ベースオイルを自社精製、だから熱に強い

エンジンオイル「モーターサイクルオイルモトシンセ」試用インプレッション

  • 2019/7/15
panolin moto synth

原油から100%自社生産するスイスの潤滑油専門メーカー、パノリンの2輪用エンジンオイルを試してみた。今回はテスト車両としてテスターの愛車であるNC750S(MT)を使用。積算距離9000kmで前回のオイル交換から1000kmしか走っておらず、劣化分を加味せずテストするには好都合だった。果たして「モーターサイクルオイルモトシンセ」の実力は?

(◯)良好なシフトタッチが渋滞にはまっても続く

1949年に創業、2006年から2輪用エンジンオイルを生産しているパノリン。自社で精製されるベースオイルは一般的な動植物系エステルではなく、品質が安定した炭化水素系スーパーハイテックエステルで、熱ダレしにくく、高温域まで確実にエンジンを保護するという。

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【一滴もこぼさずに適量が注入可能】写真のようにノズルが伸びるパッケージは非常に注ぎやすくて、オイルジョッキを用意する必要なし。さらに、側面にある250㏄ずつ刻まれた目盛りも便利だ。【モーターサイクルオイルモトシンセ[パノリン]●税込価格:3132円/1L ●規格:JASO MA ●粘度:10W30】

レース専用から街乗りスクーター向けまで全6タイプの中から、今回はモトシンセ(10W-30)をテストしてみた。この銘柄はホンダが中心となって提唱している2輪用省燃費オイル規格〝HMEOC.に適合していることから、テスト車両として私の愛車NC750Sを用意した。

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【テストはNC750S】テスターの愛車であるNC750S(MT)は積算距離9000㎞。前回のオイル交換から1000㎞しか走っておらず、劣化分を加味せずテストするには好都合だった。

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【10W-30のモトシンセをテスト】ホンダ車の指定は全て10W-30なので同じ粘度のモトシンセを用意。HMEOC省燃費構想に適合したオイルだ。

始動性や吹け上がり、メカノイズなど、直前まで入れていたエンジンオイル(0W‐30)との印象差はあまりないが、その中であえて違いを感じたとすれば、シフトタッチがやや滑らかになったのと、それが渋滞にはまって冷却ファンが回るほど油温が上がっても、ほとんど変わらなかったことだ。これは良質なベースオイルによる効果らしく、DCTではなくあえてMT仕様を選んだNC750Sオーナーとしては、それだけでもこのパノリンというメーカーを選ぶだけの価値があると思った。

(△)現状では不明だがライフを試したい

劣化が少なく、スラッジの発生も抑制するとのこと。短時間のテストでは分からないだけに、実際に距離を稼いで試したいと思っている。

(結論)こんな人におすすめ:やや高めだが高温時の性能は日本向きかも

以前、潤滑油メーカーの人に話を聞いたところ、やはりベースオイルが性能を大きく左右するとのこと。その点、パノリンは自社で精製するほどに力を入れているので、純粋なパフォーマンスだけでなく信頼性も高いと言えよう。

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【ジャンル別に6種類を用意】世界初となる生分解性オイル「トップレース」から、スクーター専用の半化学合成油「スクーターブレンド」まで6タイプがあり、それぞれの粘度違いで計13種類の製品をラインナップしている。

 

●写真:飛澤 慎/松井 慎/編集部
※取材協力:岡田商事

※ヤングマシン2018年5月号掲載記事をベースに再構成

※本記事の内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。

大屋雄一

大屋雄一

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『ヤングマシン』にて厳正なる新製品テストを担当するベテランモーターサイクルジャーナリスト。