。でもホラ、気持ちよく走っているときに編集長から仕事の電話が入っても出たくないじゃないですか。

JDI――そ、そうですか……。

見やすさを実現するためにマウント位置や輝度、解像度などを徹底的にテストしたという。

YM――ちなみに、開発はどのように?

JDI――千葉県にある工場の敷地内で、自転車に乗って夕日に向かって走ったりしています。どのような状況でも見やすさを確保できる、たとえば強い日差しの下から急にトンネルに入った際などに対応できるように。夕日が正面にあっても見える明るさ、そして夜間でもまぶしくないくらい、表示輝度にはものすごく増減の幅を持たせています。また、視線の真ん中に置くのではなく、少しオフセットした位置に設置するのも特徴です。

YM――たしかに、前を見るのに邪魔にはならず、でも視線移動は最小限という絶妙の位置でした。

JDI――ベースマウントを両面テープで貼り付けるので、多少の位置調整も可能です。

YM――気になるのは価格と発売時期ですが……。

JDI――2019年度中、可能であれば2019年内に発売したいと思っています。価格は5万円前後になると思っていただければと。

YM――おっ! 手の届く価格なうえに発売も近そうですね! 期待しています!

JDI――まずは鈴鹿8耐の会場でお待ちしています! パドックのステージ正面、ブリヂストンさんの隣ですので、気軽にお立ち寄りください!

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帰ってきたネイティブ足立区民。ヤングマシン、姉妹誌ビッグマシンで17年を過ごしたのち旅に出ていた編集部員だ。見かけほど悪い子じゃあないんだぜ。
■1974年生まれ
■愛車:MOTOGUZZI V7 SPECIAL(2012)